R2 潔米(手機版含日文)

3385年份 「渡航者」

  深夜,拉姆把連隊技官的工作做完後,開始修理潔米的裝置。

  雖然只是一些螢幕無法顯示的細微故障,但是為了潔米定期傳來的信件,想要盡快修理好。

  拉姆總是相當期待潔米傳來的信。

  她所帶來的情報總是充滿嶄新獨創的知識,不斷地刺激著拉姆的好奇心。


■■收信:三三八五年 風月一日 11:06

  前些日子實施的次元干涉實驗,發現了存有高度文明生物的世界。馬上出發啟程,預定該處為新的居住地。

  在這個世界由於混沌元素的關係,平行世界的觀測與實地研究非常盛行,研究者依照既定的法規進行次元渡航。

  多虧這樣,就連我這從別的世界而來的次元渡航者,也能在有條件下很快地接受到一些技術提供1


  我想,我暫時會繼續觀察這個世界和知性生物。

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  修理完重新啟動裝置後,馬上就收到很多信。

  這次與其說是報告書,還比較像是日記或是筆記。

  但是,對沒有像潔米那樣使用『搖籃』實際到達異世界的開放派來說,這可說是相當貴重的異世界資料。

  拉姆決定繼續閱讀那些未讀的信件。


■■收信:三三八五年 風月十二日 16:34

  雖然支配這個世界的種族外貌與人類一樣,都擁有兩腳步行的姿態,但所有人都穿戴著像盔甲一樣的東西。

  仔細詢問下,才知道這些盔甲是為了保護他們的如同頭腦的本體,像是外殼般的東西。

  在他們相似人類的外型下,平均約有六~八個左右的頭腦包在裡面,各自以神經分支複雜地連繫而擁有高度的智能與演算思考。而為了保護那複雜又纖細的神經分支能免於震動和衝擊等的傷害,而有這項外殼般的外表。

