R3 尤莉卡(含日版)

3376年 「復活」

組織首領被逆賊凱倫貝克打倒之後,已經過了很長一段時間。

不幸中的大幸是,古斯塔夫的頭腦並沒有受到致命的傷害,透過組織的技術免於完全死亡。

但是身體所受的傷太深,雖然動用了組織全力研究再生治療,但是仍然還沒有找到可行的方案。



尤莉卡一邊將古爾德患者當作實驗樣本收容的同時,一邊調查曾經為同志的格蘭特行蹤。

「在古朗德利尼亞帝國的工業都市,發現疑似尋找對象的人物」

「一旦確認是他本人,馬上與他接觸」

以前,格蘭特與古斯塔夫想法相同,是經由古斯塔夫之手而成為了超人的人物。但是在尤莉卡參與組織之後,他表示有自己的意向而離開了組織。

格蘭特與古斯塔夫一樣是在薄暮時代,以仿生學研究權威馳名的高級工程師。倘若能藉由他的協助,古斯塔夫的治療應該也能向前邁進一大步。

但是,即使發現了格蘭特的身影,但卻一次也沒有成功接觸到他。



就這樣,古斯塔夫的復活之日遙遙無期,經過了好長一段時間,組織也漸漸出現變化。

「設置於羅占布爾克下層的孤兒院,已完成了最後處理」

「孤兒們呢?」

「似乎被康拉德祭司利用於抗爭,全員陷入了重度的藥物中毒」

「……雖然是寶貴的超人候補,但也沒辦法。沒有辦法治療的人,全部轉用到再生治療的實驗上去」

組織幹部康拉德,在羅占布爾克進行的超人化計畫中死亡。詳細的過程雖然還在調查中,但應該是與犯罪組織間的抗爭有關。

失去了資深的幹部,克洛維斯為了填補這個空缺四處奔走。尤莉卡也在羅占布爾克裡忙著消除康拉德蹤跡的工作。



處理完羅占布爾克相關連的事情後沒多久,附設的醫療設施收容了一個少年的報告,傳到了留在某個聖堂的尤莉卡耳裡。

被送來的少年被魔物襲擊受了嚴重的傷,雖然進行了緊急處置,但被認為沒有治療的價值即將死亡。



身上完全沒有任何身份證明,即將面臨死亡的少年。

是在開始準備這個無依無靠少年的墓時,收到了少年的傷恢復的比收容時更好的緊急報告。

「不是誤診吧?」

「是的。我當初為他看診的時候,他的脊椎受了致命傷。但是……」

「把少年搬到隔離室,我要進行實驗」

尤莉卡對於少年身體的謎充滿了興趣。

尤莉卡用刀,在被帶往隔離室拘束的少年手腕上深深地劃了一道。

「唔……」

少年發出了呻吟,表情痛苦扭曲。

但是那也只是一下子而已,少年的手腕上的刀傷緩緩地,但卻是一般人,不,即使超人也沒有的快速癒合。

「原來如此,這似乎有研究的價值」

尤莉卡馬上召集了魯貝斯的研究員。

從這個醫療設施到魯貝斯,即使用腳程最快的馬車也需要一天的時間。必須要在少年醒過來之前,將他送往魯貝斯的研究所。

「給這個少年施打D4265藥劑,在他醒過來之前送往大聖堂研究所」

「遵命」

尤莉卡確信,這個擁有異常再生能力的少年,將是救古斯塔夫的關鍵。



「這裡是……」

少年睜開了雙眼,混濁黯淡的眼睛盯著尤莉卡看。

但是,不知道是什麼原因,少年完全沒有表現出抵抗的樣子。雖然不清楚少年為什麼會這樣,但對尤莉卡他們來說反而是好事。

「你沒必要知道,你的存在從現在開始將只會是成為拯救我們首領的基礎而已

尤莉卡對於這個少年僅有的關心,是他那個異樣的再生能力而己。

「什麼……」

「感到光榮吧,你將要成為拯救神的犧牲品。」



離開少年所在的房間後,尤莉卡就這樣直接走向研究者們等待著的房間。

「徹底地研究這個生命體,把他逼近到快死為止,應該是最恰當的」

「可以做到那種地步嗎?」

