R1 C.C.(含日版)

3385年 「代替」

啊,撞到了人。

破破爛爛的白衣看起來好像是主任。穿著花俏涼鞋的那個是最近來的新人吧?

啊,平常都只會嫌東嫌西抱怨個不停的主任竟然先道歉了,真是稀奇。

嗯,這到底是為什麼呢。難道說那兩個人有……!?

不,等等哦……



「C.C.,C.C.!聽到了沒?」

「嗚啊!?是的!!」

同事泰瑞爾的聲音將C.C.喚回神。因突然被叫到而發出了奇怪的高音。

急急忙忙將嘴給遮住也已經太晚了。剛剛用來妄想的主任跟新人,也凝視著C.C.的方向。

「啊嗚……」

「真是的,妳又在發呆了對吧。海塞爾所長發佈緊急招集。走吧」

「會是什麼事呢……我馬上過去」

調整呼吸讓心情恢復平靜之後,C.C.就站起身,與其他的研究員們一起往所長室移動。



「昨天我接到了你們部署的主任,賽因茲倒下的報告。原因是不安定的勤務時間及長時間勞動所引起的過勞。依中央醫院的看法,要回到連隊是不太可能的事了」

C.C.他們剛進所長室沒多久,身為研究所所長的海塞爾就像唸報告書似地,將這件事告知給研究員們。

這個研究所的兵裝研究部主任賽因茲,是攜帶型兵裝研究的第一把交椅,也是C.C.的父親。

然後本來應該已經到達連隊,充份發揮著他的才能才是。

「關於這件事,連隊統籌部署那邊已經在要求我們盡快送一位替補的人員了。所以……」

所長毫無感情的說著,而兵裝研究部裡的研究員們已經開始在騷動了。

住在導都潘德莫尼的人,都在初等教育中學到,地上的人們都是沒有經過教育的野蠻人集團。對受到這種教育的C.C.他們來說,與下賤民族的地上人接觸,是非常痛苦的一件事。

「安靜。兩天後,將召開決定去連隊當替補人員的選秀會。兵裝研究部的人員,都必須在選秀會中交出現在的研究成果上來」

在所長以強硬的語調,讓因為突然的事故而動搖起來的研究員們都閉上了嘴後,海塞爾讓後面的螢幕秀出了選秀會的預定內容。

「提交期限到今天的下班時間為止。就算是開發中的東西,只要能大略看的出全貌的東西也沒關係。以上,有人有問題嗎?」

海塞爾看了看周圍。研究員們都低頭不語。沒有任何人想要忤逆所長的命令。

「看來是沒有。那麼,除了C.C.以外大家都可以回去自己的崗位了」

「咦……啊,是的……」

海塞爾叫住正打算混在其他研究員之中離開的C.C.。

然後在除了C.C.以外的研究員都離開了之後,所長室的門關上了。

「C.C.妳知道自己被留下來的意思嗎」

「不知道……」

「我換個說法好了。這次選秀會的事,我希望妳能夠特別盡力。你明白我的意思嗎?」
「也就是要我代替賽因茲主任……不對,代替我父親的意思嗎?」

「只講重點的話是這樣沒錯。賽因茲主任不管在哪個方面都很優秀。能代替他的只有C.C.妳了,我是這麼想的」

以優良的方式繼承了賽因茲基因的C.C.,從小就同時接受著普通教育及兵裝研究專門的教育。

C.C.會被分配到與賽因茲同樣的研究所,也是因為只有她才能夠補替一流兵裝研究者的賽因茲。

但是對此事無法反抗,而且也沒有考慮過要反抗。對潘德莫尼的居民來說,基因篩選的決定是絕對的。

「但是,我才剛被發配來這裡……期,期限也很短,要我特別盡力也不知道該怎麼辦……」

C.C.認為自己沒有辦法馬上代替父親的職務。拼命想要找出可以拒絕去連隊的話語。

「這件事已經決定了。幫父親收拾殘局,也是妳的義務。C.C.,我很期待妳的表現哦」

「怎麼可以這樣……」

海塞爾無情地將話說絕了。



從所長室回來的C.C.,為了要做出在選秀會中報告的兵器完成圖,一個人窩在開發室。

「唉……連隊啊。到底是什麼樣的地方呢……」

就算說要盡力,但C.C.可以說是完全提不起勁來做事。

就好像是要逃避現實一般,C.C.在腦內開始以模糊的基礎知識妄想起連隊的事。



──挺身抵抗渦的威脅,年輕的通訊官。

一個因為渦而失去家人,為了復仇才進入連隊,年齡可以說是少年也毫不為過的男子。

他們在年長的長官守護之下,有時會受傷,有時會相互吵架,但也逐漸加深彼此之間的羈絆──。