  加以詢問下這兩腳步行型的意義,得知是為了使用對人類來說的像『手』的器官,來讓工作更有效率地進行。

  對他們來說,手腕並非身體的一部分,而是為了進行工作的一個道具。因此,會因職業別來增加兩對或三對的手腕。2

  一個身體內含複數以上的頭腦,所以要增加手腕也絕非問題。

  真想親眼見識一下擁有複數手腕的人啊。


  除了本文外,會再附上關於支配種的詳細身體調查報告書。

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■■收信:三三八五年 風月二十五日 07:45

  支配種族,原本以我們的世界來說的話,大概是像細菌般的存在。

  為了延續生命在嚴苛環境下存活在這世界,只能群體生活,不知何時開始,彼此的身體結合為一而變成一個巨大的個體。

  不斷地反復結合中,聰明個體的頭腦逐一連結,最後獲得至大的智能。

  為了適應存活在這世界的環境下可說是最好的方法,隨著世代更替擁有大型頭腦的個體也跟著增加。

  『個體』和『群體』有非常不一樣的差別,我對觀察作為知性體的進化過程中兩者的相近之處,有相當大的興趣。


  又問了保留頭腦的『個體』會變成什麼樣,但沒有得到明確的答案。

  反而說明了因連結而增大知識所帶來的幸福感,但老實說還是很難理解。

  對他們來說『個體』這樣的存在方式大概很不重要吧,這是我無法擁有的價值觀。

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■■收信:三三八五年 花月四日 21:18

  熟識的研究者邀請我,要不要進行頭腦連結化手術。

  我向他們提供的技術,對他們來說似乎有相當高的價值。他們覺得我只有單體頭腦有點可惜,這算是他們對我的讚賞。

  但是,我還是慎重地拒絕了他們要幫我連結頭腦一事。

  我並不想失去我這個『個體』,或許隨著年齡的增長,領悟出些什麼了的話可能會有不同的答案也不一定。但是,現在時機還太早了。


  在這次元渡航者來往的世界中,他們對於『個體』存在的種族雖然表示理解,但是應該不理解我們想保持個體的這個價值觀吧。

  這樣的差異,在這裡生活下去會被影響的可能性很高。

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■■收信:三三八五年 花月十九日 02:06

  必須以次元渡航實驗為由,從這個世界離開了。

  這個世界的技術還有很多值得學習的地方,但可以確定的是絕對無法與他們的價值觀互相理解。

  或許他們是想要我的頭腦吧,感覺頭腦連結化的邀請已逐漸變為強制,也是讓我想離開的原因之一。

  次元渡航者中好像也有被他們同化的人,但很可惜的是我不感興趣。

  為了不讓價值觀不同而產生的爭執更加嚴重,我想我是必須要離開這個世界的。


  也因為如此,我學到了『個體』與『群體』的價值觀差異,會在互相理解上產生很大的阻礙,也算是一種收穫。

  我希望下個渡航地點能有著重視『個體』價值的生物。

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  閱讀完一封信件後,拉姆深深地嘆了一口氣。

  信件內容雖沒有什麼太大改變。但是,雖然也有遇到危機,但是看到信件中很有活力的潔米,覺得她前往異世界旅行果然是正確的選擇。


  『金斯頓協定』為工程師們帶來了很大的混亂。

  拋棄經年累月的研究,可以馬上改從事完全無關的其他研究的工程師,可說是少之又少,大部分的人都沒有這麼堅強的意志。

  也有因為害怕被肅清,轉為餐與被稱作限制派派閥的人。

  即使在這樣的情況下,也有人無法拋棄混沌元素那未知的可能性,想要繼續研究。

