R2 瑪麗妮菈(手機版含日文)

2839年「火災」

  那一天,瑪麗妮菈來到了浮上空中前的潘德莫尼。

  由潘德莫尼建造計畫的最高負責人布里亞克引導,走進了潘德莫尼最下層。

  「這邊是蕾格烈芙大人的起居室。」雖然乍看之下是個什麼都沒有的房間,布里亞克操作控制盤之後,正面的牆壁就像是門一般打開,一片玻璃窗出現在眼前。

  玻璃中是水槽,在那裡面浮著的是連接著大大小小各種纜線的腦髓。

  今天的目的就是,直接確認只剩下腦存在著,並且進入休眠的蕾格烈芙,是否有被確實護送到潘德莫尼而且安置好。

  「起居室……啊。」

  瑪麗妮菈稍稍嘆了口氣的同時回答道。

  說好聽點是起居室,實際上被水槽跟圍繞著的機械占滿的這間房間,看起來還比較像是實驗室之類的。

  但是,瑪麗妮菈馬上就放棄了這樣的想法。就算變成了只有腦的存在,蕾格烈芙的生命活動也並未停止。

  對生者來說使用這樣的詞彙是不合理的,更別說還是對非常尊敬的絕對最高指導者使用了。


  「當大人醒來時會如何?」

  瑪麗妮菈轉換心情向布里亞克詢問。

  確定蕾格烈芙會在瑪麗妮菈死後才會醒來,也預想了蕾格烈芙跟這間居室的存在,沒能撐過長時間的流逝,在某種程度上會有所缺失。

  在那種狀況下的舊最高指導者甦醒時,那個時代的潘德莫尼指導者們,又會有什麼行動呢。

  也有可能隱瞞古老蕾格烈芙的存在直接殺害,這是瑪麗妮菈心中的懸念。

  「我們構築了一個蕾格烈芙大人覺醒之後,只要她一個意志,指導權就會全部轉移的系統。」

  「安全裝置呢?」

  「有關這間起居室的全部系統,除了那扇門以外全部都只有蕾格烈芙大人的腦波才能運用,不會受到來自外部的操作。」

  「駭客的對策呢?」

  「起居室的管理系統是從潘德莫尼的一切網路中獨立出來的,不到現場這邊來是不可能駭成功的。」

  「照你這麼說,不就跟剛剛說的指導權全部轉移系統有矛盾了嗎?」

  「檢測到蕾格烈芙大人覺醒腦波的系統,會在管理中央統括塔的地方,接上物理性的纜線。在那之後就是隨蕾格烈芙大人的意志了。」

  布里亞克清楚地回答了瑪麗妮菈的質問跟疑問。

  「管理系統的AI已經開始運作了嗎?管理系統發現異常的時候會怎麼修復呢?」

  「已經啟動了三個AI,讓AI之間互相監視系統。只要有任何一個AI發現異常,就會由其他正常的AI進行修復,十分萬全。」

  「是嗎,看到似乎沒什麼問題。」

  「一切都是為了守護蕾格烈芙大人。但是,就醫療團隊所言,保護偉大人物的頭腦光是這樣仍然不夠。」

  「不使用複製人的生命維持仍然是未知領域,能保護蕾格烈芙大人到什麼時候,醫療團隊應該也很不安。」

  「雖然不安,但是為了人類,我們現在也只能用盡全力了。」

  布里亞克的口氣十分堅定。可以感受到他,被託付為了將人類從《渦》拯救出來而啟程的蕾格烈芙性命,那強烈的意志。

