在某個很偏遠的國家中,有一個偏僻的鄉下小鎮叫萬魔鎮。
在那個城鎮的郊外,有一間又大又圓的屋子。
早晨的陽光照進了那個家的房間,音音夢小心翼翼地進入了房間。
在床上的是這個家的主人魔女伊芙琳,小聲發出酣睡聲沉睡著。
「老師,請起床了。已經早上了哦」
「唉呀……已經這個時間了啊……。早安,音音夢」
伊芙琳看起來雖然擁有少女的外貌,但其實已經活了千年以上,是一位相當偉大的好魔女。
音音夢作為魔女伊芙琳的弟子,然後也是小幫手的身份,忙碌地一起生活著。
「今天有誰要來呢?」
還沒完全睡醒的伊芙琳向音音夢問道。
「格雷巴赫大人馬上就要來了」
音音夢念著貼在軟木板上的便條紙,向伊芙琳傳達。
對與人類過著不一樣時間的魔女來說,人類的弟子是不可缺少的存在。
「喔……。我得去洗澡。其他事就麻煩妳了」
「好的」
幾乎每一天都有人來拜訪伊芙琳的家。
有時是這個國家的國王,有時是富裕的貴族,也有時是家裡有身患重病的人,各式各樣的人都有。
「音音夢,麻煩妳去幫我跑腿一下」
聽到伊芙琳的話,音音夢眼睛都發亮了起來。
對音音夢來說,去幫伊芙琳跑腿可是冒險開始的暗號。
|
「呼呼呼呼呼。有趣的秀要開始了」
不知是誰在喃喃自語著,那聲音就那樣溶解在黑暗之中。
|
「我出門了!」
音音夢與夥伴妖精C.C.一起出門去了。
這次的任務是要採取位在北方某座山上的『閃耀著七彩的花』
但是,往北方的山上途中有很多危險。
有住在山上的壞心丘丘人,和又大又可怕的植物會來搗亂。
「嘿嘿,七彩花可是本大人的東西!休想從這裡通過」
「你亂講!花才不是你的東西!」
「C.C.,不要受他的挑釁啊!」
壞心的丘丘人一邊跳著詭異的舞蹈,一邊用魔法對著音音夢她們攻擊。
「可惡!精靈小姐,拜託妳!」
音音夢也不服輸地,和好友妖精一起和丘丘人戰鬥。
「哇啊!你們做什麼!」
「我也不會輸的!」
從丘丘人的頭上冒起黑煙來。C.C.拿著小小把的槍,得意的說。
「見識到我的科學力了嗎!開玩笑的」
C.C.在妖精之中也算是腦袋特別好,且擁有大量非常強力的武器。
打贏壞心的丘丘人,音音夢與夥伴C.C.一起帶著『閃耀著七彩的花』回來了。
|
「謝謝,音音夢。妳做的很好」
「嘿嘿嘿」
被伊芙琳摸摸頭,音音夢不好意思了起來。
對音音夢來說,被偉大的魔女伊芙琳稱讚,是最高興的事。
|
音音夢作為伊芙琳的弟子,以及作為助手,勤奮的工作著。
有一天,一位少女來到伊芙琳的家。
「請妳回去吧。這裡沒有妳想要的東西」
但是伊芙琳看了一眼少女,就生氣地大聲說道。
「沒那回事。我想要的是妳啊」
「滾出去。說好不會干涉我們的」
「我怎麼可能會乖乖聽妳的話呢」
少女說完後就用手指彈出聲音。然後,伊芙琳就當場昏迷了。
原來少女擁有強大的力量,而且是個只拿這份力量來做壞事的魔女。
「老師!」
「妳重要的魔女我就帶走啦。啊哈哈哈哈哈哈哈哈」
然後,壞魔女就把伊芙琳帶走了。
「我得趕緊追上去!」
音音夢拼命地追在魔女後面。
|
「C.C.!不好了!我們得救救老師」
音音夢打算借助C.C.的力量,呼喊著C.C.。
但是不管等了多久C.C.都沒有出現。
雖然很在意為什麼C.C.沒有回應自己,但是必須盡早救出伊芙琳不可。所以音音夢就一個人去追壞魔女了。
追著魔女,接連遇到很多困苦的事。魔女的手下們不停歇地一直來妨礙。
壞心的丘丘人,也成為魔女的手下來阻礙。
|
「我不會對想違逆魔女大人的人手下留情的」
身體有一半是機械的少女,從手中發出魔法。
「直到我救到老師為止,我都不會放棄的!」
音音夢面對機械少女的猛烈攻擊,一點也不氣餒地叫出精靈來全力對戰。
「唔,到此為止了嗎……」
「老師,希望您平安無事」
抱著祈望的心情,音音夢向前繼續進。
|
在繁星閃耀的夜晚,音音夢終於到達壞魔女的城堡了。
