R1 瑟法斯(含日版)

3385年 「歴史」

首都雷文茲帝爾

過去在這個國家還是王國的時候,這個城鎮作為王都、作為象徵王族及貴族們的腐敗墮落而臭名遠播。

但是,由護國卿帕蘭達因所率領的反叛軍革命成功了。

從革命之後約過了兩年,尹貝羅達展開了新的歷史。



在雷文茲帝爾的一間大圖書館中的一個房間內,瑟法斯與助手皮姆一同收集著王國時代的歷史資料。

「老師,資料整理好了」

「謝謝,那麼,請幫我放進黑色的包包裡」

現在的瑟法斯作為歷史編撰家,要將從革命爆發至結束為止的歷史留傳給後世。



暫時結束資料收集的二人走出了圖書館。

不經意地看了看四周,雖然是在遠處,但可以清楚地看見王宮。

「王宮也變了不少呢」

皮姆望著王宮的方向嘆了一口氣。

王宮在王權尚未崩壞之前,處處有著過度奢華的裝飾。然而現在,就只是一棟單純的建築物留在那裡而已。

「嗯,的確。但是,還是比被完全拆除來得好不是嗎?」

「說的也是,在自己出生前老早就已存在的王宮可以被保留下來,老實說,還真是讓人鬆了一口氣」

「這麼說來,皮姆你是首都出生的對吧。聽說這裡的居民們,在革命之後就很辛苦」

「是的,除了戰鬥時被破壞的東西之外,還有很多從以前就存在的事物漸漸消失……」

皮姆抬頭落寞地看著王宮。不止是王宮,之前很多舊有的建築物、制度等各種事物,在革命之後的這二年好像都變了。

會說好像,是因為革命成功之後到參與這個編撰工作前為止,瑟法斯回故鄉去了,所以沒有看到變遷的經過。

所以,對於皮姆所感覺到的失落感,瑟法斯雖然理解但卻無法產生共鳴。

「聽說因為復興而失去的事物也不少」

「無論怎麼樣的方式都行,能不能把以前王都的樣子保留下來呢?」

「那應該需要把風景照片或是繪畫保護起來才對,我跟政府談談看」

「有機會可以保護下來嗎?」

皮姆的聲音裡帶了點喜悅,即使是在王政下生活困苦的人民,還是會有熟悉的事物逐漸被奪走的恐懼感。

但是,這應該也是『國家變了』的結果吧。能得到多數人的理解並舉手贊成的革命並不存在,瑟法斯開始有了這樣的想法。

「說起來,老師您為什麼想要編撰革命的歷史呢?」

在返回編撰室的途中,皮姆問道。

「你想知道?」

「是的,這個國家的革命才剛結束,還不曉得還會不會有什麼變動不是嗎。但是您卻在這時要整理,我覺得很奇怪」

皮姆的眼中露出些許不安。的確剛結束革命的國家還尚未安定下來。

雖然護國卿帕蘭達因的才能優秀得沒話說,但是放不下王權的人也不少。也不能確定王國派不會再引發叛亂。

「沒錯。但是,我擔心的是,要是之後發生了什麼事,使得這段革命過程被當作從沒發生過的事」

「所以,要趁早留下革命的歷史?」

「嗯,沒錯。還有,我想要盡可能正確地編撰」

「是為了想要証明革命是正確的嗎?」

「不是。歷史沒有正邪,只是一件『發生了革命,然後成功了』的事實而已」

「那麼為何?」

「我個人的話,『曾經有一群勇敢的人們,為了建造一個為國民著想的國家而戰』,我不希望大家忘記這個事實」

「不希望大家忘記,嗎……」

含糊回答著的皮姆表情看不清是什麼情緒。但是,瑟法斯覺得那說話的聲音裡帶著一點點的猶豫不決,似乎還有著其他的情緒。



返回編撰室的瑟法斯他們,快速地把資料照著時序整理,將必需寫入書中的事象匯整。

在這過程中,太陽早已下山。

瑟法斯在皮姆回家後,獨自一人時,一邊看著王國軍成立的資料,一邊想起革命成功前夕的事。



革命軍與王國軍的戰爭,即將要決一勝負的時候。

由於指導者帕蘭達因的歸隊,革命軍開始在成功的道路上邁進。

