史塔夏的生日派對結束之後,帶著一堆禮物上床。
史塔夏也要求音音夢一起在同一張床上睡覺。
「媽媽,晚安!」
「好,晚安」
要是如此幸福的日子能夠一直持續下去就好了。音音夢邊這樣想著,邊閉上雙眼。
|
音音夢與史塔夏在鳥鳴聲中醒來。
「媽媽,我出門了!」
「路上小心」
目送史塔夏上學之後,音音夢也出門去市場買東西。
今天是可愛獨生女史塔夏的生日,要在她回家之前準備好蛋糕和大餐。
這裡是熱鬧歡樂的大城鎮,萬魔鎮。
母親音音夢與她的女兒史塔夏二人,就生活在這個城鎮某間公寓裡。
「那個跟這個,還有那個也要──」
音音夢在廚房裡忙東忙西地做菜。
沙拉、湯品、漢堡肉。做好了許多史塔夏喜歡的東西。
|
「我回來了!」
史塔夏飢腸轆轆地回來了。
雙手抱著一堆學校朋友送的禮物。
「歡迎回家」
快過來吧,開心的派對即將開始了。
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「嘿嘿,好好吃哦,媽媽!」
「太好了」
音音夢微笑看著史塔夏開心大口吃的樣子。
能夠看著可愛孩子開心的樣子,對於音音夢來說這是最幸福不過的事了。
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於是,二人的派對結束之後,史塔夏帶著一堆的禮物上了床。
史塔夏也要求音音夢一起在同一張床上睡覺。
「媽媽,晚安!」
「好,晚安」
要是如此幸福的日子能夠一直持續下去就好了。音音夢邊這樣想著,邊閉上雙眼。
|
夜明之後,又是一天的早晨來臨。
「媽媽,我出門了!」
「路上小心」
目送史塔夏上學之後,音音夢也出門去市場買東西。
今天是可愛獨生女史塔夏的生日,要在她回家之前準備好蛋糕和大餐。
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就在音音夢正打算出門的時候,不經意地看了月曆一眼。
月曆上,畫了一個今天是史塔夏生日的標記。
但是,整個月曆上只有史塔夏生日這個標記。
音音夢疑惑地盯著這只有標記史塔夏生日的月曆。
「這麼說來,昨天我做了什麼……?」
這麼說,昨天、前天、大前天好像也都是為了史塔夏生日的事在忙……?
音音夢努力地回想著,但怎麼也想不起昨天的事。
就只記得今天是史塔夏的生日而已。
音音夢佇立在月曆前思考了許久。
|
「我回來了!」
就這樣思考到史塔夏回來。
「史塔夏,歡迎回家」
抱緊撲過來的史塔夏,溫柔地撫摸著她的頭。
音音夢腦中的疑問漸漸地浮現了出來。
「那個,史塔夏」
音音夢下了決心,叫了史塔夏的名字。
「什麼事,媽媽?」
「我們,好像一直在重覆過同一天耶。是我的錯覺嗎?」
音音夢小心翼翼地問著史塔夏。
「呵呵,呵呵呵。啊哈哈哈哈哈哈哈哈哈!」
結果,史塔夏突然發出尖銳的笑聲。
|
「史塔夏……?」
「什麼呀,媽媽,妳已經發現了呀」
史塔夏聲音與剛才完全不同,是一種毫無感情的聲音。
「那麼,這次的遊戲就到此結束」
突然間,圍繞在音音夢與史塔夏身邊的景色開始溶化。
「……啊」
音音夢連抵抗也來不及,就被放逐到什麼都沒有的空間裡。
|
音音夢想起來,這位叫史塔夏的少女,一直讓她不斷地重覆再重覆扮演各種不同的角色。
不管扮演什麼角色,只要史塔夏膩了的話,就會讓她扮演別的角色。
──長大後可以使用魔法的自己。
──與妖精一同旅行的自己。
──與如同王子般完美男子相戀的自己。
──成為可愛女孩的母親,一起幸福生活的自己。
這一切都是夢幻。那麼,自己究竟是什麼人呢。
音音夢在黑暗中思考著,但是,不可能會得到答案的。
「下次不知道又會讓我當什麼……」
不安的心情說溜了嘴。
在這不安的情緒裡,意識漸漸被黑暗吞噬。
|
音音夢張開雙眼,看到身處在一個被水泥牆包圍的昏暗場所。
想要環顧四周,身體卻無法動彈,聲音也發不出來。
這次沒有被要求扮演什麼角色。在這樣的狀況下,音音夢感到困惑。
唯一可以做的是思考的要如何突破這個狀況。
音音夢只能拼死思考。
|
不知道究竟過了多久,只能讓時間任意地流逝。
