R1 庫恩(含日版)

「願望」

──『美』是每個人心中都會有的慾望,其價值觀是千變萬化的。

她也是我所擁有的美麗收藏品之一。她為我奉獻出自己所擁有『美』。

啊,並不是我對她做了什麼哦。這是她自己所期望的事。沒錯,不是別人而是她自己。──



因窗邊聚集著小鳥的鳥啼聲而清醒,我起床了。

一打開窗,隨風撲鼻而來的是春天草木的清新香氣。

「早安,小鳥先生。我現在就去拿早餐來給你們哦」

對著在窗旁樹梢上停留的小鳥先生問早後,就開始準備起早餐。

把麵包屑灑在窗檐邊,小鳥先生就飛過來覓食。邊看著那可愛的畫面,邊享用好吃的早餐是我每天必做的功課。



吃完早餐後,便是早上的工作時間。

將店裡和自宅打掃完後正打算開店時,已經有好幾個等不及的客人在外頭等著。

「早安!快請進來吧!」

向客人們問早後,忙不迭地將禮服和針織衣物、襯衫一件一件地拿出來讓客人過目。

「哦,漂亮地修好了耶。謝謝妳蘇菲雅」

「哪裡哪裡。如果有不滿意的地方請告訴我,我會馬上再為您修改」

我是從事修補衣服的破洞、將舊衣服重新縫製的工作。看到客人因修補好的舊衣煥然一新而露出滿意的笑臉,我就會感到非常高興。

交付修補後的衣服,收取新的需要修繕的衣物。告一段落的同時,也就是早上的工作結束了。

早上的工作結束後,就出門上街買東西。

把要買的東西都買齊後,有時到不一樣的商店吃午餐,有時逛逛骨董雜貨。到下午的工作時間之前都是自由的時間。

今天在骨董店裡發現了很棒的手拿鏡。

「啊,蘇菲雅。那個啊~,很早之前就有了,但怎麼樣就是找不到買家。現在的話可以算妳便宜一點喔」

「真的嗎?那麼請就給我這個!」

買了手拿鏡後返回兼作為工作室的自宅。買了好東西就覺得腳步特別輕盈。

下午的工作是修繕的工作。把客人重要的衣服謹慎地進行修補。不知不覺就日落了。今天的工作就算告一段落。

之後吃完晚餐便是屬於自己的時間。得來想想該把這骨董手拿鏡放在哪才好。但是,怎麼就是找不到適當的場所來收藏手拿鏡。

「嗯~,如果有個完美的飾品盒就好了……」

不自覺地對著鏡中的自己喃喃自語起來。總之還是先把手拿鏡重新包裝,收進梳妝台的抽屜裡。



隔天,一到店裡就被素未謀面的陌生人問道。

「想要請妳幫忙修補衣服」

「是的,那麼請讓我先過目一下」

將取出的衣服大致看了一下。雖然洗得很乾淨,但看得出來已經穿了很長一段時間,已經破破爛爛的工作服。

剛剛好在褲襠的部分破了一個大洞。

「嗯,看來的確非修不可了。因為需要整體修補,修改費是──」

看著價格表,客人似乎難以開口似的拿出一個小箱子。

「真的很抱歉。明天之前不修好的話我就無法工作了,但修繕用的錢被偷了。我現在能拿出來的只有這個了……」

那是一個看起來剛好可以收納手拿鏡的飾品盒。讓陽光曬出恰到好處的木色,散發出完美的風韻。

該如何是好,平常是不會收這樣的東西來抵修補費用的,但他好像非常困擾的樣子。

「我知道了!明天之前我會幫你修補好的!」

我稍微思考了一下後回答道。畢竟我也無法拋下遇到困難的人嘛。

「來,我馬上幫你修好哦」

我對著老舊不堪的衣服這麼說道。雖然自己也覺得有點怪,但習慣性就是會對著衣物說出口。

修補這件衣服相當花功夫,結果一直工作到半夜。也多虧熬夜才趕上時間。但是,似乎有點疲憊。

將手拿鏡收進作為修繕費用代價的小箱之前,照了一下自己的臉龐,映照出的是疲倦的面容。

「啊啊,黑眼圈都跑出來了。真討厭……啊~~,如果明天沒什麼客人就好了」

又情不自禁地對著手拿鏡自言自語了起來。變成習慣就不好了。



隔天是雨天。早上只有來拿工作服和照約定時間來取衣服的客人們,所以能夠稍微休息一下。

一下起雨來就不想外出,大概大家都一樣吧。

「嘻嘻,手拿鏡先生,謝謝你」

那天夜裡,我向手拿鏡道了謝。自從買了這個手拿鏡後就好事不斷,至少也得對它說聲謝謝。

就那樣在道謝的瞬間,手拿鏡發出光芒,從鏡中出現一位長髮男子。因為太過耀眼讓我看傻了眼。

「你是?」

「我的名字是庫恩。我的主人啊,讓我來為妳實現願望吧」

「願望……?難道」

我想起曾向手拿鏡喃喃自語過『如果明天客人很少的話就太好了』

「是的。妳的任何願望我都會為妳實現。寶石、金錢、戀人,妳可以許妳喜歡的願望」

我猶豫了一下。突然被告知什麼願望都能實現,還蠻困擾的。

「嗯,嗯……對了!我還蠻想要一把新的剪刀」

剛好想起剪裁用的剪刀壞了,所以試著隨口說了一下。

然後,我的手邊出現了一把新的剪刀。是之前因為沒有錢而放棄的有名工房的剪刀。

「好厲害!謝謝你庫恩!」



隔天,聽到了很奇怪的傳言。

「咦,湖嗎?」

「昨天明明下雨,但湖卻乾枯了……」

聽到了經過店門前人們的對話。奇怪了。湖怎麼會突然乾枯呢?

