R3 碧姬媞(含日版)

3365年 「契約」

碧姬媞與男子一同走在狹窄的巷弄裡。

「請往這邊!」

「好!」

為了甩開緊追不捨的犯罪組織追兵,男子冷靜地帶領著碧姬媞。



碧姬媞是在醫院裡見到這個男子的。

碧姬媞受傷倒在某個倉庫時,是這個男子發現碧姬媞,並送到醫院的。

碧姬媞決定要利用這位叫庫恩的男子。

「父親為了償還債務把我賣給了犯罪組織,至今為止都被強迫要為他們工作」

「那您一定非常地痛苦吧……」

將過往的事真假參半的告訴庫恩,引起了庫恩的同情。

這個男人,是個會將倒在倉庫的陌生女子送往醫院,甚至還會給予幫助的好人。庫恩輕易相信了碧姬媞所說的話。

可以利用就利用,沒有利用價值的時候再丟棄就好。碧姬媞心理是這麼打算的。



但是,事情沒有想像的那麼簡單。

碧姬媞不單單是個情婦,因為還是秘書所以與PrimeOne內部有密切關係,組織不可能會放過她的。

而且,因為庫恩將碧姬媞藏匿起來,所以庫恩也成為了PrimeOne追捕的對象。



「我累了」

甩開追兵後在簡陋的旅社裡,碧姬媞提不起勁的望著庫恩。

這次的追兵不是一般的難纏,說不定什麼時候就會出現在這簡陋的旅社裡。

「逃得很累嗎?」

「我只是因為一直逃個不停,所以累了而已。但是要從那些人的手中逃走太難了,如果可以直接將德拉克魯茲殺了就簡單了,但是那也……」

碧姬媞深深地嘆了一口氣後,將手中的酒一口飲盡。

如果可以藉酒消愁就好了,但是不知道會不會突然發生什麼事,所以不敢喝醉。

「那麼,那個願望,我來幫您實現吧」

碧姬媞被那意想不到的回答給嚇到,至今為止感覺很紳士的庫恩笑容,看起來似乎變得相當邪惡。

「騙人。如果你辦得到的話,你早就把追你的人都殺了,不是嗎?」

「看到我這副模樣後,您還能這麼說嗎?」

庫恩的身體被黑影包圍,在那黑影裡出現了無數個紅色的眼睛。

碧姬媞一眼就能明白,庫恩不是人類。

「那麼,為什麼至今為止一直藏起你這副模樣呢?」

即使看見非人類的庫恩,碧姬媞還是一點也不害怕地問著。

一直持續著被組織追殺的恐懼,讓碧姬媞覺得,只要不會危害她自己,其他什麼都無所謂。

「這個是契約。美麗的碧姬媞,我將成為您的侍從來實現您的願望。但是相對的,您那高貴完美的靈魂,在您死後將成為我的東西」

無數個紅色眼睛像要貫穿碧姬媞全身般注視著她。

「你能實現我多少個願望呢?」

碧姬媞不但沒有因那眼神而害怕,反而強硬地看回去。

「只要您的靈魂還在閃爍,永遠」

「是嗎,那首先把陷害我的卡巴內爾殺了,向我證明你的力量」

「現在契約已完成,一切都將聽從碧姬媞大人之意」

庫恩從黑影變回人形後,恭敬的在碧姬媞前跪下。



那天深夜,碧姬媞使用了庫恩的力量,侵入卡巴內爾的住處。為了要確認庫恩說的『實現願望的力量』是不是真的,庫恩也一同前往。

就連找到卡巴內爾所住之處,也是全靠庫恩的力量,輕易地找到。

「碧姬媞,我們到了」

「真的什麼都能實現耶」

「只要有我的力量,沒有不可能。然後您打算要怎麼做呢?」

「我說過了,殺了那傢伙。然後把其他傢伙也全殺了」

「悉聽尊便」



碧姬媞將卡巴內爾的房門打開。

卡巴內爾在就寢前有飲酒的習慣,正在裡面放鬆。

「嗨~卡巴內爾,過得好嗎?」

「碧姬媞!妳這傢伙是怎麼進來這裡的!?」

身為幹部的卡巴內爾身邊警衛並不少,但是碧姬媞卻這樣輕鬆侵入進來,站在自己眼前。卡巴內爾無法隱藏自己心中的動搖。

「我不需要回答你,反正你都要死了」

「哼,區區一個情婦能做什麼!」

卡巴內爾說著便拿起放在桌上的,護身用手槍,打算向碧姬媞開槍。

與他拿起槍的同時,房裡刮起了一陣風。

卡巴內爾的槍掉到地上了。

「啊,咦,啊……怎,怎麼了?」