  那些人避過蕾格烈芙與限制派的眼線,而開始與『開放派』有密集的接觸,也可說是自然而然的事。

  拉姆就是屬於開放派的人,但是因為有高級工程師的身份,所以無法在潘德莫尼直接參與實際的活動。但如果派遣到他們管不到的連隊去,開放派的活動也會比較順利進行。


  認識潔米時,大概是在開放派的存在還無法大聲張揚的時候3

  她是從事生物化學研究的工程師,也在這個領域裡有一定的成果。可是,由於罹患慢性病,以現在的醫療技術想要延長她的壽命,連十年都很勉強。

  「曾經是可以根治的病,但現在的人類卻連阻止持續惡化都無法做到。不是很可笑嗎。」

  潔米說的諷刺話,深深地烙印在拉姆的腦海裡。

  每當發現失落技術可以解決的事時,拉姆都會想起這句話。

  因為《渦》出現導致的混亂中所失去的技術十分龐大,為了找出補上這些缺失技術的某種東西,我們持續探求著。

  潔米想藉由觀察其他可能性世界的技術,來找到能克服自己病魔的方法。

  因此,在沒有任何人的協助下查出開放派的人員,也就是我,並且有所接觸。


  能找到在導都潘德莫尼表面上並沒有從事開放派活動的我,真的很令我訝異。

  同時,在沒有他人幫助下靠著自己的慧眼與頭腦找到我,還有那孜孜不倦的探求心,這些都正與開放派的理念不謀而合。

  像潔米那般強烈的存在,絕對不該受限於蕾格烈芙嚴苛的束縛之下。


  邊回想著過去邊讓頭腦沉澱一下的拉姆,一如往常地將信件傳送到主機。

  「她果然,是必須前往異世界的人啊。」

  拉姆喃喃自語的聲音消失在研究室不斷作響的機械聲中,沒有人聽到。


「-完-」

日文版
3385年 「渡航者」

 深夜、レジメント技官としての仕事を済ませたラームは、ジェミーのデバイスの修理を行っていた。

 モニターが映らないという些細な故障であったが、ジェミーから定期的にメールが送られてくる都合上、早めの修理をしたかった。

 ラームは、ジェミーから送られてくるメールをそれなりに楽しみにしていた。

 彼女のもたらす情報はどれも目新しい知見に溢れており、好奇心をくすぐるのだ。


■■受信:三三八五年 風月一日 11:06

 過日実施した次元干渉実験によって、高度文明を持つ生命体が存在する世界を発見。すぐにそこへ渡航し、新たな居住地と定めた。

 この世界ではケイオシウムによる平行世界観測及び渡航研究が非常に盛んであり、研究者は定められた法に則って次元渡航を行っている。

 そのお陰だろうか、別の世界からの次元渡航者である私も、いくつかの技術提供を条件に快く受け入れてもらうことができた。


 暫くは、この世界と知的生命体の観察を続けようと思う。

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 修理を終えたデバイスを起動させると、多数の新たなメールが届いていた。

 今回のものは報告書というよりも、日記や手記に近い。

 しかし、ジェミーのように『ゆりかご』を使って異世界へ行かなかった開放派にとって、これは貴重な異世界の資料となる。

 ラームは受信している未読メールを読み進めることにした。


■■受信:三三八五年 風月十二日 16:34

 この世界の支配種族は外見上は人間と同じ二足歩行の姿をしているが、例外なく全員が鎧のようなものを着込んでいる。

 詳細を尋ねたところ、この鎧は彼らの本体たる頭脳を守るための外殻のようなものであるとのことだ。

 彼らは人間に似た姿の内側に平均して六~八個程度の頭脳を内包し、それぞれを神経バイパスで複雑に繋ぎ合わせることで高度な知能や演算思考を持ち得てる。その複雑かつ繊細なバイパス接続を振動や衝撃などから守るための外殻らしい。