「年輕男子之間熱切的友情……可以近距離直接觀察好像也不錯的樣子……」

雖然滿腦子都是妄想,但手還是自動地繪製著圖面。

最新型的折疊式攜帶用炮擊兵器的完成圖,逐漸在螢幕上完成。

隨著兵器的完成圖及展開圖逐漸完成,C.C.的妄想也隨之加速。



──與死相伴的生活。到昨天為止都還在一起歡笑的同伴,在今天卻有可能會消失的恐懼。

在生與死的狹縫之間被剝削到極限的心靈與身體。自己到底可以像現在這樣,跟同伴們一起迎接明天到什麼時候呢──。



「C.C.研究成果還不能交出來嗎?」

海塞爾的聲音突然響徹開發室,天花板的面板也被打亮。同時,C.C.的妄想也被中斷了。

「咦,啊!?討厭,已經這麼晚了!對不起所長!」

C.C.回神站起身來。看了看時鐘,發現早已經超過下班時間很久了。

「又來了嗎……。妳只要一進入自己的世界,就看不到周圍了。賽因茲主任雖然也有類似的習慣,但沒妳這麼嚴重哦」

海塞爾表情完全不動聲色地,向C.C.說教。雖然沒有表現在臉上,但從他的言語中也明顯感覺得到混雜著對C.C.這種情況的驚訝。

「對,對不起……」

海塞爾完全不在乎C.C.的狀況,而是看著顯示在螢幕上的攜帶型炮擊兵器完成圖。

「這個就是要呈上來的資料吧」

「啊……那個是……」

「咦,不是嗎?看起來已經完成了的樣子啊?」

「呃不是……是的。就是要交這個」

「那就好。真是的,你們連這點都像父女,總是要給我添麻煩……」

海塞爾留下大大的嘆息之後,就回去了。



「啊啊,我又來了……」

所長離開後,C.C.無力地看著完成的圖面。

因為是邊妄想邊做的東西,怎麼進展成這樣的幾乎沒有記憶。

但是,攜帶型炮擊兵器的完成圖已經作為成果存入了資料夾裡了,接下來就只差傳送到指定的伺服器了。

「……算了,應該沒有問題吧」

不管怎麼樣,都已經跟海塞爾說這個就是要交出去的東西了。

C.C.按下將資料夾傳送到伺服器的按鈕。



「─完─」

日文版
3385年 「代替」

あ、誰かがぶつかった。

ボロボロの白衣は主任っぽいな。派手なサンダルの方は、この間入った新人君かな?

あ、いつも嫌味満載で文句ばっかりの主任が先に謝った。めっずらしー。

うーん、これは何だろう。もしかして二人は……!?

いや、まてよ……

 

「C.C.、C.C.! 聞こえているんですか?」

「ふぁっ!? はいっ!!」

同僚のタイレルの声でC.C.は我に返った。急に呼ばれたことで変に高い声が出る。

慌てて口を塞ぐも時すでに遅し。先程妄想の種にしていた主任や新人さえも、C.C.の方を凝視していた。

「あう……」

「まったく、また呆けていたんですね。ヘイゼル所長から緊急招集です。 行きますよ」

「何だろう……すぐ行くわ」

呼吸を正して平静を取り戻すと、C.C.は立ち上がって他の所員達と共に所長室へと向かった。

 

「昨日、あなた方の部署の主任であるセインツが倒れたとの報告を受けました。 原因は不安定な勤務時間と長時間労働による過労。中央病院の見解では、レジメントに戻ることは無理だろうという話です」

C.C.達が所長室に入って間もなく、報告書を読み上げるように、研究所の所長であるヘイゼルは所員に告げた。

この研究所の兵装研究部主任であるセインツは、携行型兵装研究の第一人者であり、C.C.の父親だ。

そして現在はレジメントに出向し、その才能を存分に振るっている筈だった。

「この件に関して、レジメント統括部署から早急に代わりの者を送れとの要求が来ています。 そこで……」

淡々と言い募る所長に、兵装研究部の所員達は俄にざわついた。

導都パンデモニウムに住む者は、地上の人々は洗練されていない野蛮な人間の集まりであると、初等教育の段階から教えられていた。そういった教えを受けているC.C.達にとって、下賎の民とされている地上の人々と接触することは、とてつもない苦痛であった。