研究者用著不可思議的表情看著尤莉卡。儘管這個少年擁有任何超人都沒有的再生能力,但是能否熬過實驗還是感到很不安。

「這個生命體有著驚人的回復力,是非人類生物,所以做什麼都不成問題」

「但是,為了以防萬一,針對頭部和心臟的實驗還是盡量減到最小,如何呢?」

「……說的也是。在找到能讓古斯塔夫大人復活的東西前,萬一要是死掉就沒有意義了」

「明白了,我們會提出最好的結果的」

「一切都賭在你們的研究上了,請務必銘記在心」



來路不明少年的研究,日以繼夜的持續著。

越深入研究,少年身體所賦有的特異性就越來越明顯。

然後,少年的細胞足以讓首領古斯塔夫完全復活這件事,漸漸變成確切的事實。

尤莉卡每天都持續著聽取著,研究者們那令人欣喜的報告。

「尤莉卡大人,使用動物的細胞再生實驗成功了」

「那麼,核准你們使用人體來檢證,你們可以使用實驗體501號到510號共十體」

「好的」



在經過好幾次的人體實驗之後,終於要開始進行古斯塔夫的再生治療。

雖然損傷嚴重花了不少時間,但古斯塔夫的治療確實在進展著。

目的達成,算是利用完畢的少年,變成了研究者們好用的實驗玩具。


尤莉卡收到古斯塔夫清醒的報告,是在古斯塔夫從再生治療機器移回床上沒多久後。

尤莉卡和克洛維斯趕到古斯塔夫的房間後,古斯塔夫已經坐起,正在床上閱覽好幾份資料。

「您身體的狀況還好嗎?」

「嗯。沒問題。反倒是,對這彷彿年輕肉體的健康感到驚訝」

「是使用再生治療的細胞發生作用了」

「哦,你們好像創造了什麼有趣的東西,晚一點我想看一下研究資料」

「明白了,我馬上命人準備」

看著與跟倒下前完全沒有什麼改變的古斯塔夫,尤莉卡感到安心。

克洛維斯似乎也是一樣的想法,自從古斯塔夫倒下後就一直緊繃嚴肅的表情,看起來也放鬆了不少。



然後又過了一個月,在古斯塔夫的身體檢查等等中慌忙地渡過了。

而關於古斯塔夫復活的通知,在古斯塔夫本人說『時機尚未到來』之下,因此只有再生治療的研究者們與幹部才知道。



「叛徒的處分,嗎?」

「我這邊不是有收到,好幾個聖堂都有蠢蠢欲動跡象的報告嗎?」

「是的。但是我認為,應該不需要古斯塔夫大人直接出手的程度」

由於古斯塔夫長時間不在,握有權力的祭司開始不安份了起來。

尤莉卡他們一直都秘密的監視著,只要他們一有行動就打算馬上進行肅清。

「沒什麼,他們要是因為什麼疑惑,而企圖謀反的話,只要直接問問他們就好了」

「也順便適應一下身體,嗎?」

「沒錯,我也想知道,這個年輕的肉體能夠發揮多大的力量,剛好是個好機會來實驗」

古斯塔夫跟以前一樣露出深不可測的微笑。

克洛維斯雖也無可奈何地聳了聳肩,但表情卻是無比欣喜的樣子。

古斯塔夫的外貌雖然有很大的變化,但除此之外都沒有任何改變。

「我明白了,我會幫您準備好,您打算從哪裡潛入呢?」

尤莉卡切實的感受到,一直以來自己所信任的首領真的回來了。

然後跟過去一樣,為了古斯塔夫悄悄地進行著一切準備。



「─完─」

日文版
3376年 「復活」

逆賊カレンベルクの手によって組織の首領ギュスターヴが倒されてから、長い年月が流れていた。

不幸中の幸いか、ギュスターヴの頭脳には致命的な損傷は無く、組織の技術によって完全な死を免れていた。

しかし身体に受けた傷はあまりにも深く、組織の総力を挙げて再生治療に尽力しているものの、再生には未だ活路を見出せずにいた。

 