帕蘭達因的指揮比以前更加出色,由他直接指揮的部隊不只沒有損傷,還接連大勝。

就連士氣低迷、疲勞、即將瓦解的首都攻略部隊,也因為帕蘭達因的歸隊而重獲士氣,終於成功突破膠著狀態。

雖然歸隊的帕蘭達因身上圍繞著不可思議的傳言,但對接連獲勝的革命軍來說,這不是什麼大問題。

然後,終於打通了往首都的道路。

頑強的王國軍,也由於瑟法斯帶領複數的部隊叛變加入革命軍而漸漸瓦解。



「接下來這場應該就是最後一戰,至今為止,大家都辛苦了」

靠近首都的野營地裡,帕蘭達因為了提高士氣而進行了演說。

攻陷王宮的準備已經完成。決戰就在明天早上,天一亮,全軍將同時衝進首都。



瑟法斯做完各部隊任務的最終確認後,一個人陷入了沉思。

原本,瑟法斯隸屬於王國軍。

當初是抱持著為了國家國民而戰的志向,才加入軍隊的,但是那個軍隊實際上,卻只是為了欺壓反抗王族的國民而存在的。

瑟法斯對於要將槍口指向,因沉重稅賦與強權政治感到痛苦而反抗的國民這件事,一直抱有疑問,於是與有相同想法的軍人一起投靠了革命軍。

「看你一臉愁眉苦臉的樣子,是因為要攻打以前的職場而感到不安嗎?」

從革命軍初期就參加的勞爾來到瑟法斯身邊。

瑟法斯與勞爾是同鄉,年幼時可說是幾乎每一天都玩在一起的好朋友。

雖然兩人曾經是革命軍與王國軍對立的立場,但現在是志同道合的同志。

「啊,不……說的也是。說真的,現在見到至今仍然相信王宮政權的朋友,不免會感到難過」

「這樣啊。但是,我們必須得打倒他們」

勞爾用堅定的眼神說道。因為有著明確的目標,話語中充滿著力量。

勞爾也曾經是被強權壓迫的民眾之一。所以,也更加渴望革命終點的光明未來。建造一個不受政治帶來的恐懼與不安所威脅的國家。這將由這場革命來達成。

瑟法斯就是因為贊同這個想法,才加入革命軍的。現在不是考慮過去的同事與長官的時候了。

「抱歉,說了喪氣話」

「就像帕蘭達因說的,這應該是最後一場戰役了吧,我明白你不安與期待交錯的心情」

「就算感到不安,盡全力去達成目標是我們的任務。現在不該在這裡感到不安才對」

為了要掩飾精神力太弱的自己,瑟法斯苦笑著。

「沒錯,就算在這場戰役中死去,我們也得讓革命成功才行」

「你在說什麼啊,我可不准你去死」

瑟法斯因勞爾說到死亡一事而嚇到,不自覺地提高聲量想要壓過勞爾說的話。

「咦,啊……說,的也是。這樣好像我準備去死一樣,抱歉」

勞爾這才發現,自己輕視了自己的性命。

瑟法斯聽到勞爾道歉後才放下心。比誰都還希望解放民眾的人,怎麼可以不看到最後呢。

「不要嚇我好不好,我們可是有守護這個國家直到安定為止的義務」

「說的也是,完成國家的改革後,下一步就是要負責安定國家才對」

「就算革命結束,要做的事也還很多呢」

革命成功之後,並不代表結束。還會有很多必須要做的事接連而來。

那同時,也是維繫自己生活的事物。

「暫時還需要奮鬥,我們互相在可盡力的範圍內加油吧」

「嗯,也為了要讓蕾緹看看安定的國家」

自然地講出兩人另一位兒時玩伴,對他們兩人來說,她的存在也十分重要。



瑟法斯和勞爾互相看著對方,點點頭。

這就是,以改變國家為志向的兩位兒時玩伴,在決戰前一夜所做的約定。



「─完─」

日文版
3385年 「歴史」

首都レイヴンズデール。

かつてこの国が王国であった頃、この街は王都として、そして王族や貴族達の腐敗と堕落の象徴として悪名を轟かせていた。

だが、護国卿パランタインに率いられた反乱軍により、革命は成就した。

革命が起きてから約二年、インペローダは新たな歴史を紡ぎ始めていた。

 

