嘰,嘰,嘰……
規律的聲音持續迴響在多妮妲的腦中。
視野中甚麼東西都沒有。在一片黑暗當中只有單調的聲音迴響著而已。
就那樣不知道自己的名字,在什麼都沒有的空間中一直等待著不知道什麼東西,也不知道什麼時候會來的事物。
過了一陣子後有許多各式各樣的「知識」流入腦內,但是沒有身體可以動的她沒有看過,也沒有辦法觸摸。
就算「知識」增加了,自己也沒有辦法離開這個什麼都沒有的空間。
在黑暗中重複響著的聲音,世界在旋轉的感覺持續著。
嘰,嘰,嘰,嘰……
|
突然間世界打開了。
「早安」
多妮妲直覺理解到眼前的人是把自己從那個空間救出來的人。
和言語同時進入多妮妲視野中除了這位身穿白衣的人類,還有在牆邊的玻璃櫃裡垂掛著許多看似人偶的東西,在這個不是很大的房間裡,已經給了多妮妲與那個空間無法比較的刺激感。
「您…早…啊」
雖然不算很流暢但姑且順利地發出了聲音,看到她的樣子白衣男子一臉滿足地繼續說了。
「多妮妲。這是妳的名字,在妳的身體全部完成之前還需要一些時間,在那之前雖然不太方便,但也就多忍耐一下吧」
雖然還沒有能自由行動的身軀,不過光是能夠從那個黑暗空間脫離出來多妮妲就已經很高興了。
「喔!我忘了自我介紹,我叫沃肯博士,是妳的製造者」
「請……多多……指教」
這次比較順利的將聲音發出來了。
「不錯的招呼聲哦,怎麼樣?感覺如何?」
「我聽見,聲音。一直,持續著」
「什麼樣的聲音?」
「嘰,嘰,嘰。從這個房間的某處所聽到的」
試著將腦中迴響著的聲音以笨拙的語言給表達出來。
「晤嗯,選擇性的程式設定錯誤嗎,還是單純的聽覺不良呢…」
「了解了,再睡一下吧,抱歉喔」
一想到又要回到那個黑暗中,多妮妲便產生了憂鬱的感覺,但她的心情在傳達到她的表情之前回路的信號就被切斷了。
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在那之後多妮妲的世界中就只有那個房間與博士而已。
自己的身體漸漸完成的過程不管怎麼看都看不膩,過程中博士也會跟多妮妲講講話,介紹他至今為止所做的各種作品以及一些失敗的心得,對多妮妲來說不管哪個都是新鮮又有趣的事。
博士也會讀一些有自動人偶登場的童話書給她聽。就算只是虛構的故事,聽到有跟自己一樣的自動人偶在活躍的故事還是讓她的心感到雀躍。
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自從有雙手可以運用之後,就能夠自己讀書了,不分晝夜地一直讀著博士從書房拿來給她的書。
博士好幾次叮嚀多妮妲要她晚上一定要睡覺。
「為什麼我不是人類還得要睡覺呢?」
「因為你是製造得像人類的特別型號,妳高性能的腦子需要在每天獲得龐大的資料後再進行構成,所以每隔一段時間都得休息一下,就跟人類的腦子一樣」
「好無聊哦,不能想想辦法嗎?」
「目前沒有其他的辦法,不睡的話妳是不會像人類一樣死去沒錯,但是應該會阻礙人工腦的成長吧」
「我討厭睡覺,討厭夜晚,我想要一直唸書!」
「真是任性呀,不過這是沒有辦法的事,不好好睡的話我會從我這邊把妳的回路切掉哦」
「那個我更討厭……我會睡的」
「OK,乖孩子」
「博士,這個房間的電燈可以一直點著吧?」
「嗯,那沒問題,不過電燈的光對妳來說根本……」
多妮妲的知覺能力在黑暗中根本不會像人類一樣受到影響,而且一旦進入睡眠模式的話有沒有開著燈根本沒有差別。
「總之我就是討厭」
多妮妲在博士說完話之前就先表明自己的堅持了。
「好啦我知道了,晚安多妮妲」
「晚安博士」