邊感到不可思議邊繼續工作。新的剪刀用起來非常順手。

從那之後,不管是多麼小的願望我都會去拜託庫恩。

風評很好的糕餅店蛋糕、明天希望發生的事、各式各樣的願望都順著我的心意一一實現了。

我的生活照著我的想法運轉著。想要的、想吃的、就連想穿的都請庫恩來幫忙。

「庫恩,我幸福到感覺快不正常了」

「那很好啊」



某天,因為剪刀用起來有些不順,所以就帶去那有名的工房,老闆看起來像鬆了口氣的樣子。

「這把剪刀是怎麼來的?」

「嗯?這是朋友送我的剪刀」

「怎麼可能……」

「怎麼了嗎?」

「小姑娘,可以跟我來一下嗎?」

被店長催促著一起走到另一個房間。等待一段時間後,來的是一位警官。

「把妳知道的事都說出來」

「這把剪刀是領主大人購買的商品。在交貨的那一天被偷了」

「我,我什麼都……」

「讓我看看」

「領主大人非常生氣。若沒找到犯人的話,我的生意也不保了」

邊聽著老闆的話邊驚訝不已,同時我的袋子也被警官拿去檢查。警官檢視了我的東西後,這個也是,那個也是,反覆地跟筆記對照著。

「這些全是贓物啊。請告訴我是在哪裡得到的」

「不,我不知道!庫恩!救我!」

「那就實現妳的願望吧」

庫恩從放在衣服口袋內的手拿鏡裡出現,趁著警官因為驚嚇而一時反應不過來,帶著我往外跑。

警官們從後方追上來。

逃回自己的店後,我急忙把門鎖上將自己關在房裡。

我不明白為什麼會發生這樣的事。今天帶的東西,衣服、包包全部都是向庫恩許願而來的。

「為什麼,會這樣……」

「想要得到些什麼,就必須有什麼犧牲」

「那麼,偷了那個帶工作服來的客人的錢是……」

「是我」

「讓附近的湖乾枯的也是?」

「那也是我」

「怎麼會,我,並沒有那麼希望實現那些願望到讓他人不幸啊!」

「但是,妳許願了」

庫恩說完同時,門被用力的敲著,傳來警官生氣的吶喊聲。

我不知道該怎麼辦才好。我,我……。

「新剪刀跟好吃的蛋糕,手拿鏡什麼都不要了!拜託你讓我恢復原本的生活吧!恢復吧!!」

「那就實現妳的願望吧」



店裡和自宅打掃完後正打算開店時,已經有好幾個等不及的客人在外頭等著。

「早安!快請進來吧!」

向客人們問早後,忙不迭地將禮服和針織衣物、襯衫一件一件地拿出來讓客人過目。

「哦,漂亮地修好了耶。謝謝妳蘇菲雅」

「哪裡哪裡。如果有不滿意的地方請告訴我,我會馬上再為您修改」

我是從事修補衣服的破洞、將舊衣服重新縫製的工作。看到客人因修補好的舊衣煥然一新而露出滿意的笑臉,我就會感到非常高興。

我明明只要求過著這樣安穩的生活,但最近身體似乎很沉重,為什麼呢……?



手拿鏡中的蘇菲雅正沉睡著。她那曾經年輕煥發的容貌就像老婆婆一樣乾枯,瘦扁。

庫恩拿著手拿鏡,用沉醉的表情看著。



──實現任何願望都要付出相應的代價。她是不理解這個道理的愚笨之人。

最後願望的代價就是她的人生。她接下來的人生,就是直到她的生命結束為止,都沉睡在我的手中做著夢。