「歡迎來到我的城堡」
壞魔女身後的棺木中,橫躺著伊芙琳。
「老師!?老師沒事吧!?」
「啊哈哈哈哈,妳說呢?」
壞魔女擺出誇大的姿勢笑著。
「老師!」
音音夢接近了伊芙琳。就在那時,伊芙琳的身體與噪音一起變成骰子的模樣,消失在空中了。
「妳把真正的老師藏到哪裡去了!?」
音音夢叫出精靈,打算向壞魔女施展魔法。
但是,精靈跟魔法,都變成了骰子消失了。
「討厭,妳還相信這個世界是現實嗎?啊哈哈哈哈哈,妳好奇怪啊!」
壞魔女持續笑著。
「什麼意思!?」
「這場遊戲已經結束了。媽媽,接下來我們要玩什麼好呢?我想玩更有趣的」
「為什麼要叫我媽媽?妳到底是誰!?」
「誰知道?話說媽媽妳,知道自己是誰嗎?」
「妳在說什麼啊?」
「我在問妳,分的清楚虛構與現實嗎」
|
壞魔女用手指彈出聲音後,魔女之城與伊芙琳跟精靈一樣,也變成骰子消失在空中了。
「什麼……這個……」
直到剛剛為止魔女之城外面都還是星光閃爍的夜晚,但是現在只是一個無限延展,什麼都沒有的黑暗空間了。
「這就是媽媽必須看的現實哦。不過妳不用擔心,我馬上就會帶妳去愉快的世界了」
「這個景色,我好像在哪裡看過……」
意識漸漸變得薄弱,音音夢一直聽著魔女那尖銳高亢的笑聲。
「這一次要準備什麼樣的秀呢?真是令人期待啊。妳說是不是啊?媽媽」
|
「−完−」
「まほう」
とあるおく深い国の、これまた田舎にある小さな町バンマタウン。
その町はずれに、まあるくて大きな家がありました。
朝の光が差しこむその家の部屋に、ネネムはそっと入っていきます。
ベッドにはこの家の主である魔女イヴリンが、小さなね息を立てながらねむっていました。
「せんせい、おきてください。あさですよぉ」
「あら……もうそんな時間なのね……。おはよう、ネネム」
イヴリンは少女のすがたをしていますが、実はもう千年以上の時を生きる、とてもえらくてよい魔女なのです。
ネネムはそんな魔女イヴリンの弟子として、それと、お手伝いさんとしていそがしくくらしていました。
「今日はだれが来るの?」
まだ少しねぼけた様子のイヴリンがネネムにたずねます。
「もうすぐグライバッハさまがおみえになるよていですぅ」
ネネムはコルクボードにはられたメモを読み、イヴリンに伝えました。
人とはちょっとちがう時間の流れを生きる魔女には、人間の弟子が欠かせません。
「そう……。おふろに入らないとね。準備をお願い」
「はぁい」
イヴリンの家には、毎日のように人がおとずれてきます。
それはこの国の王様であったり、お金持ちの貴族であったり、はたまた重い病に苦しむ人の家族であったりと様々です。
「ネネム、お使いに行ってきてちょうだい」
イヴリンの言葉に、ネネムは目をかがやかせます。
ネネムにとって、イヴリンのお使いはぼうけんの始まりの合図なのでした。
「うふふふふ。 楽しいショーの始まりよ」
誰かの呟きが、闇に溶け消えていきました。
「いってきまーす!」
ネネムはおとものよう精であるC.C.といっしょにお使いに出かけました。
今回のお使いは、北方にある山にさく『七色にかがやく花』をかごいっぱいに取ってくること。
だけど、北の山に向かう道にはきけんがいっぱいです。
山に住むイジワルな丘丘人や、大きくてこわい植物がじゃまをします。
「ケケッ、七色の花はオレッちのもんだ! ここは通さないよーん」
「なーに言ってるのよ! 花はあんただけのものじゃないでしょ!」
「C.C.、ちょうはつにのっちゃだめ!」
イジワルな丘丘人は、きみょうにおどりながらネネムたちを魔法でこうげきしてきます。
「もー! せいれいさん、おねがい!」
ネネムも負けじと、お友達の精れいといっしょに丘丘人と戦います。
「ギャーッ! 何をする!」