レイヴンズデールにある大きな図書館の一室で、セルファースは助手のピムと共に王国時代の歴史資料を集めていた。

「先生、資料がまとまりました」

「ありがとうございます、では、それは黒い方の鞄に入れておいてください」

現在のセルファースは歴史編纂家として、革命の勃発から終結までの歴史を後世に残すべく活動していた。

 

ひとまずの資料集めが終わった二人は図書館を出る。

何気なしに辺りを見やると、遠目ではあるが、はっきりと王宮の姿が見えた。

「王宮もすっかり様変わりしちゃいましたね」

ピムは王宮の方を見ながら溜息を吐いた。

王権が崩壊する前の王宮は、過剰なまでに華美な装飾がそこかしこに施されていた。それが今では、単なる建造物としての佇まいを残すだけである。

「ええ、そうですね。ですが、解体されてしまうよりはよかったのではないでしょうか」

「ですねえ。自分が生まれるずっと前からある王宮ですし、残ったことに対しては、正直ほっとしてるんです」

「ピムさんは首都の生まれでしたね。ここの住民の方々は革命後かなり大変だったと聞いていますが」

「はい。戦闘で破壊されたものもありますけど、それ以外にも、昔からあるものがどんどん無くなっちゃって……」

ピムは王宮を寂しそうな目で見上げる。王宮に限らず、以前からあった建造物も制度も何もかもが、革命後のこの二年で一変したらしい。

らしい、というのも、革命が成功してからこの編纂業務に携わるまでの間、セルファースは故郷へ戻っていたため、その変遷の風景を見ていないのだ。

そのことがあり、ピムが感じる喪失感に対して、理解はすれども共感まではできなかった。

「復興によって失われたものも、少なくないと聞いています」

「どんな形でもいいんですが、かつての王都の姿を残せないもんですかね?」

「風景写真や絵画の保護が必要になりそうですね。政府に掛け合ってみましょう」

「そんなことができるんですか?」

ピムの声に嬉しそうな声色が混じった。王政に苦しんでいた民ではあっても、慣れ親しんだものが奪われていくという恐怖感は確かに存在する。

だが、こういったことも『国が変わった』ということの結果であろう。万人が納得し、諸手を挙げて賛同できるような革命など存在しない。セルファースはそう思うことにしていた。

「そういえば、先生はどうして革命の歴史を纏めようと思ったんですか?」

編纂室への帰路の途中、ピムが尋ねてきた。

「知りたいですか?」

「はい。この国はまだ革命が終わったばかりですし、まだまだ何が起きるかわからないじゃないですか。なのにどうしてなのかなと」

ピムの目が不安そうに泳いだ。確かに革命が終わったばかりの国は不安定だ。

護国卿パランタインの手腕は見事の一言に尽きるものの、王権に縋っていた人間も少なくない。王国派が反旗を翻して反乱を起こす可能性も否定できない。

「そうですね。ですが、もし何かが起きて革命そのものが無かったことにされてしまったら。私はそれを恐れています」

「だから、早めのうちに革命の歴史を残そうと?」

「ええ、その通りです。それと、できるだけ正確に編纂するつもりでもいます」

「革命が正しかったと証明するために、ですか?」

「それは違います。残る歴史に正義も悪もありません。ただ『革命が起き、成功した』という事実だけが残るのです」

「では何故?」

「私はですね、『国民のための国を造るために戦った、勇敢な者達がいた』という事実を人々に忘れて欲しくないのです」

「忘れて欲しくない、ですか……」

そう言葉を濁すピムの表情はよくわからない。しかし、その声色には少しだけ煮え切らない何かが含まれているように、セルファースには聞こえた。

 

編纂室に戻ったセルファース達は、早速に資料を時系列順に整理し、本に書くべき事象を纏めていった。

そうする内に、すっかり陽が落ちていた。

ピムも帰宅して一人きりになったセルファースは、王国軍の成り立ちの資料を眺めながら、革命成功前夜のことを思い出していた。

 