多妮妲在作業台上點了微弱燈光後慢慢地閉上了眼睛,為了不要再聽到那個黑暗中的聲音而將自己切換到睡眠模式。
|
有一天,多妮妲第一次見到了博士以外的人類,是一位淺黑色皮膚戴著眼鏡的男子。
「這位是索克先生,多妮妲來打聲招呼」
「初次見面你好,索克先生」
多妮妲就像普通的少女邊微笑著邊打了招呼。
男子看著放在作業台上的多妮妲之後,立刻轉回向博士說道。
「真是太棒了,竟然能夠解讀那古書到這種程度」
「因為花了不少時間在上面呀,等完成的時候再給你們家理事會那些成員們也看看吧」
「那還真是令人期待呀」
博士與那個被稱為索克的男子在房間的一角坐下,開始隔著桌子面對面談起了別的話題。
「然後,之前跟你提過的交易那件事,有重新考慮過了嗎?」
「探索那件事嘛,老實說我很猶豫。那對現在的我來說真的有利益嗎?」
「一定有的,我們這邊就算再差也是潘德莫尼,這裡沒有的資源和資料要多少都能夠收集的到」
「那可以自由閱覽理事會管理的所有資料嗎?」
「這點就由我來說服他們答應吧」
男子的焦急就連在角落偷聽的多妮妲都能夠感覺的到。
「我們需要您的技術,而您也應該需要組織的後援才是」
索克確切地重新說道。
「我知道了,但是我要所有理事會所管理的資料閱覽權」
博士放棄考慮直接回答。
看到被稱為索克的男子露出好笑的表情表示安心的樣子,多妮妲覺得有點怪怪的。
|
「走吧」
多妮妲向另一個自動人偶說著,但是沒有反應,因為不是和她一樣被做成能夠有著反應的人偶。
長相粗糙又不能好好說話,多妮妲鄙視這個自動人偶,並且厭惡。
這樣的存在竟然跟自己一樣是自動人偶這件事實讓多妮妲難以忍受。
多妮妲帶著無法自由說話的自動人偶從研究所出發了。
外面正好是日出的時刻。
雖然是第一次到外面的世界,但是完全不感到害怕,只有興奮的心情充滿著多妮妲。
|
「─完─」
3377年 「灯り」
チッ、チッ、チッ、チッ……。
継続的に同じ間隔で刻まれる音だけが、ドニタの脳内にこだましていた。
視界には何も映っていない。暗闇に音だけが響いていた。
自身の名前も知らず、何も無い空間の中でひたすらに待ち続けていた。何が、いつ来るのかもわからないままに。
しばらくすると様々な『知識』が流れ込んできた。だが、動かせる体の無い彼女は、それらを見る事も、そして触れる事もできなかった。
『知識』は増えても、自身はこの何も無い空間から動く事ができなかった。
暗闇の中、繰り返し響く音。ぐるぐると世界が回り続けるような感覚が続く。
チッ、チッ、チッ、チッ……。
唐突に世界が開けた。
「おはよう」
目の前にいる人間が自分をあの空間から救い出してくれた事を、ドニタは直感的に理解した。
言葉と共に視界に入ったものは白衣の人間、そして壁際のガラスケースに立て掛けられた多くの人形らしきものの姿だった。決して広くはないその部屋は、これまでいた空間とは比べ物にならないほど刺激に満ちたものだった。
「お…はよう…ござ…います」
たどたどしいながらも声を出す事ができた。その様子を見て満足気に頷いた白衣の男が言葉を続ける。
「ドニタ。これが君の名前だ。ボディが全て出来上がるまで、まだ時間が掛かる。それまでは不便をかける事になるが、我慢しておくれよ」
確かに身体は出来ておらず、動く事はできなかった。しかし暗闇から抜け出せたことは、ドニタにとって純粋に喜びだった。
「自己紹介を忘れていたね。私はドクター・ウォーケン、君を創り出した者だ」
「よろしく……おねがいします」
今度は比較的上手く発声を行えた。
「すばらしい挨拶だ。 どうだい、何か気になるところはないかい?」