由於實在是太過一瞬間的事,卡巴內爾還無法理解發生了什麼事。

打算彎下撿起掉在地上的槍時,才看到槍上有自己的手。

卡巴內爾才終於發現,自己的手被切斷了。

「啊,啊,我,我的手!?噫,嘎……」

「沒有用的」

響起了2聲槍聲。

碧姬媞連給卡巴內爾叫出聲的時間都沒有給他。



跟侵入時一樣,碧姬媞利用庫恩的力量,從卡巴內爾的住家逃走了。

回去後,碧姬媞說出突然想起的事。

「庫恩,有件事我沒有告訴你」

「哦,是什麼事呢?」

「我,死不了哦。不管過了多少年,我都會維持現在的樣子」

「什麼!這是多麼美好的事」

這是在逃亡生活中,碧姬媞模糊地想起在被PrimeOne撿回去之前的事。

但是庫恩沒有在追問其他的事,碧姬媞也沒有再多說什麼。



「噫,住手……!嗚呃……!」

殺了卡巴內爾後,接下來也同樣一位一位將認識自己的幹部殺掉。

其實,使用庫恩的力量,根本沒有必要一一往他們的住處去。但是碧姬媞覺得,看著他們那傲慢的臉越來越恐懼的樣子,越來越覺得很愉快。

「我我我,我什麼也沒做!呀啊啊啊啊啊!」

有的人努力想證明自己的清白。

「這個給你!不然這棟房子,我的全財產都給你!所,所以!!!!」

有的人打算交出金錢,來乞求饒命。



但他們的誤算就是,以為碧姬媞是想要利益或權力才持續殺戮的。

對碧姬媞來說,無論誰說什麼,怎麼抵抗都沒有差別。

她的腦裡只有,只要威脅到自己的存在都殺,以及享受殺戮,這兩點而已。



在半個月內,幹部接連被殺害的PrimeOne陷入了混亂。



對碧姬媞來說,最後的殺戮之地選在了PrimeOne的總部。

藉由庫恩的力量,直接傳送到德拉克魯茲的所在地,傳送到的地點是首領與幹部要舉行大規模會議時,會使用的大房間門前。

碧姬媞毫不猶豫地的將房門打開。

在裡面的是,殘存的幹部們與德拉克魯茲,正在討論有關被殺的幹部們後繼者之事。

室內突然一陣騷動,碧姬媞看過一輪在房裡的人之後,向坐在最中間最裡面的德拉克魯茲微笑。

「首領,晚安啊」

「果然是妳啊,碧姬媞」

德拉克魯茲毫不動搖,維持不變的態度笑了。

「想到最先遇害的是卡巴內爾時,我就有懷疑過妳了。但是,沒想到妳竟然有這種程度的力量」

「這樣啊。那麼,您也知道接下來會發生什麼事囉?」

「嗯,但我也是PrimeOne的首領,被以前的女人幹掉的話就沒面子了。動手!」

與德拉克魯茲發出命令的同時,槍彈向著碧姬媞同時發射。

完全沒有躲避的機會,碧姬媞的全身都被槍彈打中,仰躺倒下。

過了一會兒,槍聲停下。倒下的碧姬媞完全沒有要站起來的樣子。

「哼,終究只是這種程度啊,我還以為是有實力的女人,果然是看錯了嗎……。嗚晤……」

在德拉克魯茲打算確認碧姬媞生死而站起來時。

德拉克魯茲量身訂做的西裝滲血的同時,感受到像是要燒起來的痛楚。

其他幹部也一樣,看來是碧姬媞受到的槍傷,直接轉移到他們的身上了。

「啊,呃啊……!」

「噫,好痛,啊啊啊啊啊啊!」

房裡充滿了幹部們的悲鳴與呻吟聲。等聲音靜下來之後,碧姬媞輕盈地站了起來。

「這就是我的力量,感覺很不錯對吧?」

「碧姬媞大人,真是太棒了」

「來,走吧。這裡已經沒我的事了」

碧姬媞完全沒有看一眼德拉克魯茲他們,將房門打開。

「了解,那麼接下來要做什麼呢?」

「我想要一個家,最好是有歷史又漂亮的家」

「遵命,我會在晚餐前準備好」

碧姬媞聽到庫恩這麼說之後浮現笑容,離開了房間。

寂靜的房間內,只剩下倒在血海中的幹部們與德拉克魯茲。



「─完─」

日文版
3365年 「契約」

ビアギッテは狭い路地を男と一緒に走っていた。

「こちらです!」

「ええ!」

迫り来る犯罪組織の追っ手から逃れるために、男は冷静にビアギッテを導いていく。

 