  「只要不會對蕾格烈芙大人的再統治造成阻礙,就沒問題。」

  必須排除在自己這一代死後,會對蕾格烈芙的再統治造成阻礙的可能性。而且瑪麗妮菈的職責就是,將在蕾格烈芙覺醒前進行的統治體制納為磐石。

  「這我們很清楚。」

  就在布里亞克說完,瑪麗妮菈就要回應的那個時候。

  胸前口袋中的通信用裝置發出震動。

  「抱歉,失禮了。怎麼了?」

  『在您忙碌的時候很抱歉,蕾吉娜大人打來了緊急通訊。』

  是來自秘書官的通知,蕾吉娜跟瑪麗妮菈一樣是蕾格烈芙的後任指導者。

  她本來不是負責政務的工程師,而是統領就任研究職的研究工程師們的研究統括負責人工程師。

  她致力於障壁生產的對策,有來自她的通訊,就是表示《渦》對策上發生了什麼問題的時候。

  「我知道了,我馬上跟她連絡。布里亞克,我先離開了。」

  「是的,您慢走。」


  與布里亞克分別從最下層通往地面的路上,瑪麗妮菈接到了來自蕾吉娜的通訊。

  「發生什麼事了,長話短說。」

  『好的。尹貝羅達地區的一個障壁工場發生了火災,周邊的工場受到影響也暫時停止了運作。』

  「起火點找到了嗎?」

  『是從生產冷卻裝置的區域開始的,原因還在調查中。比起這些,我認為還是先報告因為火災障壁配備有所延遲的情況。』

  「知道了,我想要知道延遲日數跟為了彌補這些的模擬演算結果。」

  『這邊現在正在演算中,應該再一小時左右可以將報告給你。……瑪麗妮菈。』

  淡淡的報告狀況的兩人,在蕾吉娜呼叫瑪麗妮菈的聲音中,混入了緊迫的顏色。

  「……?怎麼了?」

  『我想要跟妳以及阮開個會,可以的話最好是今天。』

  「這倒是沒什麼問題,不過怎麼突然要開會。」

  『這場火災,是人為引起的。我想談談關於這件事的看法以及,對今後執政的影響。』

  「妳說什麼……?」


  在蕾吉娜的要求下,於各地奔走進行《渦》對策的三位指導者許久不見。三人齊聚一堂,是在被選定為指導者的就職儀式以來第一次。

  會面在統治局選擇安全以及防音良好的場所,以餐會的方式進行。

  三人的時間安排很滿,如果不以餐會的方式進行的話,連時間都沒辦法好好調整。


  「好的,在這麼忙的時候聚集兩位真是抱歉。」

  會面的發起人蕾吉娜率先開口。

  瑪麗妮菈跟阮的表情閃過一絲緊張。

  「我已經報告過在尹貝羅達地區第二十一號工場發生的火災了。首先,說明一下火災的原因,跟過去發生的事故。」

  蕾吉娜在開始用餐前,開始進行關於火災的更新追加報告。

  火災的原因是要在障壁的啟動裝置封入冷卻水時外漏引起的漏電。在這之前,別的零件製造工場也有很高的頻度發生漏電,或者混入可能造成製造機械故障的異物。至今為止都是因為現場作業員們迅速發現而防範於未然,但是這次終於還是發展成火災了。