「音が、聞こえる。 繰り返し。 ずっと」
「どんな音だい」
「チッ、チッ、チッって。 この部屋のどこかから聞こえてくる」
脳に響く音を拙い声で真似してみる。
「ふうむ、選択的注意モジュールの設定ミスかな、または聴覚素子の不良か」
「わかった。 もう一度眠ってもらう。 すまないね」
また暗闇に戻るのかと思うと憂鬱な気分が生じたが、その気分が表情へ伝わる前に、ドニタの回路から電気信号が途絶えた。
それからは部屋とドクターだけが、ドニタにとって世界の全てになった。
徐々に自身の体が出来上がっていく過程は、どれだけ見ても飽きなかった。作業の合間にはドクターが話をしてくれる事もあった。今までに作った作品の紹介やそれについての失敗談、いずれもドニタには新鮮で楽しい事ばかりだった。自動人形の登場する童話を読み聞かされた事もあった。つくり話とはいえ、自身と同じ自動人形が活躍する様には心が踊った。
手が使えるようになってからは、自ら本を読むようになった。ドクターが書庫から持ってきてくれた本を昼夜違わず読み耽っていた。
ドクターからは、夜は何度も休まなければいけない、と注意を受けていた。
「どうして、ワタシは人間じゃないのに眠らないといけないの?」
「君は人に似せてつくった特別なモデルだからね。 君の高性能な脳は日々得た膨大な情報を再構成するために、一定期間休ませなければならないんだ。人の脳と同じように」
「ふうん。つまんない。どうにかならないの?」
「いまのところならないね。寝なくても、そりゃあ人間のように死んだりはしないけど、君の人工脳の成長が著しく阻害されてしまう」
「ワタシ、寝るの大嫌い。夜も大嫌い。ずっと本を読んでいたい」
「わがままだね。でも仕方ないことなんだよ。寝ないなら強制的にこちらで切るよ」
「それは絶対嫌。……寝るわ」
「オーケー。良い子だ」
「ねえ、ドクター。ここの部屋の電気だけは点けたままでもいいでしょう?」
「ああ、かまわないよ。でも、電灯の光なんか君には……」
ドニタの知覚力ならば、人にとっては暗闇でも全く影響など無かった。それに睡眠モードに入れば外界の光など関係ない。
「とにかく嫌なの」
ドクターのわかりきった説明を遮り、ドニタは言い切った。
「わかったよ。おやすみ、ドニタ」
「おやすみ、ドクター」
ドニタは薄明かりの付いた作業用ベッドの上でゆっくりと目を閉じた。そしてあの暗闇の音が聞こえないように、すぐに自身を睡眠モードに切り換えた。
ある日、ドクター以外の人間を初めて見た。肌の浅黒い、メガネを掛けた男性だった。
「こちらはソングさんだ。ドニタ、挨拶をしなさい」
「はじめまして。ソングさん」
ドニタは普通の少女のように微笑みを浮かべながら、挨拶をこなした。
男がデッキの上に置かれたドニタを眺めて、ドクターに視線を戻す。
「すばらしいな。 ここまであのコデックスを解読するとは」
「時間は掛かりましたがね。 完成の暁には、お宅のカウンシルのメンバーにもお見せしましょう」
「それは楽しみだ」
ドクターとソングと呼ばれた男は部屋の隅にあった椅子に座り、テーブル越しに向きあうと話題を変えた。
「で、取引の件、考えていただけましたか?」
「探索の件ですね。 正直迷っています。 今の私にとって利益があるのかと」
「必ずありますよ。 こちらは腐ってもパンデモニウムです。 ここに無い資材、資料はいくらでも揃えられる」
「カウンシルが管理しているもの全てにアクセスできますか?」
「私が説得しましょう」