她期望她過去那美麗閃閃發亮的人生。我以她的命來實現她的願望。

『美』就是我的糧食。我的全部。她那低調卻閃閃發亮的『美』,直到她的生命結束為止都是我的東西了。──



「─完─」

日文版
「願い」

——『美』とは、誰もが心の中で欲するものだが、その価値は様々だ。

彼女も私の所有する美しいコレクションの一つ。彼女が持っていた自身の『美』を私に捧げてくれている。

あぁ、別に私が何をした訳ではないのだよ。これは彼女が望んだことだ。そう、他ならない彼女自身がね。

 

窓辺に集う小鳥の鳴き声を目覚ましにして、私は起き上がった。

窓を開けると、風に運ばれてきた春の草木のいいにおいが鼻をくすぐる。

「おはよう、小鳥さん。いま朝ごはんを持ってくるからね」

窓の近くにある木に留まっている小鳥さんに声を掛けると、食事を用意する。

パンくずを窓の桟に撒くと、小鳥さんが食べに寄ってくる。そのかわいらしい様子を見ながら、おいしい朝食をいただくのが私の日課。

 

朝食が終わったら、朝の仕事の時間。

お店と自宅の掃除が終わって店を開ける頃には、気の早いお客さんが何人か待っていた。

「おはようございます! でき上がってますよ!」

お客さんに朝の挨拶をすると、ドレスやニット、シャツなどを一つ一つ取り出してお客さんに見せる。

「あら、綺麗に直してくれたのね。ありがとうソニアちゃん」

「いえいえ。もし気に入らないところがあったらすぐに直しますので」

私は破れた服の修繕や、古くなった服を仕立て直す仕事をしている。直した服や仕立て直した服を見て喜ぶお客さんの顔を見るのは、とても嬉しい。

直した服の返却と、新しく来た修繕する服を受け取る。それが途切れると同時に、朝の仕事は終わる。

朝の仕事が終わったら、街に出掛けて買い物をする。

必要なものを購入したら、ちょっと変わったお店でお昼ご飯を食べたり、アンティークの雑貨を見たり。午後の仕事を始めるまでは自由な時間。

今日はアンティークのお店で素敵な手鏡を見つけたの。

「やあ、ソニアちゃん。それねー、結構前からあるんだけど、なかなか買い手がつかなくてね。今なら安くしておくよ」

「本当? それじゃあ、これください!」

手鏡を買って自宅兼仕事場に戻る。いい買い物をしたときは足取りが軽い。

午後の仕事は修繕の仕事。お客さんの大切な服を丁寧に直していく。日が落ちるのはあっという間。そうしたら今日の仕事はもうお終い。

あとは夜ご飯を食べて、自分の時間。アンティークの手鏡の置き場所を考えてあげなくっちゃ。でも、どうやっても手鏡がちょうどよく収まる場所がないの。

「うーん、素敵なアクセサリーボックスでもあればいいのに……」

手鏡に映る自分に向かって思わずつぶやいちゃった。とりあえず手鏡は大事に包装しなおして、鏡台の引き出しにしまうことにしたの。

 