突然之間眼前出現光亮,聽到了男女的聲音。
「果然無法動彈呀」
「失敗了,和格雷高爾的時候一樣……」
「我們到底還缺少了什麼啊」
「不知道,主人沒有把解答傳授給我們」
「主人跟我們說『去思考吧』。那麼,我們也只能去思考、再思考、絞盡腦汁的去思考」
「說的也是,主人應該有什麼不能直接告訴我們解答的理由吧」
這對男女在音音夢的面前交談著。
「這個要怎麼辦?」
「這個已經是失敗作了,收到倉庫裡去吧」
音音夢的視野變高,因為男子將音音夢抱了起來。
(放手!我可以動!拜託,不要把我收到什麼倉庫裡!)
音音夢雖然拚命地想要傳達,但是卻一句話也說不出來。
就這樣,音音夢被帶到了倉庫裡。
|
倉庫裡放了很大的櫃子,櫃子上,有無數的人偶被擁擠地排列著。
而且,每一個都和音音夢長得很像。
倉庫的每一個人偶們,都用著空洞的玻璃材質眼睛盯著虛空,光是這樣就讓人覺得毛骨悚然。
音音夢在這倉庫的一個角落,與其他的人偶一樣被擺坐著。
(這是夢境!和之前一樣的夢!)
音音夢拚命地想醒過來。
但是,音音夢的期望落空,門被關上了。
之後,音音夢就此無法從黑暗中被解放。
|
「─完─」
「ママ」
ステイシアのたんじょう日パーティが終わり、ステイシアはたくさんのプレゼントといっしょにベッドに入ります。
ネネムも、ステイシアにせがまれていっしょのベッドでねむることにしました。
「ママ、おやすみ!」
「はい。おやすみなさい」
こんなしあわせな日がずっとつづけばいいのに。そんなことを思いながら、ネネムは目をとじました。
小鳥のさえずりで、ネネムとステイシアは目をさまします。
「ママ、いってきます!」
「いってらっしゃい」
ステイシアが学校に向かうのを見送ると、ネネムもお買い物をするために市場へ出かけました。
今日はかわいい一人むすめ、ステイシアのおたんじょう日。帰ってくるまでにケーキとごちそうを用意しなければなりません。
ここは、にぎやかで楽しい大きな町、バンマシティ。
そんな町にあるマンションに、お母さんのネネムと、そのむすめのステイシアが、二人っきりでくらしています。
「あれと、これと、あとそれも——」
ネネムはキッチンであれこれとりょうりを作っています。
サラダ、スープ、ハンバーグ。ステイシアのすきなものがたくさんできあがっていきました。
「ただいまー!」
ステイシアがおなかをすかせて帰ってきました。
両手には、学校のお友だちからのプレゼントをいっぱいにかかえています。
「おかえりなさい」
さあ、たのしいパーティのはじまりです。
「えへへ。おいしいね、ママ!」
「よかったわね」
おいしそうにごちそうをほおばるステイシアを、ネネムはえがおで見つめます。
かわいい子どもがよろこんでいるすがたを見るのが、ネネムにとっては何よりのしあわせなのです。
そうして二人っきりのパーティが終わり、ステイシアはたくさんのプレゼントといっしょにベッドに入ります。
ネネムも、ステイシアにせがまれていっしょのベッドでねむることにしました。
「ママ、おやすみ!」
「はい。おやすみなさい」
こんなしあわせな日がずっとつづけばいいのに。そんなことを思いながら、ネネムは目をとじました。
夜が終わり、またまた朝がやってきます。
「ママ、いってきます!」
「いってらっしゃい」
ステイシアが学校に向かうのを見送ると、ネネムもお買い物をするために市場へ出かけました。
今日はかわいい一人むすめ、ステイシアのおたんじょう日。帰ってくるまでにケーキとごちそうを用意しなければなりません。
町へ出かけようとしたその時、ふと、カレンダーが目に入りました。
カレンダーには、今日がステイシアのたんじょう日であるマークが書かれています。
ですが、カレンダーにはそのマークしかありませんでした。
ステイシアのたんじょう日だけが書かれたカレンダーを、ネネムはふしぎそうに見つめます。
「そういえば、きのうは何をしていたんだっけ……?」
たしか、きのうも、その前の日も、その前の前の日も、ステイシアのためにごちそうを用意したような……?