男の焦りは、端で聞いているドニタにも伝わってきた。
「私達には貴方の技術が必要だし、貴方には組織のバックアップが必要だ」
改めてソングは断言した。
「わかりました。ただし、カウンシルの管理資料へのアクセス権は必ずいただきます」
ドクターは考える素振りをやめ、そう答えた。
ソングと呼ばれた男が滑稽なほど安堵の表情を浮かべたのを見て、少しドニタは可笑しくなった。
「行くわよ」
ドニタはもう一体の自動人形に声を掛けた。しかし反応は無い。そう作られていないからだ。この自動人形をドニタは見下し、嫌悪していた。この無骨な格好で喋る事すらできない存在と同じ自動人形であるという事が、ドニタには耐え難かった。
物言わぬ自動人形を従え、ドニタは研究所を出発した。
世界は朝焼けの中だった。
外に出るのは初めてだったが、全く恐れはなかった。ただ高揚感だけがドニタを包んでいた。
「—了—」
チッ、チッ、チッ、チッ……。
継続的に同じ間隔で刻まれる音だけが、ドニタの脳内にこだましていた。
視界には何も映っていない。暗闇に音だけが響いていた。
自身の名前も知らず、何も無い空間の中でひたすらに待ち続けていた。何が、いつ来るのかもわからないままに。
しばらくすると様々な『知識』が流れ込んできた。だが、動かせる体の無い彼女は、それらを見る事も、そして触れる事もできなかった。
『知識』は増えても、自身はこの何も無い空間から動く事ができなかった。
暗闇の中、繰り返し響く音。ぐるぐると世界が回り続けるような感覚が続く。
チッ、チッ、チッ、チッ……。
唐突に世界が開けた。
「おはよう」
目の前にいる人間が自分をあの空間から救い出してくれた事を、ドニタは直感的に理解した。
言葉と共に視界に入ったものは白衣の人間、そして壁際のガラスケースに立て掛けられた多くの人形らしきものの姿だった。決して広くはないその部屋は、これまでいた空間とは比べ物にならないほど刺激に満ちたものだった。
「お…はよう…ござ…います」
たどたどしいながらも声を出す事ができた。その様子を見て満足気に頷いた白衣の男が言葉を続ける。
「ドニタ。これが君の名前だ。ボディが全て出来上がるまで、まだ時間が掛かる。それまでは不便をかける事になるが、我慢しておくれよ」
確かに身体は出来ておらず、動く事はできなかった。しかし暗闇から抜け出せたことは、ドニタにとって純粋に喜びだった。
「自己紹介を忘れていたね。私はドクター・ウォーケン、君を創り出した者だ」
「よろしく……おねがいします」
今度は比較的上手く発声を行えた。
「すばらしい挨拶だ。 どうだい、何か気になるところはないかい?」
「音が、聞こえる。 繰り返し。 ずっと」
「どんな音だい」
「チッ、チッ、チッって。 この部屋のどこかから聞こえてくる」
脳に響く音を拙い声で真似してみる。
「ふうむ、選択的注意モジュールの設定ミスかな、または聴覚素子の不良か」
「わかった。 もう一度眠ってもらう。 すまないね」
また暗闇に戻るのかと思うと憂鬱な気分が生じたが、その気分が表情へ伝わる前に、ドニタの回路から電気信号が途絶えた。
それからは部屋とドクターだけが、ドニタにとって世界の全てになった。
徐々に自身の体が出来上がっていく過程は、どれだけ見ても飽きなかった。作業の合間にはドクターが話をしてくれる事もあった。今までに作った作品の紹介やそれについての失敗談、いずれもドニタには新鮮で楽しい事ばかりだった。自動人形の登場する童話を読み聞かされた事もあった。つくり話とはいえ、自身と同じ自動人形が活躍する様には心が踊った。