ユーリカはグールド病患者を験体として収容する傍ら、かつての同志であったグラントの行方を調査していた。

「グランデレニア帝國の工業都市にて、対象者らしき姿が確認されました」

「当人であると確認でき次第、速やかに接触しなさい」

グラントはかつてギュスターヴの思想に共鳴し、ギュスターヴの手によって超人となった人物であった。しかしユーリカが組織に参画した直後に、彼なりの思惑があるとして組織を出奔していた。

グラントはギュスターヴと同じく、薄暮の時代にバイオニクス研究の権威として名を馳せていたテクノクラートである。その彼の協力を仰げば、ギュスターヴの治療も前進するであろうと考えてのことであった。

だが、グラントはその影を発見することはできても、一度として接触することは叶わなかった。

 

そうして、ギュスターヴの復活に目処が立たないまま長い時間が過ぎていき、組織のありようにも少々の変化が見えていた。

「ローゼンブルグの下層に設置していた孤児院ですが、最終的な処理が完了しました」

「孤児達は?」

「コンラッド祭司が抗争に利用していたようで、全員が重篤な薬物中毒に陥っています」

「……貴重な超人候補でしたが、仕方がありませんね。治療の目処が立たない者は、全て再生治療の実験に回しなさい」

組織の幹部であるコンラッドが、ローゼンブルグで進めていた超人化計画の遂行中に死亡。詳細な経緯は調査中だが、犯罪組織間の抗争に関与したことが原因であった。

古くからの幹部を失い、クロヴィスはその穴埋めのために奔走。ユーリカもローゼンブルグ内でのコンラッドの痕跡を消す作業に追われていた。

 

ローゼンブルグに関連する処理が終わってから間もなく、とある聖堂に滞在していたユーリカの耳に、併設の医療施設に一人の少年が収容されたとの報告が入った。

運ばれてきた少年は魔物に襲われて酷い怪我を負っており、一応の応急処置を施したものの、治療の甲斐なく死亡するであろうと思われていた。

 

身分を証明するものは何も無く、程なく死を迎えるであろう少年。

その少年の傷が収容時よりも回復しているとの緊急報告を受けたのは、身寄りのない少年の墓を用意せねばと手配を始めた時のことであった。

「誤診ではないのですね?」

「はい。私が彼を診たとき、彼は脊椎に致命傷を負っておりました。ですが……」

「隔離室にこの少年を運びなさい。実験を行います」

少年の身体の謎に、ユーリカは興味を抱いた。

隔離室に運び込まれて拘束された少年の腕を、ユーリカはナイフで深く切り付けた。

「ぐ……」

少年は呻き声を上げる。表情は苦痛に悶えていた。

だがそれも一時のことだ。少年の腕に付けられたナイフの傷はゆっくりと、だが常人では、いや、超人でさえも有り得ない早さで塞がっていく。

「なるほど。これは研究のし甲斐がありそうです」

ユーリカはすぐにルーベスの研究員に招集を掛けた。

この医療施設からルーベスまで、足の速い馬車を使っても一日は掛かる。少年が目を覚ます前に、ルーベスの研究所へ運び込む必要があった。

「この少年にD4265の薬剤を投与。目が覚める前に大聖堂研究所に移送します」

「承知しました」

この異常な再生能力を持つ少年こそがギュスターヴを救う鍵になると、ユーリカは確信していた。

 

「ここは……」

少年が目を覚ます。澱んだ昏い目がユーリカを見つめる。

だが、理由はわからないが、少年は少しの抵抗さえ見せようとしない。何が少年をそうさせるのかはわからないが、ユーリカ達にとっては好都合であった。

「それを知る必要はありません。あなたは今から、我らの首領を救うための礎となるのですから」

ユーリカのこの少年に対するもっぱらの関心は、その異様な再生能力のみにある。

「何を……」

「光栄に思いなさい。神を救うための贄となることを」

 