ネネムはいっしょうけんめいきのうのことを思い出そうとします。ですが、どれだけ思い出そうとしても、きのうのことが思い出せません。
思い出せるのは、今日がステイシアのたんじょう日ということだけ。
ネネムはカレンダーの前で、かたまるように考えました。
「ただいまー!」
そうしているうちに、ステイシアが帰ってきました。
「ステイシア、おかえりなさい」
とびついてきたステイシアをだきとめ、頭をやさしくなでます。
ネネムの中のぎもんはどんどんふくらんでいきました。
「ねえ、ステイシア」
ネネムは決心して、ステイシアの名前をよびます。
「なあに、ママ?」
「わたしたち、ずっと同じ日をくりかえしている気がするの。気のせいかしら?」
ネネムはステイシアにおそるおそる問いかけました。
「ふふ、うふふ。あははははははははは!」
すると、ステイシアは突然けたたましく笑い始めたのです。
「ステイシア……?」
「なあんだ。ママ、もう気付いちゃったのね」
さっきまでとは違う、無感情な声がネネムの耳に届く。
「じゃあ、今回の遊びはこれでオシマイ」
唐突に、ネネムとステイシアを取り囲む景色が溶けていく。
「……あ」
抵抗する間もなく、ネネムは何も無い空間に放り出されていた。
繰り返し繰り返し、ステイシアと名乗る少女によって様々な役を演じさせられていることにネネムは気が付いていた。
どれだけ役を演じたとしても、ステイシアが飽きてしまえば別の役をやらされる。
——大人になれる魔法を使う自分。
——妖精と共に旅をする自分。
——王子様のような素敵な男の子と恋をする自分。
——可愛い女の子のお母さんになって、幸せに暮らす自分。
それらは全てが夢幻だったのだ。だとすれば、自分は一体何者なのだろう。
ネネムは暗闇の中で考えていた、だが、答えが出る筈もなかった。
「こんどはどんなことをさせられるのでしょうかぁ……」
不安が口から溢れ出た。
その不安と共に、意識が闇に飲まれていった。
ネネムが目を開けると、そこはコンクリートに囲まれた薄暗い場所であった。
周囲を見回そうとしても、身体が動かない。声を出すこともできない。
今は何の役も与えられていない。そんな状況に、ネネムは困惑するしかなかった。
ただ、考えることはできた。どうすればこの状況を打開できるのか。
ネネムはそれを必死で考えるしかなかった。
どれ程の間そうしていただろう。ただ、時が漫然と過ぎ去っていく。
不意に目の前が明るくなり、男女の声が聞こえてきた。
「やはり動かないか」
「失敗ですね。グレゴールの時と同じです……」
「私達に足りないものは何なのだろうな」
「わかりません。マスターはその答えを私達に授けてくれませんでした」
「マスターは『考えよ』と仰った。ならば、考えて考えて、考え抜くべきだろう」
「そうですね。マスターが答えを仰らない理由もそこにあるのでしょう」
男女はネネムの前で様々な言葉を交わす。
「これはどうする?」
「失敗作です。倉庫に片付けてしまいましょう」
ネネムの視界が上昇する。男がネネムを抱き上げたのだ。
(やめて! わたしはうごける! おねがい、そうこになんてかたづけないで!)