  但是這次火災,在火災發生約一小時前,監視器拍到了冷卻水封入設備附近出現了非負責人的職員。

  蕾吉娜說明了以上這些情況。

  「在發生這次火災之前,這類事情都以低等級的意外事故提報了。這樣解釋沒錯吧?」

  聽完報告的阮開口提問。

  阮是負責因為《渦》造成的災害救助的指導者,原本是任職於治安局重要職位的工程師。

  三人都是在蕾格烈芙世代後出生,本來這幾位高級工程師預定,是負責比現在更晚幾年的世界。

  「是的。在這次的火災之前都是以過剩勞動造成人為失誤來處理的。因此,並沒有詳細的報告被提報到我這邊。」

  尹貝羅達的障壁生產工場,不只因為無法使用自動人偶,更因為《渦》的被害導致人員而有所不足。職員們經常都是處於重度過勞狀態,因為疲勞而產生的失誤是在所難免。

  「但是,過去的案例都沒有什麼可疑的點吧?為什麼這次就有可疑人物被拍到了呢?」

  「雖然危險度有高有低,但是工場現場可說是充滿了失誤。實際上,每當有類似情況的時候,就會由其他職員進行改善。這次,可能就沒那麼順利了。」

  「也就是焦躁產生了空隙,因此有可疑行動的人就被監視器拍到了是吧。」

  「應該是這樣。障壁工場的管理疏失是我的直接責任。也就是說,這肯定是有某個人特意為此作出的行動。」

  「讓事故頻繁發生,藉此追究蕾吉娜的責任嗎。」

  阮指出這點,對此蕾吉娜點頭表示贊同。

  「也就是說。因為我的指導力不足提出不信任案,以決議更換指導者。大概是這樣吧。」

  「我們的執政被要求迅速的判斷跟沒有錯誤的決斷,因此只要稍微有些失誤就很容易拿走指導者的椅子。原來這就是他們的盤算啊。」

  「但是,我也不認為打著這種算盤的傢伙,在現況下可以做好政務就是了。」

  瑪麗妮菈說出合理的判斷。

  以瑪麗妮菈為首的三位指導者,是以能否從《渦》威脅下保護人類為焦點來決定的。選定時的項目中,也有關於是否能無私心的進行執政的適合性。

  瑪麗妮菈完全不認為,以自身利益及欲望為優先的人物可以勝任指導者。

  「但是,在這種發生異常事態的時期……。到底是在想什麼。」

  「正因為是異常事態吧。想要趁著混亂之類的,歷史上也多次重複著類似的事。」

  「在潘德莫尼浮上前,一定得找出原因。」

  「要是放置不管的話,最後一定會有可能波及到蕾格烈芙大人。」

  「是啊。潘德莫尼可不能存在叛亂份子。」

  三人互相點頭同意後,議題就轉向了對叛亂份子的對策了。

  雖然在短時間內就擬出了對策,但是要預想假定是叛亂份子的人們,會在何時做出什麼行動還是相當困難的。

  空中都市潘德莫尼的浮上迫在眉睫的這個時期,有著想要奪取權力的叛亂份子。

  餐會就在纏繞著這種氣氛下結束了。


「─完─」

日文版
2839年 「火災」

 その日、マリネラは浮上前のパンデモニウムへとやって来ていた。

 パンデモニウム建造計画の最高責任者であるブリアックに案内され、パンデモニウムの最下層に足を運ぶ。

「こちらがレッドグレイヴ様の居室となります」

 一見すると何も無い壁であったが、ブリアックがパネルを操作すると、壁が扉のように開いて一面のガラス窓が現れる。

 ガラスの中は水槽になっており、その先には、大小さまざまなケーブルが繋げられた脳髄が浮かんでいた。

 今日の目的は、脳だけの存在となって眠りに就いたレッドグレイヴが正しくパンデモニウムに護送され、安置されているかを直接確認するためであった。

「居室……、か」

 マリネラは僅かな溜息と共に言葉を返す。

 居室と言えば聞こえはいいが、水槽とそれを囲う機械で占められたこの部屋は、実験室か何かのように見える。

 しかし、その考えをマリネラは即座に放棄した。脳だけの存在となっても、レッドグレイヴは生命活動を停止している訳ではない。

 生きている者に対してそういった言葉を、ましてや尊敬して止まない絶対的な最高指導者に対して使用していい筈がない。


「お目覚めになった後はどうなる?」

 マリネラは気を取り直してブリアックに問う。

 レッドグレイヴの覚醒がマリネラの死後であることは確定事項だ。レッドグレイヴとこの居室の存在も、長い時間の流れに耐え切れず、ある程度失われてしまうであろうことは想定されている。