ビアギッテがこの男と出会ったのは、病院だった。

どこかの倉庫で怪我をして倒れていたところを、この男が発見して病院へ運んでくれたのだった。

ビアギッテは、クーンと名乗ったこの男を利用することにした。

「父の借金を返すために犯罪組織に売られて、今まで無理矢理に働かされていたの」

「それはさぞ辛かったでしょう……」

虚実入り混じった過去を語り、クーンの同情を引いた。

この男、倉庫で倒れていた見ず知らずの女を病院へ運び、手当てを受けさせる程にお人好しな人物だ。クーンはビアギッテの言葉をあっさりと信じた。

利用するだけ利用して、用済みになったら捨てればいい。ビアギッテはその程度に考えていた。

 

だが、事はそう簡単にいかなかった。

ただの情婦ではなく、秘書としてプライムワンの深部に関わっていたビアギッテである。そんな彼女を組織が見逃す筈がない。

そして、そのビアギッテをクーンは匿ったのである。クーンもまた、プライムワンの追跡対象となってしまったのだった。

 

「疲れたわ」

追っ手を振り切った先の安宿で、ビアギッテは気怠げにクーンを見やる。

今回の追っ手はいつになく執拗だった。いつ、この安宿に現れてもおかしくない。

「逃げるのが辛いのですか?」

「逃げ続けるのに疲れただけ。でも、あいつらから逃れるのは難しいわ。手っ取り早くデラクルスを殺せればいいんだけど、それもね……」

深い溜息を吐いて、ビアギッテは飲み物を飲み干す。

酒に逃げることができればよかったのだろうが、いつ何が起こるかわからない。それは憚られた。

「ならばその願い、私が叶えて差し上げましょう」

思いもよらぬ言葉に、ビアギッテは目を瞬かせた。今までずっと紳士的だったクーンの笑みが、随分と邪悪な微笑みに変わったように見えた。

「嘘よ。そんなことが可能なら、とっくに貴方は追っ手を殺しているわ。違う?」

「この姿を見ても、そのようなことが言えるかな?」

クーンの姿が黒い影に包まれ、その影から無数の赤い瞳が現れた。

クーンが人ならざる者であることは、一目で理解できた。

「なら、なぜ今までこの姿を隠していたのかしら?」

人ならざる者との邂逅だったが、ビアギッテは怖じ気付くことなく質問を重ねる。

組織から追われ続ける恐怖が続いていた。自らに危害を与えないのであれば、どんなものであろうと構わなかった。

「これは契約である。美しきビアギッテ、私は貴女の従者となって願いを叶えよう。その代わり、貴女の気高く美しい魂は、貴女の死後に私の物となる」

無数の赤い瞳がビアギッテの全身を貫くように見据えている。

「私の願いは、一体いくつ叶えられるのかしら?」

ビアギッテはその瞳の視線にたじろぐどころか、強く見返した。

「貴女の魂が輝き続ける限り、永劫に」

「そう。なら手始めに、私を陥れたカバネルを殺して頂戴。貴方の力を証明して」

「いまここに契約は為された。ビアギッテ様の御心のままに」

クーンは影から人の形に戻ると、恭しくビアギッテに跪いた。

 

その日の深夜、ビアギッテはクーンの力を使って、自身を嵌めたカバネルの住居へ侵入した。クーンが言った『願いを叶える力』が本物かどうかを確かめるため、クーンに付いてきたのだ。

住居の特定も、そこにカバネルがいるかどうかも、全てクーンが力の一端として簡単にやってのけた。

「着きましたよ、ビアギッテ様」

「本当に何でも叶うのね」

「私の力をもってすれば、不可能なことなどありません。それで、これからどうなさるおつもりで?」

「言ったはずよ。奴を殺してって。その後は、他の奴らもみんな殺すわ」

「仰せのままに」

 

ビアギッテは寝室の扉を開ける。

カバネルは就寝前の飲酒を嗜んでいた様子で、くつろいだ姿でいた。

「はぁい、カバネル。元気にしていたかしら?」

「ビアギッテ! 貴様、どうやってここに!?」

幹部であるカバネルは身辺警護に余念を欠かさなかった。にも関わらずどうやってか侵入し、自身の眼前にビアギッテが立っている。動揺は隠せなかった。

「答える必要なんて無いわ。どうせ貴方は死ぬのだから」

「ふん、たかが情婦に何ができる!」

そう言ってカバネルはサイドテーブルに置いてあった護身用の拳銃を手に取り、ビアギッテに向けて発砲しようとする。

その動きに並行するように、寝室に風を切る音が流れた。

カバネルの拳銃は床に落ちていた。

「あ、え、あ……ど、どうなっている?」

あまりにも一瞬で起きた事象に、カバネルは現実を認識できていない。

身を屈めて床に落ちた拳銃を拾おうとしたが、その拳銃の銃把には自分の手首から上がくっ付いている。

ようやく、カバネルは自分の手が何かによって切り落とされたことを認識した。

「あ、あ、俺、おれの手が、何故!? い、ぎ……」

「無駄よ」

乾いた銃声が二発響く。

ビアギッテは、カバネルに叫ぶ暇すら与えなかった。

 

