被布列依斯一劍砍成兩半,分成左右兩半的青蛙怪物殘骸掉落在地面。
確認不會再有其他的怪物襲來之後,布列依斯收起了劍。
「你……你看起來可真慘呢」
在這連寒暖接替都曖昧不清的世界。布列依斯等人所在的場所,可以說是宛如烈日當空般的炎熱。
在這裡,全副武裝來進行戰鬥的話,會變得如何呢。
在激烈的戰鬥下取得勝利的布列依斯,全身都因汗水而濕透了。
本來就穿得相當多又加上在這樣的烈日下。不流汗才是不可思議吧。
牽著人偶手的瑪爾瑟斯大概是因為看到這樣的布列依斯,就用視線指向附近的湖。
「在那隻青蛙跳出來的湖泊沖掉汗水吧。嗯,我們也過去吧。這臭氣實在讓人無法忍耐」
瑪爾瑟斯用袖子摀著鼻子。
因為把精神都集中在戰鬥上,所以沒有注意到青蛙怪物的體液,早已因炎熱的地面而開始汽化,釋放出了用言語無法形容的惡臭。
「……也是。就這麼做吧」
布列依斯也因為臭氣而皺起眉頭,就跟著瑪爾瑟斯他們一同走向湖泊。
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湖水清澈透明,非常地乾淨。
在稍微遠離了一點後,那刺鼻的體液惡臭處似乎也聞不太到了。
瑪爾瑟斯跟人偶在樹蔭下乘涼。
雖然他沒有參與戰鬥,但其實也穿得跟布列依斯差不多厚重,但瑪爾瑟斯卻一滴汗也沒流。
輕鬆的表情與那沉著冷靜的樣子,讓人感覺不是很好,布列依斯在岸邊蹲下,捧起水來往臉上潑。
冰涼的冷水把布列依斯的汗都沖掉。同時,那股清涼似乎也帶走了身上的熱度。
重複幾次同樣的動作後,布列依斯抬起了頭。
布列依斯就這麼凝視著被盛夏陽光照耀,而閃閃發光的湖面。
就在看著湖面的時候,某一段像霞靄般模糊不清的記憶,冷不防地被喚起了。
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使人怠惰的悶熱夏日。布列依斯帶著梅莉雅一同來到家附近的湖泊遊玩。
記得好像是被受不了這份炎熱的梅莉雅央求的結果。
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「哥哥也一起下來吧!很舒服哦!」
布列依斯才剛到湖邊,穿著泳裝的梅莉雅早已將腳踏入水中。
或許是因為太興奮了吧。沒有把鞋子,衣服好好地疊放在湖岸邊,而是散亂地丟在一旁。
布列依斯看著這樣的情況,一邊苦笑,一邊為了不讓衣服跟鞋子濕掉,而把他們收進袋子裡。
一邊注意著不要讓梅莉雅溺水,布列依斯也把腳伸進水中納涼。
樹蔭跟水的冰涼,似乎大大地緩和了悶熱。
──唰。
突然間,布列依斯的臉上被潑灑了些許的水花。
雖然沒有到濕透的程度,但也讓疏忽大意的布列依斯感到非常吃驚。
「!?」
「哈哈哈,哥哥溼透了!」
在訝異而恍神的布列依斯面前,站著因達到目的而大笑著的梅莉雅。
「真是的……」
布列依斯雖然嚇到了,不過重新振作後,就脫掉了被弄濕的上衣進到水中。
「看我的」
「呀,好冰喔-」
不斷被潑水而高興的放聲大叫的梅莉雅,也不甘示弱的往布列依斯的身上潑著水。
互相潑水下兩個人幾乎是全身濕透的狀態,布列依斯注意到,梅莉雅的臉色有點微微地發青。
可能是因為玩太久了。比布列依斯待在水裡的時間還長的梅莉雅似乎著涼了。
這麼說來,太陽也快要下山了。不斷吹拂而來的微風也開始變冷了。
「還好嗎?來,先上岸吧」
牽起了正打了一個小噴嚏的梅莉雅從水裡上來後,用帶來的毛巾以不傷害到梅莉雅頭髮的程度,小心呵護地擦拭著。
「謝謝你,哥哥」
雖然是背對著看不到表情,不過那個聲音之中有著愉快的感覺。
「真是的。覺得冷不說出來是不行的哦?會感冒的」
「對不起嘛。因為真的好開心嘛」
梅莉雅率直地道了歉。只要一玩起來,就會忘記注意自己的身體。
布列依斯覺得自己是不是有點說過頭了。
「哥哥。下次再一起來玩吧」
在夕陽染紅的回程中,梅莉雅向布列依斯問道。
「嗯,天熱時再來吧。但下次一覺得冷,要馬上說哦」
「嗯!謝謝!」
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那是個平淡的日常。只是個經過幾年就會隨風而去的日常。
但,是個平凡又洋溢著幸福的記憶。
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臉也乾的差不多了,布列依斯站了起來。
為了要取回那時的幸福,是沒有時間悠閒地留在這裡的。
布列依斯走向不發一語的人偶與瑪爾瑟斯在等待的地方。
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「─完─」
「水辺の夢」
ブレイズの剣に一刀両断され、縦に真っ二つとなったカエルの化け物の残骸が地面に落ちる。
これ以上何者も襲ってこないことを気配で確認すると、ブレイズは剣を収めた。
「貴公……酷い顔をしているな」
寒暖さえ曖昧な継ぎ接ぎの世界。ブレイズ達のいる場所は、さながら炎天下といった有様であった。
そんな場所で、武装して戦えばどうなるか。