 さらに二足歩行型である意味も問い掛けると、人間で言うところの『手』を使って作業を効率よく進めるためであるとのことだった。

 彼らにとって、腕とは身体の一部ではなく作業を進めるための道具である。そのため、職業によっては二対、三対と腕が増えていくようだ。

 一つの身体に複数個の頭脳を内包しているため、腕が増えることによる問題はないとのこと。

 複数腕を持って働く者がいる現場を見てみたい。


 本文の他に、支配種の詳細な身体調査報告書を添付する。

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■■受信:三三八五年 風月二十五日 07:45

 支配種族は、元は我々の世界で言うところのバクテリアのような存在だったようだ。

 生命が生きるには苛酷な環境であったこの世界を生き抜くために群れとなり、いつしかお互いの身体を接続して巨大な個体を形成するようになった。

 そういった接続を繰り返すうちに、賢い個体が頭脳を連結するようになり、至大な知能を得るに至る。

 この世界の環境を生き抜く術としてそれこそが最適だったようで、世代を経るに従って頭脳の大きな固体が増えたのだという。

 『個』と『群れ』という非常に大きな違いがあるが、知性体としての進化プロセスに近似が見受けられることについては、興味深い研究ができそうである。


 頭脳が保持する『個』はどうなるのか尋ねたところ、明確な答えは返ってこなかった。

 代わりに、連結することで得られる知識の増大とそれに伴う多幸感を説かれたが、理解には程遠いというのが正直な感想だ。

 彼らにとって『個』としてのあり方は瑣末なことなのだろう。私には持ち得ない価値観である。

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■■受信:三三八五年 花月四日 21:18

 懇意となった研究者に、頭脳連結化手術の誘いを持ち掛けられた。

 私が彼らに提供した技術は、彼らにとって価値あるものだったようだ。単体頭脳にしておくには惜しいという、彼らなりの賛辞も貰った。

 だが、頭脳連結化に関しては丁重にお断りすることとした。

 私は私という『個』を失う気はない。齢を重ねて何かしらの悟りを得ていれば違った答えが出たのかもしれない。しかし、今は時期尚早であるといえよう。


 次元渡航者が行き来する世界であるため、彼らは『個』である種族が存在することに理解は示すが、それを良しとする価値観については理解不能であるとの見解であった。

 この相違が、ここでの生活に影響を及ぼす可能性が高いことを懸念している。

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■■受信:三三八五年 花月十九日 02:06

 次元渡航実験と称して、この世界から旅立たざるを得なくなった。

 この世界の技術にはまだまだ学ぶべきものがあるが、彼らの価値観とは決定的に相容れないということが確定した。

 私の頭脳が欲しいのか、頭脳連結化に関する勧誘が勧誘ではなく強制的なものになりつつあると感じたのも、要因の一つである。

 次元渡航者の中には彼らと同化した者もいるようだが、生憎と私にはその気はない。

 価値観の違いによる軋轢をこれ以上深刻化させないためにも、私はこの世界から旅立つ必要がある。


 しかしながら、『個』と『群れ』に関する価値観の違いは、相互理解を行う上で大きな障害になることを学べたのは、一つの収穫だ。

 次の渡航先が『個』としての価値を重視する生命体がいる場所であることを願う。

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 一通りメールを読み終えると、ラームは深く息を吐いた。

 メールの内容は相変わらずであった。しかし、危機こそあったものの、内容から垣間見える元気そうなジェミーの姿に、やはり彼女は異世界へ旅立って正解だったのだと確信する。


 『キングストン協定』がエンジニア達にもたらした混乱は大きかった。

 長い年月を掛けて研究してきたものを全て破棄し、すぐに一切関連のない別分野の研究に従事できたエンジニアは少ない。殆どの者はそんなに強い心など持ち合わせていなかった。

 粛正を恐れ、掌を返すように制限派と呼ばれる派閥に与した者もいた。

 そのような状況に於いてもなお、ケイオシウムが持つ未知の可能性を捨てきれずに研究を続けたいと願う者達がいた。

 そんな者達がレッドグレイヴら制限派の目を盗み、『開放派』として密かに活動を始めたのは、ごく自然なことだったと言えよう。

 ラームもそんな開放派に属する人間だ。テクノクラートの身分故に、パンデモニウムでは表だった活動はできなかった。だが今は彼らの目が届きにくいレジメントに派遣されており、開放派としての活動はやりやすくなっている。


 ジェミーと出会ったのは、開放派の存在がまことしやかに囁かれるようになった頃だった。

 彼女は生物化学研究を専門とするエンジニアであり、その道ではそれなりに成果を挙げていた。しかし、彼女は現在の医療技術では十年程度の延命が精一杯とされる、進行性の病を患ってしまった。

 「かつては根治可能であった病魔なのに、今の人間には進行を止めることすらできない。こんな情けない話があるか」

 ジェミーが言い放った皮肉は、ラームの脳裏に深く刻まれた。

 失われた技術さえあれば解決できたであろう事象を発見する度に、ラームはこの言葉を思い出す。

 《渦》の出現による混乱で失われた技術は膨大だ。その失われた技術を穴埋めするための何かを、我々は捜し求めていた。

 ジェミーは自らの病魔を克服する術を、別の可能性世界の技術を観測することによって見つけ出そうとしていた。

 そのために、誰の協力も得ずに開放派に属する人物を突き止め、その一人である私に接触を果たしたのだ。


 パンデモニウム内では表だって開放派としての活動をしていない私に接触をしてきたことは、驚嘆に値する。

 と同時に、誰の助けも借りずに自ら探し当てるという慧眼と頭脳、そして飽くなき探究心。それらは開放派にこそ相応しいと思った。

 ジェミーの存在はそれだけ強烈であり、絶対にレッドグレイヴが課す厳しい制限に縛られるべき人物ではなかった。


 過去を思い返しながら頭を休ませたラームは、いつも通りメールをメインフレームへと転送する。

「やはり彼女は、渡るべくして異世界へ渡ったのだな」

 ラームの呟きは研究室に響く機械音に紛れ、誰にも届くことはなかった。


「―了―」

  1. 翻譯錯誤。原文為「以提供幾樣技術為條件,他們就十分歡迎我」。
  2. 翻譯錯誤。這部分翻的「手腕」,原文指「手臂」或指整隻手。
  3. 翻譯錯誤。原文為「開放派存在的傳聞正傳得煞有其事」。