次の日、お店に行くと見知らぬ人が尋ねてきた。

「服を直してもらいたいんですが」

「はい、ではちょっと拝見させていただきますね」

取り出した服をざっと眺める。綺麗に洗ってあるけど、ずいぶんと長い間着ていてボロボロになってしまった作業用の服。

ちょうどズボンの股座の部分に大きな穴が開いていた。

「そうですね、直せないことはないと思います。全面の修繕になるので、お代は——」

料金表を見ていると、お客さんが何か言いづらそうに小箱を差し出した。

「ごめんなさい。明日にでも直さないと仕事ができないんですが、修繕用のお金を盗まれてしまって。 今、私が出せるものがこれしかなくて……」

小箱は手鏡を収めるのにちょうどよさそうなアクセサリーボックスだった。ちょっと日焼けしている木の色が、とても良い風味を出していた。

どうしよう、普段はこういう物での修繕は受け付けていないけど、すごく困ってるみたいだし。

「わかりました! 明日までに直しておきますね!」

ちょっと考えてから私はこう言った。困ってる人を見捨てておけないしね。

「さあ、すぐに直してあげるからね」

私はボロボロの服に向かって話し掛けた。ちょっと変かなって思うけど、くせでついつい言葉に出ちゃう。

服の修繕に手間取って、結局夜中まで作業してしまった。そのおかげでなんとか間に合いそう。でも、ちょっと疲れたかも。

手鏡をお代の小箱にしまう前に私の顔を映してみたら、疲れた顔が映ってた。

「もう、クマができてる。やだなぁもう……あーあ、明日はお客さん少ないといいな」

またしても手鏡の自分につぶやいてしまった。くせになったら嫌だなぁ。

 

次の日は雨だった。朝のお客さんは作業着や期日の服を取りに来た人達だけで、少し休むことができた。

雨が降ってると外に出たくなくなるのは、みんな同じような心理なのかもしれない。

「ふふ、手鏡さん、ありがとう」

その日の夜、私は手鏡にお礼を言った。この手鏡を買ってから良いこと続きなんだし、これくらいはね。

そうやってお礼を言った瞬間、手鏡が光り輝いて、鏡の中から長い髪の男の人が現れたの。あまりの眩しさにぼーっと見とれちゃった。

「あなたは?」

「私の名はクーン。私の主よ、貴女の願いを叶えよう」

「願い……? もしかして」

私は『明日のお客さんが少なければいいな』と手鏡に向かってつぶやいたことを思い出した。

「そうだ。主が望むどのような願いでも叶えよう。宝石でも、金でも、恋人でも、好きなことを願うといい」

私は戸惑った。いざ何でも叶う、なんて言われてしまうと結構困る。

「えっと、えっと……そうだ、新しいハサミが欲しいなー、なんて」

ちょうど、裁ちバサミが壊れていた事を思い出し、ためしに言ってみた。

すると、私の手元に真新しいハサミが現れた。この間お金がなくてあきらめた、有名工房のハサミだった。

「すごい! ありがとうクーン!」

 

次の日、変な話を耳にした。

「えっ、湖が?」

「昨日は雨だったのに、干上がるだなんて……」

お店の前を通る人の会話が耳に入った。何だろう、急に湖が干上がっちゃうことなんてあるのかな?