 そのような状況でかつての最高指導者が目覚めた時、その時代のパンデモニウムの指導者達はどう動くのか。

 古の存在としてレッドグレイヴの存在そのものを秘匿し、殺害してしまう可能性さえ考えられる。それがマリネラの懸念であった。

「お目覚めになった後は、レッドグレイヴ様のご意志一つで指導権が引き渡されるようにシステムを構築しました」

「セキュリティは?」

「この居室に関する全てのシステムは、あの扉以外全てレッドグレイヴの脳波でのみ運用されるようになっています。外部からの操作を受け付けることはありません」

「ハッキングへの対策は?」

「居室の管理システムはパンデモニウムのあらゆるネットワークから独立しています。この場に来ない限り不可能かと」

「だとすると、先程の指導権移譲システムと矛盾しているのでは?」

「レッドグレイヴ様の覚醒脳波を検知したシステムによって、中央統括塔を司る場所に物理的なケーブルが接続されます。それ以降はレッドグレイヴ様のご意志次第です」

 ブリアックはマリネラの質問や疑問に淀みなく答える。

「管理システムのAIはすでに稼働しているのか? 管理システムに不具合が見つかった場合はどのように修復する?」

「三つのAIを稼働させており、常にAI同士とシステムを監視させています。どれか一つでもAIに不具合が見つかれば、他の正常なAIによってすぐさま修復が行われるよう、万全を期しています」

「そうか。問題あ無さそうだな」

「全てはレッドグレイヴ様をお守りするためです。ですが、医療チームに言わせると、偉大な方の頭脳を保護するにはこれでも足りないと」

「クローンを使わない生命の維持は未知の領域だ。レッドグレイヴ様をいつまでお守りできるか、医療チームも不安なのだろう」

「不安は尤もですが、人類のために、我々は今できる最善の手を尽くすしかありません」

 ブリアックの言葉は毅然としている。《渦》から人類を救うために旅立ったレッドグレイヴの命を預かっている気概が感じられた。

「レッドグレイヴ様が再び統治を始められることに不都合がなければ、それでよい」

 自分達の死後、レッドグレイヴの再統治に不都合が生じる可能性の排除が絶対だ。そしてマリネラの役目は、レッドグレイヴが目覚めるまでに行われる統治体制を盤石のものとしておくことだ。