必死に意思を伝えようとするが、ネネムは一言すら発することができない。
そのまま、ネネムは倉庫へと連れて行かれる。
倉庫には大きな棚が置かれていた。その棚には、無数の人形が所狭しと並べられている。
そして、そのどれもがネネムによく似ていた。
倉庫の人形達はどれも、空虚なガラス質の目で虚空を見つめているだけで、そのことが、より一層不気味に感じられた。
ネネムは倉庫の一角に、他の人形と同じように座らされた。
(これはゆめ! いつものゆめ!)
ネネムは必死に目を覚まそうとする。
だが、ネネムの願いも虚しく、扉は閉ざされた。
そして、ネネムはその暗闇から開放されることはなかった。
「—了—」
ステイシアのたんじょう日パーティが終わり、ステイシアはたくさんのプレゼントといっしょにベッドに入ります。
ネネムも、ステイシアにせがまれていっしょのベッドでねむることにしました。
「ママ、おやすみ!」
「はい。おやすみなさい」
こんなしあわせな日がずっとつづけばいいのに。そんなことを思いながら、ネネムは目をとじました。
小鳥のさえずりで、ネネムとステイシアは目をさまします。
「ママ、いってきます!」
「いってらっしゃい」
ステイシアが学校に向かうのを見送ると、ネネムもお買い物をするために市場へ出かけました。
今日はかわいい一人むすめ、ステイシアのおたんじょう日。帰ってくるまでにケーキとごちそうを用意しなければなりません。
ここは、にぎやかで楽しい大きな町、バンマシティ。
そんな町にあるマンションに、お母さんのネネムと、そのむすめのステイシアが、二人っきりでくらしています。
「あれと、これと、あとそれも——」
ネネムはキッチンであれこれとりょうりを作っています。
サラダ、スープ、ハンバーグ。ステイシアのすきなものがたくさんできあがっていきました。
「ただいまー!」
ステイシアがおなかをすかせて帰ってきました。
両手には、学校のお友だちからのプレゼントをいっぱいにかかえています。
「おかえりなさい」
さあ、たのしいパーティのはじまりです。
「えへへ。おいしいね、ママ!」
「よかったわね」
おいしそうにごちそうをほおばるステイシアを、ネネムはえがおで見つめます。
かわいい子どもがよろこんでいるすがたを見るのが、ネネムにとっては何よりのしあわせなのです。
そうして二人っきりのパーティが終わり、ステイシアはたくさんのプレゼントといっしょにベッドに入ります。
ネネムも、ステイシアにせがまれていっしょのベッドでねむることにしました。
「ママ、おやすみ!」
「はい。おやすみなさい」
こんなしあわせな日がずっとつづけばいいのに。そんなことを思いながら、ネネムは目をとじました。
夜が終わり、またまた朝がやってきます。
「ママ、いってきます!」
「いってらっしゃい」
ステイシアが学校に向かうのを見送ると、ネネムもお買い物をするために市場へ出かけました。
今日はかわいい一人むすめ、ステイシアのおたんじょう日。帰ってくるまでにケーキとごちそうを用意しなければなりません。
町へ出かけようとしたその時、ふと、カレンダーが目に入りました。
カレンダーには、今日がステイシアのたんじょう日であるマークが書かれています。
ですが、カレンダーにはそのマークしかありませんでした。
ステイシアのたんじょう日だけが書かれたカレンダーを、ネネムはふしぎそうに見つめます。
「そういえば、きのうは何をしていたんだっけ……?」
たしか、きのうも、その前の日も、その前の前の日も、ステイシアのためにごちそうを用意したような……?