「わたしだってやるんだから!」
丘丘人の頭からけむりがあがります。C.C.が小さなてっぽうをもって得意げにしていました。
「わたしの科学力をみたか! なーんてね」
C.C.はよう精の中でもひときわ頭がよく、とても強い武器をたくさん持っているのでした。
イジワルな丘丘人にも負けず、ネネムはおとものC.C.と共に『七色にかがやく花』をとって帰ることができました。
「ありがとう、ネネム。よくがんばったわね」
「えへへ」
イヴリンに頭をなでられ、ネネムははにかみます。
ネネムにとって、えらい魔女であるイヴリンにほめられることはこの上ないよろこびでした。
ネネムはイヴリンの弟子として、そして助手として、かいがいしく働きます。
ある日、一人の少女がイヴリンの元をおとずれてきました。
「帰りなさい。ここにあなたの望むものなんてないわ」
ですが、イヴリンはその少女を一目みると、おこって大きな声を出しました。
「そんなことないわ。わたしがほしいのはあなたなの」
「出て行きなさい。わたしたちに関わらないと約束していたはずよ」
「おとなしく言うことを聞くわけないでしょう」
少女はそう言って指を鳴らします。すると、イヴリンはその場で気絶してしまいました。
少女は大きな力を持ちながらも、それを悪いことにしか使わない魔女だったのです。
「せんせい!」
「あなたの大事な魔女はもらっていくわ。あはははははははは」
そうして、悪い魔女はイヴリンをどこかへと連れ去っていきました。
「おいかけなきゃ!」
ネネムは必死で悪い魔女のあとを追いかけていきました。
「C.C.! たいへんなの! せんせいをたすけにいかなきゃ」
ネネムはC.C.の力を借りようと、C.C.をよび出します。
ですが、いつまでたってもC.C.が現れる気配はありません。
よびかけにこたえないC.C.のことは気になりましたが、早くイヴリンを助けなければいけません。ネネムは、ひとりで悪い魔女を追いかけることにしました。
魔女を追いかけることは、つらいことの連続でした。魔女の手下が休むことなくじゃまをしてくるのです。
イジワルな丘丘人も、悪い魔女の手先となって立ちはだかりました。
「魔女様に逆らう者には手かげんしない」
体の半分が機械でできた少女が、うでから魔法を打ち出します。
「せんせいをたすけるまで、ぜったいにあきらめないんだから!」
ネネムは機械の少女のはげしいこうげきにもめげずに、精れいをよび出して戦いました。
「くっ、ここまでか……」
「せんせい、どうかぶじでいてください」
いのるような気持ちで、ネネムは道を進んでいきます。
星がきれいにまたたく夜に、ようやくネネムは悪い魔女のおしろにたどり着くことができました。
「ようこそ、わたしのおしろへ」
悪い魔女の後ろにあるひつぎに、イヴリンが横たえられています。
「せんせいは!? せんせいはぶじなの!?」
「あはははは、どうかしら?」
悪い魔女は大げさな動作で笑いました。
「せんせい!」
ネネムがイヴリンに近づきます。ですがその時、イヴリンの身体はノイズと共にサイコロのような形となって空中に消えてしまいました。
「ほんもののせんせいをどこにかくしたの!?」
ネネムは精れいをよび出し、悪い魔女に魔法を放とうとします。
ですが、精れいも魔法も、すべてサイコロ状になって消えてしまいました。
「やだ、まだこの世界が現実だって信じてるの? あははははは、おっかしい!」
悪い魔女は笑い続けます。
「どういうこと!?」
「この遊びはもうおしまい。ママ、今度はどんな遊びにしよっか? もっと面白いものがいいわ」
「なんでわたしをママってよぶの? あなたはなんなの!?」
「さあ? ところでママは、自分が何者かわかっているの?」