「そのことは我々も承知しています」

 ブリアックの言葉に、マリネラが返事を返そうとしたその時だった。

 胸ポケットの中で通信用デバイスが震えた。

「すまない、失礼する。どうした?」

『お忙しいところ申し訳ありません。レギーナ様から緊急通信が入っています』

 秘書官からだった。レギーナはマリネラと同じレッドグレイヴの後任指導者だ。

 元々政務担当のエンジニアではなく、研究職に就くエンジニア達を取り纏める研究統括担当のエンジニアである。

 彼女は障壁生産の対策に注力しており、彼女からの通信が入るということは、《渦》対策において何か問題が発生した時である。

「わかった。すぐに対応する。ブリアック、これで失礼する」

「はい。それでは」


 ブリアックと別れて最下層から地上へと出る道すがら、マリネラはレギーナからの通信を取った。

「何があった。手短に頼む」

『わかった。インペローダ地区にある障壁工場の一つで火災が発生した。周囲の工場も余波を受けて一時的に稼働を休止している』

「出火元は判明しているのか?」

『冷却装置を生産している区画からだ。原因は調査中。それよりも、まずは火災による障壁配備の遅れを報告するのが先だと考えた』

「そうか。遅延日数とそれのリカバリに関するシミュレート結果が欲しい」

『そちらは現在試算中だ。あと一時間ほどで報告を回せるだろう。……マリネラ』

 淡々と報告を交わす二人だが、レギーナがマリネラを呼ぶ声に、緊迫した色が混じる。
「……? なんだ?」

『一度、グエンを交えて会合を行いたい。できれば今日中に』

「それは構わないが、急だな」

『この火災、人為的に起こされたものだ。それについての見解と、今後の執政への影響を話し会いたい』

「なんだと……?」


 レギーナの要請により、各地で《渦》対策に奔走している三人の指導者が久方ぶりに顔を合わせた。三人が一堂に会するのは、指導者として選定された就任式以来のことである。

 会合は統治局にあるセキュリティと防音に優れた場所が選ばれ、会食の形式で行われることとなった。

 三人共に時間が足りない。会食の形式でもなければ時間の調整を取ることもままならなかった


「さて、忙しいところ集まってもらってすまない」

 会合の主催であるレギーナが口火を切る。

 マリネラとグエンの表情に緊張が走った。

「インペローダ地区第二十一番工場で起きた火災については既報の通りだ。まずは火災の原因と、過去に起きていた事故の説明をしよう」

 レギーナは食事に入る前に、更新された火災についての追加報告を始める。

 火災は障壁の稼働装置に使われる冷却水の封入漏れによって起きた漏電が原因であったこと。それ以前にも、別の部品製造工場で漏電や製造機械を故障させかねないような異物混入など高い頻度で起きていたこと。今までは現場作業員達の迅速な発見により未然に防げていたが、ついに火災に発展してしまったこと。

 しかし今回の火災においては、火災発生の一時間ほど前に、冷却水封入設備の周辺で担当者ではない職員が監視カメラに映っていたこと。

 それらを説明した。

「今回の火災が起きるまでは、そういったことは低レベルのインシデントとして報告されていた。ということでいいか?」

 報告を聞き終わったグエンが口を開く。

 グエンは《渦》によってもたらされた災害の救助を担当する指導者だ。元は治安局で要職に就いていたエンジニアであった。

 三人共にレッドグレイヴ世代の後に生み出され、本来であれば、今よりもずっと後年の世界を担う予定だったテクノクラートである。

「そうだ。今回の火災以前は過剰労働によっるヒューマンエラーの類であると処理されてきた。それ故に、私のところにまで詳細な報告が上がってこなかったのだ」

 インペローダの障壁生産工場は、オートマタも使用できない上に、《渦》の被害によって人員が不足している。職員達は常に過重労働状態にあり、疲労によってミスあ発生してしまうことは免れ得ない。

「しかし、過去の事例に不審な点は無かったのだろう? 今回は何故不審者がカメラに映ったのだ?」

「危険度の高低こそあるが、工場現場においてミスはありふれたものだ。実際、その都度別の職員によって改善を含めた対応が行われている。今回については、それに業を煮やした可能性が高い」

「焦りが隙を生み、不審な行動を取る者がカメラに映ったという訳か」

「おそらくは。障壁工場の管理不備は私の責任に直接繋がる。つまり、それをあえて狙う必要が何処かの誰かにあったということだろう」

「事故を頻発させることで、レギーナの責任を追及するため。か」

 グエンが指摘する。その言葉にレギーナは頷いた。

「そういうことだ。私の指導力不足を指摘して不信任案を提出、決議による指導者交代。そんなところだろう」

「我々の執政には迅速な判断と過誤のない決断が求められる。それに少しでも誤りがあれば容易に指導者の椅子を取ることができる。そういうシナリオか」

「だが、そのような輩にこの現況下での政務が勤まるとは思えんがな」

 マリネラは尤もなことを言葉にする。

 マリネラを筆頭とした三人の指導者は、《渦》の脅威からいかに人類を守るかに焦点を当てて決定されている。選定時の項目には、私心なく執政が行えるか否かの適正も見られていた。

 自身の利益や欲望を優先するような人物に指導者が務まるとは、マリネラには到底思えなかった。

「しかし、この異常事態が発生している最中に……。一体何を考えている」

「異常事態だからこそだろう。混乱に乗じて、など、歴史上で幾度も繰り返されていることだ」

「パンデモニウムが浮上する前に、何としても原因を見つけねばならないな」

「放置しておけば、最終的にレッドグレイヴ様にも累が及ぶ可能性がある」

「ああ。反乱分子をパンデモニウムに存在させるわけにはいかない」

 三人は頷き合うと、議題を反乱分子への対策へと切り替えた。

 短い時間で対策は練ったが、反乱分子と仮定した者達がいつどういった行動を起こすかまでは予見しづらい。

 空中都市パンデモニウムの浮上が間近に迫ったこの時期に、権力の奪取を狙う反乱分子がいる。

 そんな不穏な空気を纏ったまま、会食は終了したのだった。

「―了―」