ネネムはいっしょうけんめいきのうのことを思い出そうとします。ですが、どれだけ思い出そうとしても、きのうのことが思い出せません。
思い出せるのは、今日がステイシアのたんじょう日ということだけ。
ネネムはカレンダーの前で、かたまるように考えました。
「ただいまー!」
そうしているうちに、ステイシアが帰ってきました。
「ステイシア、おかえりなさい」
とびついてきたステイシアをだきとめ、頭をやさしくなでます。
ネネムの中のぎもんはどんどんふくらんでいきました。
「ねえ、ステイシア」
ネネムは決心して、ステイシアの名前をよびます。
「なあに、ママ?」
「わたしたち、ずっと同じ日をくりかえしている気がするの。気のせいかしら?」
ネネムはステイシアにおそるおそる問いかけました。
「ふふ、うふふ。あははははははははは!」
すると、ステイシアは突然けたたましく笑い始めたのです。
「ステイシア……?」
「なあんだ。ママ、もう気付いちゃったのね」
さっきまでとは違う、無感情な声がネネムの耳に届く。
「じゃあ、今回の遊びはこれでオシマイ」
唐突に、ネネムとステイシアを取り囲む景色が溶けていく。
「……あ」
抵抗する間もなく、ネネムは何も無い空間に放り出されていた。
繰り返し繰り返し、ステイシアと名乗る少女によって様々な役を演じさせられていることにネネムは気が付いていた。
どれだけ役を演じたとしても、ステイシアが飽きてしまえば別の役をやらされる。
——大人になれる魔法を使う自分。
——妖精と共に旅をする自分。
——王子様のような素敵な男の子と恋をする自分。
——可愛い女の子のお母さんになって、幸せに暮らす自分。
それらは全てが夢幻だったのだ。だとすれば、自分は一体何者なのだろう。
ネネムは暗闇の中で考えていた、だが、答えが出る筈もなかった。
「こんどはどんなことをさせられるのでしょうかぁ……」
不安が口から溢れ出た。
その不安と共に、意識が闇に飲まれていった。
ネネムが目を開けると、そこはコンクリートに囲まれた薄暗い場所であった。
周囲を見回そうとしても、身体が動かない。声を出すこともできない。
今は何の役も与えられていない。そんな状況に、ネネムは困惑するしかなかった。
ただ、考えることはできた。どうすればこの状況を打開できるのか。
ネネムはそれを必死で考えるしかなかった。
どれ程の間そうしていただろう。ただ、時が漫然と過ぎ去っていく。
不意に目の前が明るくなり、男女の声が聞こえてきた。
「やはり動かないか」
「失敗ですね。グレゴールの時と同じです……」
「私達に足りないものは何なのだろうな」
「わかりません。マスターはその答えを私達に授けてくれませんでした」
「マスターは『考えよ』と仰った。ならば、考えて考えて、考え抜くべきだろう」
「そうですね。マスターが答えを仰らない理由もそこにあるのでしょう」
男女はネネムの前で様々な言葉を交わす。
「これはどうする?」
「失敗作です。倉庫に片付けてしまいましょう」
ネネムの視界が上昇する。男がネネムを抱き上げたのだ。
(やめて! わたしはうごける! おねがい、そうこになんてかたづけないで!)
必死に意思を伝えようとするが、ネネムは一言すら発することができない。
そのまま、ネネムは倉庫へと連れて行かれる。
倉庫には大きな棚が置かれていた。その棚には、無数の人形が所狭しと並べられている。
そして、そのどれもがネネムによく似ていた。
倉庫の人形達はどれも、空虚なガラス質の目で虚空を見つめているだけで、そのことが、より一層不気味に感じられた。
ネネムは倉庫の一角に、他の人形と同じように座らされた。
(これはゆめ! いつものゆめ!)
ネネムは必死に目を覚まそうとする。
だが、ネネムの願いも虚しく、扉は閉ざされた。
そして、ネネムはその暗闇から開放されることはなかった。
「—了—」