「静かに。二日後、レジメントへの補充要員を決定する選考会が開かれます。 兵装研究部の人員には、その選考会に現在の研究成果を提出してもらいます」

突然のことに動揺してざわつく所員を強い口調一つで黙らせると、ヘイゼルは背後にあるスクリーンに選考会の予定を映し出した。

「提出期限は本日の退所時間までです。 開発途中の物でも、全容がわかるものであれば構いません。以上、何か質問は?」

ヘイゼルが周囲を見回す。所員達は黙ったまま俯く。所長の命令に逆らえる者は誰一人としていない。

「無いようですね。 では、C.C.以外は持ち場に戻ってください」

「え……あ、はい……」

他の所員に混じって退室しようとするC.C.を、ヘイゼルは呼び止めた。

やがてC.C.以外の所員が居なくなり、所長室の扉が閉ざされた。

「残留させた意味はわかっていますね、C.C.」

「いえ……」

「言い方を変えましょう。 今回の選考会の件ですが、あなたには特に注力してもらいたいのです。 この意味がわかりますね?」

「セインツ主任の……いえ、父の代わりになれということでしょうか?」

「事実のみを抜き出せばそうなります。セインツ主任は全てにおいて優秀でした。 その代わりを務められるのはC.C.、あなたしかいないと私は考えています」

セインツの遺伝子を優良な形で継いでいるC.C.は、幼い頃から通常の教育課程と並行して兵装研究専門の教育を受けていた。

C.C.がセインツと同じ研究所に配属されたのも、兵装研究者として非常に優秀なセインツの予備という側面が強かった。

だが、それに対して逆らうことは許されないし、そもそも考えたこともない。パンデモニウムの住民にとって、遺伝子スクリーニングによる決定は絶対である。

「ですが、まだ私はここに配属されたばかりで……そ、それに提出の期限も短いのに注力だなんて……」

父親の代わりがすぐに務まるとは思えない。C.C.は必死にレジメント出向を拒否する言葉を探す。

「これは決定事項です。 父親の不始末を解決するのも、代替であるあなたの務めです。期待していますよ、C.C.」

「そんな……」

ヘイゼルはにべもなく言い切った。

 

所長室から戻ったC.C.は、選考会に提出する兵器の完成図を作るべく、開発室に一人篭っていた。

「はぁ……レジメントかぁ。一体どんなところなんだろ……」

注力しろと言われたものの、C.C.は全くといっていい程やる気が起きなかった。

現実逃避をするように、予備知識だけでぼんやりとレジメントの妄想を脳裏に走らせる。

 

——渦の脅威に立ち向かう、若いオペレーター。

渦により家族を失い、復讐のためにレジメントに入隊した、少年といっても差し支えないような年齢の男。

彼らは年齢を重ねた上官に見守られながら、時に傷付き、ぶつかり合いながらも仲間との絆を深めていく——。

 

「若い男の子の熱い友情……それを間近で見られるのは良いかもしれないわね……」

頭は完全に妄想に染まりながらも、手は勝手に動いて図面の組み立てを進めていた。

最新型の折り畳み式携行砲撃兵器の完成図がモニター上に出来上がっていく。

兵器の完成図とその展開図が完成に近づく程に、C.C.の妄想も加速する。

 

——死と隣り合わせの生活。昨日まで笑いあっていた仲間が、今日には居なくなるかもしれない恐怖。

生と死の狭間で極限まで削られていく心と体。自分はいつまで、ここでこうやって仲間と明日を迎えることができるのだろうか——。

 

「研究成果の提出はまだですか? C.C.」

不意にヘイゼルの声が開発室に響き、天井のパネルが明るく点灯する。それと同時に、C.C.は妄想を中断させられた。

「え、あっ!? やだ、もうこんな時間! すみません、所長!」

C.C.ははっとなって立ち上がる。時計を見ると、退所時間を大幅に過ぎていた。

「またですか……。 あなたは一度自分の世界に入ってしまうと他の事に目が行かなくなる。 セインツ主任にも似たような癖はありましたが、ここまで酷いものではなかったですよ」

表情を崩すことなく、ヘイゼルはC.C.を咎めた。表情にこそ出さないものの、その語気には明らかに呆れが混じっている。

「す、すみません……」

C.C.の様子など気にも留めず、ヘイゼルはモニターに映し出された携行砲撃兵器の完成図を見ていた。

「これが提出するデータですね」

「あ……それは……」

「おや、違うのですか? 一見したところでは完成しているようですが?」

「いやあの……そうです。 これを提出します」

「ならばいいのです。全く、どうしてこうあなた方親子は、私の手を煩わせることばかりするのか……」

大きな溜め息を残して、ヘイゼルは戻って行った。

 

「あぁ、またやっちゃったのか……」

所長が去った後、完成した図面を見つつC.C.は項垂れた。

妄想の合間に作業をしたせいで、どのように進めたのか殆ど記憶に無い。

だが、携行砲撃兵器の完成図は成果物としてファイルに纏められており、あとは所定のサーバーに送るだけの状態になっていた。

「……まあ、大丈夫よね」

どの道、ヘイゼルにはこれを提出すると言ってしまっている。

C.C.はファイルをサーバーに送信するべく、キーを叩いた。

「—了—」