「なにをいっているの?」
「虚構と現実の区別がついているのか、ってことよ」
悪い魔女が指を鳴らすと、魔女の城がイヴリンや精霊と同じように、サイコロ状に形を変えて空中に溶解した。
「なに……これ……」
さっきまで魔女の城の外は星が瞬く夜だったが、今は只、何も無い漆黒の空間が拡がっている。
「これがママの見るべき現実よ。でも安心して、すぐに楽しい世界に連れて行ってあげるから」
「わたしは、このけしきをどこかで……」
薄れゆく意識の中、ネネムは魔女の甲高い笑い声を聞き続けていた。
「次はどんなショーにしようかしら? 楽しみだわ。ねぇ、ママ」
「—了—」
とあるおく深い国の、これまた田舎にある小さな町バンマタウン。
その町はずれに、まあるくて大きな家がありました。
朝の光が差しこむその家の部屋に、ネネムはそっと入っていきます。
ベッドにはこの家の主である魔女イヴリンが、小さなね息を立てながらねむっていました。
「せんせい、おきてください。あさですよぉ」
「あら……もうそんな時間なのね……。おはよう、ネネム」
イヴリンは少女のすがたをしていますが、実はもう千年以上の時を生きる、とてもえらくてよい魔女なのです。
ネネムはそんな魔女イヴリンの弟子として、それと、お手伝いさんとしていそがしくくらしていました。
「今日はだれが来るの?」
まだ少しねぼけた様子のイヴリンがネネムにたずねます。
「もうすぐグライバッハさまがおみえになるよていですぅ」
ネネムはコルクボードにはられたメモを読み、イヴリンに伝えました。
人とはちょっとちがう時間の流れを生きる魔女には、人間の弟子が欠かせません。
「そう……。おふろに入らないとね。準備をお願い」
「はぁい」
イヴリンの家には、毎日のように人がおとずれてきます。
それはこの国の王様であったり、お金持ちの貴族であったり、はたまた重い病に苦しむ人の家族であったりと様々です。
「ネネム、お使いに行ってきてちょうだい」
イヴリンの言葉に、ネネムは目をかがやかせます。
ネネムにとって、イヴリンのお使いはぼうけんの始まりの合図なのでした。
「うふふふふ。 楽しいショーの始まりよ」
誰かの呟きが、闇に溶け消えていきました。
「いってきまーす!」
ネネムはおとものよう精であるC.C.といっしょにお使いに出かけました。
今回のお使いは、北方にある山にさく『七色にかがやく花』をかごいっぱいに取ってくること。
だけど、北の山に向かう道にはきけんがいっぱいです。
山に住むイジワルな丘丘人や、大きくてこわい植物がじゃまをします。
「ケケッ、七色の花はオレッちのもんだ! ここは通さないよーん」
「なーに言ってるのよ! 花はあんただけのものじゃないでしょ!」
「C.C.、ちょうはつにのっちゃだめ!」
イジワルな丘丘人は、きみょうにおどりながらネネムたちを魔法でこうげきしてきます。
「もー! せいれいさん、おねがい!」
ネネムも負けじと、お友達の精れいといっしょに丘丘人と戦います。
「ギャーッ! 何をする!」
「わたしだってやるんだから!」
丘丘人の頭からけむりがあがります。C.C.が小さなてっぽうをもって得意げにしていました。
「わたしの科学力をみたか! なーんてね」
C.C.はよう精の中でもひときわ頭がよく、とても強い武器をたくさん持っているのでした。
イジワルな丘丘人にも負けず、ネネムはおとものC.C.と共に『七色にかがやく花』をとって帰ることができました。
「ありがとう、ネネム。よくがんばったわね」
「えへへ」
イヴリンに頭をなでられ、ネネムははにかみます。
ネネムにとって、えらい魔女であるイヴリンにほめられることはこの上ないよろこびでした。