手が使えるようになってからは、自ら本を読むようになった。ドクターが書庫から持ってきてくれた本を昼夜違わず読み耽っていた。
ドクターからは、夜は何度も休まなければいけない、と注意を受けていた。
「どうして、ワタシは人間じゃないのに眠らないといけないの?」
「君は人に似せてつくった特別なモデルだからね。 君の高性能な脳は日々得た膨大な情報を再構成するために、一定期間休ませなければならないんだ。人の脳と同じように」
「ふうん。つまんない。どうにかならないの?」
「いまのところならないね。寝なくても、そりゃあ人間のように死んだりはしないけど、君の人工脳の成長が著しく阻害されてしまう」
「ワタシ、寝るの大嫌い。夜も大嫌い。ずっと本を読んでいたい」
「わがままだね。でも仕方ないことなんだよ。寝ないなら強制的にこちらで切るよ」
「それは絶対嫌。……寝るわ」
「オーケー。良い子だ」
「ねえ、ドクター。ここの部屋の電気だけは点けたままでもいいでしょう?」
「ああ、かまわないよ。でも、電灯の光なんか君には……」
ドニタの知覚力ならば、人にとっては暗闇でも全く影響など無かった。それに睡眠モードに入れば外界の光など関係ない。
「とにかく嫌なの」
ドクターのわかりきった説明を遮り、ドニタは言い切った。
「わかったよ。おやすみ、ドニタ」
「おやすみ、ドクター」
ドニタは薄明かりの付いた作業用ベッドの上でゆっくりと目を閉じた。そしてあの暗闇の音が聞こえないように、すぐに自身を睡眠モードに切り換えた。
ある日、ドクター以外の人間を初めて見た。肌の浅黒い、メガネを掛けた男性だった。
「こちらはソングさんだ。ドニタ、挨拶をしなさい」
「はじめまして。ソングさん」
ドニタは普通の少女のように微笑みを浮かべながら、挨拶をこなした。
男がデッキの上に置かれたドニタを眺めて、ドクターに視線を戻す。
「すばらしいな。 ここまであのコデックスを解読するとは」
「時間は掛かりましたがね。 完成の暁には、お宅のカウンシルのメンバーにもお見せしましょう」
「それは楽しみだ」
ドクターとソングと呼ばれた男は部屋の隅にあった椅子に座り、テーブル越しに向きあうと話題を変えた。
「で、取引の件、考えていただけましたか?」
「探索の件ですね。 正直迷っています。 今の私にとって利益があるのかと」
「必ずありますよ。 こちらは腐ってもパンデモニウムです。 ここに無い資材、資料はいくらでも揃えられる」
「カウンシルが管理しているもの全てにアクセスできますか?」
「私が説得しましょう」
男の焦りは、端で聞いているドニタにも伝わってきた。
「私達には貴方の技術が必要だし、貴方には組織のバックアップが必要だ」
改めてソングは断言した。
「わかりました。ただし、カウンシルの管理資料へのアクセス権は必ずいただきます」
ドクターは考える素振りをやめ、そう答えた。
ソングと呼ばれた男が滑稽なほど安堵の表情を浮かべたのを見て、少しドニタは可笑しくなった。
「行くわよ」
ドニタはもう一体の自動人形に声を掛けた。しかし反応は無い。そう作られていないからだ。この自動人形をドニタは見下し、嫌悪していた。この無骨な格好で喋る事すらできない存在と同じ自動人形であるという事が、ドニタには耐え難かった。
物言わぬ自動人形を従え、ドニタは研究所を出発した。
世界は朝焼けの中だった。
外に出るのは初めてだったが、全く恐れはなかった。ただ高揚感だけがドニタを包んでいた。
「—了—」