少年のいる部屋を出ると、ユーリカはそのままその足で研究者達の待機する部屋へと向かう。

「この生命体を徹底的に研究しなさい。生命活動の停止間際まで追い込むくらいが丁度よいでしょう」

「そこまでしてしまってよろしいので?」

研究者が怪訝な顔でユーリカを見る。この少年がどの超人ですら持ち得ていない再生能力を持つとはいえ、実験に耐えきれるかどうかを不安視しているようだった。

「この生命体は驚異的な回復力を持つ、人間ではない何かです。何をしようと問題はないでしょう」

「では、念のために頭部と心臓への実験は最小限に抑える、というのでは?」

「……そうですね。ギュスターヴ様を復活せしめるものが見つかる前に、万が一死んでしまっては意味がありません」

「畏まりました。最良の結果を提示してみせましょう」

「あなた方の研究に全てが掛かっています。肝に銘じておきなさい」

 

出自不明の少年の研究は、昼夜を問わずに続いた。

研究を続ければ続けるほどに、少年の身体が持つ特異性が明らかになっていく。

そして、少年の細胞には首領ギュスターヴを完全に復活させるに足る力があることが、確信に変わっていった。

研究者達の嬉々とした報告を、毎日のようにユーリカは聞き続けた。

「ユーリカ様、動物を使用した細胞再生の実験が成功しました」

「では、人体での検証を許可します。実験体五〇一号から五一〇号までの十体を使用しなさい」

「はい」

 

幾度かの人体実験を経て、ついにギュスターヴの再生治療が開始された。

損傷が激しいために時間こそ掛かるものの、ギュスターヴの治療は確実に進んでいく。

目的を達し、ほぼ用済みとなった少年は、研究者達の体のいい実験玩具となっていた。

 

ギュスターヴが目を覚ましたとの報告を受けたのは、ギュスターヴが再生治療機器からベッドに移されて間もなくであった。

ユーリカとクロヴィスがギュスターヴのいる部屋へ赴くと、すでにギュスターヴは起き上がり、ベッドの上でいくつかの書類を読んでいるところであった。

「気分はどうだい?」

「うむ。何も問題ない。むしろ、若い肉体というものの健康ぶりに驚いているところだ」
「再生治療に使用した細胞による作用です」

「ほう、面白いものを作り上げたようだな。あとで研究資料を見たい」

「畏まりました。すぐに用意させます」

倒れる以前と何も変わらぬギュスターヴの様子に、ユーリカは安堵する。

クロヴィスもそれは同様であったようだ。ギュスターヴが倒れて以降ずっと引き締まっていた表情が、幾分か和らいで見えた。

 

それから一ヶ月は、ギュスターヴの身体検査などで慌しい時間が過ぎていった。

復活の知らせはギュスターヴ当人が『その時宜ではない』とし、再生治療に関わった研究者達と幹部のみが知るに留まっていた。

 

「謀反人の処分、ですか?」

「いくつかの聖堂で不穏な動きがある。そう報告があっただろう?」

「はい。ですが、ギュスターヴ様が直接手を下すまでもないかと思われますが」

長期にわたるギュスターヴの不在によって、力を持つ祭司が不穏な動きを見せ始めていた。

ユーリカ達は彼らを密かに監視下に置き、行動を起こし次第粛清に乗り出す計画であった。

「なに、彼の者らがどのような思惑で謀反を企んでいるか、直接尋ねるだけぞ」

「身体の慣らしも兼ねて、かい?」

「そうだ。この若い肉体がどれ程の力を行使できるのか、それを知りたくもあるのでな。丁度よい実験よ」

ギュスターヴは以前と変わらぬ深い笑みを浮かべた。

クロヴィスはその様子にやれやれといったように肩を竦めたが、表情は心底から嬉しそうだ。

ギュスターヴの容姿はだいぶ変わってしまったが、それ以外は何も変わっていない。

「わかりました。手配をいたします。まずは何処に潜入なさいますか?」

自らが信頼し続けた首領が本当に帰ってきたことを、ユーリカは実感する。

そして以前と同じく、ギュスターヴのためにあらゆる準備を粛々と進めるのだった。

 

「—了—」