ネネムはイヴリンの弟子として、そして助手として、かいがいしく働きます。
ある日、一人の少女がイヴリンの元をおとずれてきました。
「帰りなさい。ここにあなたの望むものなんてないわ」
ですが、イヴリンはその少女を一目みると、おこって大きな声を出しました。
「そんなことないわ。わたしがほしいのはあなたなの」
「出て行きなさい。わたしたちに関わらないと約束していたはずよ」
「おとなしく言うことを聞くわけないでしょう」
少女はそう言って指を鳴らします。すると、イヴリンはその場で気絶してしまいました。
少女は大きな力を持ちながらも、それを悪いことにしか使わない魔女だったのです。
「せんせい!」
「あなたの大事な魔女はもらっていくわ。あはははははははは」
そうして、悪い魔女はイヴリンをどこかへと連れ去っていきました。
「おいかけなきゃ!」
ネネムは必死で悪い魔女のあとを追いかけていきました。
「C.C.! たいへんなの! せんせいをたすけにいかなきゃ」
ネネムはC.C.の力を借りようと、C.C.をよび出します。
ですが、いつまでたってもC.C.が現れる気配はありません。
よびかけにこたえないC.C.のことは気になりましたが、早くイヴリンを助けなければいけません。ネネムは、ひとりで悪い魔女を追いかけることにしました。
魔女を追いかけることは、つらいことの連続でした。魔女の手下が休むことなくじゃまをしてくるのです。
イジワルな丘丘人も、悪い魔女の手先となって立ちはだかりました。
「魔女様に逆らう者には手かげんしない」
体の半分が機械でできた少女が、うでから魔法を打ち出します。
「せんせいをたすけるまで、ぜったいにあきらめないんだから!」
ネネムは機械の少女のはげしいこうげきにもめげずに、精れいをよび出して戦いました。
「くっ、ここまでか……」
「せんせい、どうかぶじでいてください」
いのるような気持ちで、ネネムは道を進んでいきます。
星がきれいにまたたく夜に、ようやくネネムは悪い魔女のおしろにたどり着くことができました。
「ようこそ、わたしのおしろへ」
悪い魔女の後ろにあるひつぎに、イヴリンが横たえられています。
「せんせいは!? せんせいはぶじなの!?」
「あはははは、どうかしら?」
悪い魔女は大げさな動作で笑いました。
「せんせい!」
ネネムがイヴリンに近づきます。ですがその時、イヴリンの身体はノイズと共にサイコロのような形となって空中に消えてしまいました。
「ほんもののせんせいをどこにかくしたの!?」
ネネムは精れいをよび出し、悪い魔女に魔法を放とうとします。
ですが、精れいも魔法も、すべてサイコロ状になって消えてしまいました。
「やだ、まだこの世界が現実だって信じてるの? あははははは、おっかしい!」
悪い魔女は笑い続けます。
「どういうこと!?」
「この遊びはもうおしまい。ママ、今度はどんな遊びにしよっか? もっと面白いものがいいわ」
「なんでわたしをママってよぶの? あなたはなんなの!?」
「さあ? ところでママは、自分が何者かわかっているの?」
「なにをいっているの?」
「虚構と現実の区別がついているのか、ってことよ」
悪い魔女が指を鳴らすと、魔女の城がイヴリンや精霊と同じように、サイコロ状に形を変えて空中に溶解した。
「なに……これ……」
さっきまで魔女の城の外は星が瞬く夜だったが、今は只、何も無い漆黒の空間が拡がっている。
「これがママの見るべき現実よ。でも安心して、すぐに楽しい世界に連れて行ってあげるから」
「わたしは、このけしきをどこかで……」
薄れゆく意識の中、ネネムは魔女の甲高い笑い声を聞き続けていた。
「次はどんなショーにしようかしら? 楽しみだわ。ねぇ、ママ」
「—了—」