革命軍と王国軍の戦いは、遂に決着を迎えようとしていた。

指導者パランタインの帰還によって、革命軍は革命成功への道を再び邁進し始めた。

パランタインの指導力は以前にも増して磨きが掛かっており、彼が直接指揮を執る部隊はこれといった損害を被ることもなく、大勝に大勝を重ねた。

士気の低下と疲労により崩壊寸前にあった首都攻略の部隊も、パランタインの帰還に士気を取り戻し、ついには膠着状態を脱することに成功した。

帰還したパランタインには不可思議な噂が取り巻いていたものの、それは連勝を重ねる革命軍とって大きな問題ではなかった。

そして、ついに首都への道が切り開かれた。

頑強だった王国軍も、セルファースを初めとする複数の部隊が革命軍に寝返ったことにより、崩壊しつつあった。

 

「おそらくこれが最後の戦いになる。今までよく頑張ってくれた」

首都を目前に控えた野営地では、パランタインが士気高揚のための演説を行っていた。

王宮を陥落させる準備が整ったのだ。決戦は明朝。夜明けと同時に全軍をもって首都へとなだれ込む。

 

セルファースは各部隊が担う役割の最終確認を終え、一人物思いに耽っていた。

元々、セルファースは王国軍に所属していた。

国家国民のために戦うという志を持って軍に入ったものの、その軍の正体は、王族に反発する国民を虐げるだけの存在であった。

重税や圧政に苦しみ、反発する国民に対して銃口を向けることに疑問を抱いたセルファースは、同じ思いを持つ軍人と共に革命軍へと下ったのだった。

「浮かない顔をしているな。昔の仕事場に侵攻するのは不安か?」

革命軍に初期から参加しているラウルがやって来た。

セルファースとラウルは同郷であり、幼い頃は毎日のように遊んだ仲であった。

以前は革命軍と王国軍として対峙したこともあったが、今では志を同じくする同志である。

「あぁ、いや……そうですね。今なお王政を信じる前の仲間を見るのは、正直つらいものがあります」

「そうか。だが、俺達はやらなければならん」

ラウルは決意に満ちた瞳で言い切った。確固たる目標を持つが故の、強い言葉であった。

彼は重圧に苦しんだ民衆の一人だ。だからこそ、革命の先に待つ明るい未来を渇望している。民衆が政治による恐怖や不安に脅かされない国を造る。それをこの革命で成し得ようとしている。

セルファースはその考えに賛同したからこそ、革命軍に下ったのだ。かつての同僚や上官のことを考えて不安になっているような場合ではなかった。

「すみません、弱音なんか吐いてしまって」

「パランタインが言うように、これが最後の戦いになるだろう。不安も期待も混和してしまうのはわかる」

「それでも目標に向かって尽力するのが私達の役目です。不安がっている場合じゃありませんでしたね」

己の精神の弱さを誤魔化すように、セルファースは苦笑した。

「そういうことだ。例えこの戦いで死ぬようなことがあったとしても、それでも俺達は革命を成功させなきゃならん」

「何を言っているんですか。死ぬことは許されないでしょう?」

ラウルから死への言葉が出てきたことに驚いて、思わずラウルの言葉に被せるように声を上げてしまった。

「え、あ……そう、だな。これじゃまるで死にに行くようだ。すまん」

自身の命を軽く扱ったことに、ラウルも気付いたようだった。

その言葉にセルファースは胸を撫で下ろした。民衆の解放を誰よりも望んだ人物がそれを見届けられないなど、断じてあってはならないのだ。

「驚かせないでください。私達にはこの国が安定するまでを見届ける義務があるのですから」

「そうだな。国の変革を成し遂げたならば、次は責任を持って安定させなきゃならん」

「革命が終わっても、お役目には事欠かなさそうですよ」

革命が成功したらそれで終了ではないのだ。次から次へとやるべきことが出てくる。

同時にそれは、自分達の生を繋ぐものともなる。

「しばらくは踏ん張らんとならんだろうが、お互い無理のない範囲で頑張ろう」

「ええ。レティにも安定した国の姿を見せなければなりませんし」

もう一人の幼馴染の名前が自然と出てきた。二人にとって、彼女の存在もまた大事なものなのだ。

 

セルファースとラウルは、お互いの目を見て頷き合う。

それが、国を変えるという志を同じくした幼馴染との、決戦前夜に交わした約束だった。

「—了—」