不思議に思いながらも仕事をする。新しいハサミはすごく使い心地が良かった。

それから、私はどんな些細な願いごともクーンに頼むようになった。

評判のお菓子屋さんのケーキや、明日起きて欲しいこと、色々な願いを、思いつくままに叶えていった。

私の生活は私の思うように動くようになった。欲しいものも、食べたいものも、着るものですらクーンに頼った。

「ねぇクーン、私、幸せすぎておかしくなっちゃいそう」

「それは良いことだ」

 

ある日、ちょっと調子が悪くなったハサミを有名工房に持っていくと、店主がはっとしたような顔をした。

「このハサミはどうしたんだね?」

「え? 友人にいただいたものですけれど」

「そんな馬鹿な……」

「どういうことですか?」

「お嬢さん、ちょっと良いかね?」

店主に促されるまま付いていくと、別室に通された。しばらく待っていると、やって来たのは警官だった。

「知っている事を詳しく話してもらおう」

「このハサミは領主様がお買い求めになられた品でね。引渡しの日に盗まれてしまったものなんだ」

「わ、私、何も……」

「ちょっと調べさせてもらうよ」

「領主様はお怒りでね。なんとしても犯人を見つけなければ、私の商売も危ういんだよ」

店主の言葉を呆然となりながら聞いていると、私のカバンは警官に取り上げられてしまった。警官は私の持ち物を見ると、これもそうだ、あれもそうだと、メモと照らし合わせている。

「これらは全て盗品だ。どこで手に入れたか教えてもらおう」

「し、知らない! クーン! 助けて!」

「その願い、叶えよう」

服のポケットに入れていた手鏡からクーンが現れ、あっけにとられた警官の隙をついて、私を連れて外に出る。

後ろから警官達が追い掛けてきた。

お店に辿り着くと、私はあわてて鍵を閉めて自室に閉じこもった。

どうしてこんなことが起きたのかわからなかった。今日持ち歩いていたものは、服もカバンも全部、クーンにお願いしたものだった。

「なんで、どうして……」

「何かを手に入れるには、何かを犠牲にせねばならない」

「じゃあ、あの作業着の人からお金を盗んだのって……」

「私だ」

「街の近くの湖が干上がったのも?」

「それも私だ」

「そんな、私、人を不幸にしてまで欲しいものなんてない!」

「だが、主は願った」

クーンが突き放すように言うのと同時に、扉を強く叩く音と警官の怒声が聞こえてきた。

どうしたらいいか私にはわからなかった。私は、私は……。

「新しいハサミもおいしいケーキも、手鏡も何もいらない! お願いだから私を前の生活に戻して! 戻してよ!!」

全てを無かったことにしたかった。力の限り私はクーンに向かってわめいた。

「その願い、叶えよう」

 

お店と自宅の掃除が終わって店を開ける頃には、気の早いお客さんが何人か待っていた。

「おはようございます! でき上がってますよ!」

お客さんに朝の挨拶をすると、ドレスやニット、シャツなどを一つ一つ取り出してお客さんに見せる。

「あら、綺麗に直してくれたのね。ありがとうソニアちゃん」

「いえいえ。もし気に入らないところがあったらすぐに直しますので」

私は破れた服の修繕や、古くなった服を仕立て直す仕事をしている。直した服や仕立て直した服を見て喜ぶお客さんの顔を見るのは、とても嬉しい。

それだけなのに、なんだか最近、身体が重い気がするの。なんでかしら……?

 

手鏡の中でソニアは眠っていた。若々しかったその容貌は老婆のように枯れ、痩せ衰えていた。

クーンはその手鏡を手に取ると、うっとりとした表情で眺めていた。

 

——どのような願いでも相応の代償が必要なのだ。彼女はそれを理解していない愚か者だった。

最後の願いの代償は彼女自身の人生。彼女はこの先、その命が尽きるまで私の腕の中でかつての夢を見る。

彼女は美しく輝いていた過去を望んだ。私はそれを彼女の命で叶え続けることにした。

『美』こそ我が糧。我が全て。慎ましくも輝かしい彼女の『美』は、命尽きるまで私のものとなったのだ。——

「—了—」