侵入した時と同じように、ビアギッテはクーンの力で無事にカバネルの住居から逃げ延びた。

その帰りすがら、ビアギッテはふと思い立ったように口を開く。

「クーン、一つだけ隠していたことがあるわ」

「おや、それはどのようなことでしょうか?」

「私、死なないのよ。何年経ってもずっとこのままなの」

「なんと! それは素晴らしいことです」

逃亡生活の中で、ビアギッテはプライムワンに拾われる前の自分をぼんやりと思い出していた。

だが、クーンはそれ以上の事は聞かなかったし、ビアギッテもそれ以上何も言わなかった。

 

「ひ、やめ……! うぶっ……!」

カバネルを殺した後は、同じようにして己の顔を知る幹部達を次々と殺害していった。

クーンの力を使えばわざわざ彼らの所へ出向く必要もなかったが、彼らの傲慢な顔がみるみるうちに恐怖に染まっていくのを見るのが楽しくなっていた。

「おおお、オレは何もしていない! ぎゃあああああ!」

ある者は自身の潔白を証明しようとした。

「これをやる! なんならこの屋敷も、儂の全財産もやる! だ、だから!!!!」

ある者は金を差し出して命乞いをしようとした。

 

彼らの誤算は、ビアギッテが利権欲しさに殺戮を続けていると思ったことだ。

ビアギッテにとっては、誰が何を言おうが、どう抵抗しようが関係なかった。

彼女の頭には、自分の身を脅かそうとする者を例外なく殺すこと、それと殺戮を楽しむこと、この二つしかなかったのだ。

 

半月も経たぬ内に幹部が次々と殺害されたプライムワンは、混乱に陥っていた。

 

ビアギッテは最後の殺戮の場として、プライムワンの本部を選んだ。

クーンの力で、デラクルスのいる場所へと空間を渡る。そこはボスと幹部が大規模な会議を行う際に使う、大きな部屋の前であった。

ビアギッテは躊躇せずにその部屋の扉を開けた。

そこでは、生き残っていた幹部達とデラクルスが、殺された幹部の後釜についての話し合いをしている最中だった。

騒然となる室内。ビアギッテは部屋にいる者達を見回すと、最奥の中央に座るデラクルスに微笑みかけた。

「こんばんは、ボス」

「やはりお前か。ビアギッテ」

デラクルスは動じることなく、不遜に笑った。

「カバネルが最初にやられた時点で予想はしていた。だが、お前にここまでの力があるとはな」

「そう。じゃあ、これから何が起きるかもわかっていらっしゃいますわね?」

「ああ。だが俺もプライムワンのトップ。昔の女にやられたとあっちゃ面目が立たん。やれ!」

デラクルスの合図と共に、ビアギッテに向けて一斉に銃弾が発射される。

避ける暇など無い。ビアギッテはその身に全ての銃弾を受け、仰向けに倒れた。

ややあって銃声が収まる。倒れたビアギッテに立ち上がる気配は微塵もない。

「ふん。所詮はこの程度か。見込みのある女だと思ったのは、やはり見当違……。うぐっ……」

ビアギッテが死んだか確認しようとデラクルスが立ち上がったその時だった。

焼け付く痛みと共に、デラクルスの仕立ての良いスーツから血が滲む。

他の幹部も同様だった。ビアギッテが受けた銃弾の傷がそのまま彼らに転移したかのようだった。

「が、あが……!」

「ひ、いて、ああああああ!」

ボスと幹部の悲鳴と呻き声が部屋を埋め尽くす。そうして静かになった後、ビアギッテはゆらりと立ち上がった。

「これが私の力。気持ちよかったでしょう?」

「お見事です。ビアギッテ様」

「さ、行きましょ。ここにもう用はないわ」

デラクルス達のことなど見向きもせず、ビアギッテは扉を開け放った。

「そのようで。次は何をなさいますか?」

「家が欲しいわ。歴史があって綺麗な家なら最高よ」

「畏まりました。夕食の時間までには用意しましょう」

その言葉にビアギッテは笑みを浮かべ、部屋を後にする。

静かになった部屋の中には、血の海に倒れ付す幹部達とデラクルスが残された。

「—了—」