激しい戦闘の末に勝利したブレイズは、汗に塗れていた。
元々かなり着込んでいる上にこの炎天下である。汗をかかない方が不思議なくらいであった。
そんな状態のブレイズを見かねたのか、人形の手を引いていたマルセウスが近くの湖を視線で示した。
「あのカエルが飛び出してきた湖で汗を流すと良いだろう。ああ、我々も行くぞ。 この臭気、到底耐え切れるものではないからな」
マルセウスが鼻の辺りを服の袖で覆う。
戦闘に集中していたため気付かなかったが、カエルの化け物の体液は熱された地面の上で気化し、何とも言えない酷い臭いを放っていた。
「……そうだな。 行くとしよう」
臭気に顔を顰めながら、ブレイズはマルセウス達と共に湖へと向かった。
湖の水は透き通っており、とても綺麗だった。
鼻を突く体液の臭いも、少し離れれば感じられなくなっていた。
マルセウスと人形は木陰で涼んでいる。
戦闘に出ていなかったとはいえ、同じように着込んでいるにもかかわらず、マルセウスは汗一つかいていない。
涼しげな顔で平然としている様子に何か釈然としないものを感じたが、ブレイズは岸辺に屈み込むと、水を掬い上げて顔に掛けた。
冷たい水がブレイズの汗を流していく。同時に、冷たさで汗も引いていくような気がした。
幾度かそれを繰り返し、顔を上げる。
真夏のような日差しに照らされ、キラキラと光る湖面をブレイズは見つめていた。
湖面を見つめるうちに、霞が掛かったようにぼんやりとしていた記憶の一つが、不意に蘇ってきた。
うだるような暑い日。ブレイズはメリアを連れて家の近くにある湖に遊びに来ていた。
あまりの暑さに耐え切れなかったメリアにせがまれたような気がする。
「兄さんも入ろう! とっても気持ち良いよ!」
ブレイズが湖に到着すると、すでに水着になったメリアが水の中に足をつけていた。
気持ちが逸りすぎたのだろう。靴や服が、湖の岸辺に畳まれることなく散らばっていた。
ブレイズはその様子に苦笑しつつ、服と靴が濡れないようにバッグに収めた。
メリアが溺れたりしないように注意しつつ、ブレイズも足を水につけて涼を取る。
木陰と水の冷たさで、暑さはだいぶ和らいだように思えた。
——ぱしゃっ。
突然、ブレイズの顔に水が掛けられた。
大して濡れはしなかったが、完全に油断していたブレイズが吃驚するには十分だった。
「!?」
「あははは、兄さんずぶ濡れー!」
呆然とするブレイズの正面に、してやったりと笑っているメリアが立っている。
「まったく……」
ブレイズは一瞬呆れたような顔をしたが、気を取り直すと、濡れてしまった上着を脱いで水に入った。
「そらっ」
「きゃっ、冷たーい!」
水を掛け返され、楽しそうに悲鳴を上げると、メリアは負けじとブレイズに水を掛けた。
水の掛け合いでお互い濡れていないところが無い程になってしまった頃、メリアの顔が少し青くなっていることに気が付いた。
長い間遊んでいたようだ。ブレイズよりも長く水の中にいたメリアが冷えてしまったのも、頷けることであった。
そういえば、日もかなり傾いてきている。もうじき風も冷たくなるだろう。
「大丈夫か? ほら、一度あがろう」
小さくくしゃみをするメリアの手を引いて水から上がらせると、持って来たタオルでメリアの髪を傷めないように優しく拭いた。
「ありがとう、兄さん」
背を向けているので表情こそわからなかったが、その言葉には嬉しそうな響きがあった。
「まったく。 寒くなったらちゃんと言わないと駄目だろう? 風邪を引いてしまうぞ」
「ごめんなさい。 だって、楽しかったんだもの」
素直に謝る言葉が返ってくる。夢中になると、自分の体のことには気が付かないものだ。
少々お小言じみてしまったかと、ブレイズは思った。
「ねえ、兄さん。 また遊びにこようね」
夕景色の帰り道で、メリアはブレイズに問い掛けた。
「ああ、暑いときはまた来よう。 ただし、今度は寒くなったらちゃんと言うんだぞ」
「うん! ありがとう!」
何気ない日常だった。何年か経てば風化してしまう程度の些細な日常だった。
だが、平凡で幸せに満ち溢れていた記憶だった。
顔を拭うのもそこそこに、ブレイズは立ち上がった。
幸せだったあの時を取り戻すためには、のんびりと立ち止まってはいられない。
ブレイズは物言わぬ人形とマルセウスの待つ場所へ戻っていった。
「—了—」
ブレイズの剣に一刀両断され、縦に真っ二つとなったカエルの化け物の残骸が地面に落ちる。
これ以上何者も襲ってこないことを気配で確認すると、ブレイズは剣を収めた。
「貴公……酷い顔をしているな」
寒暖さえ曖昧な継ぎ接ぎの世界。ブレイズ達のいる場所は、さながら炎天下といった有様であった。
そんな場所で、武装して戦えばどうなるか。
激しい戦闘の末に勝利したブレイズは、汗に塗れていた。
元々かなり着込んでいる上にこの炎天下である。汗をかかない方が不思議なくらいであった。
そんな状態のブレイズを見かねたのか、人形の手を引いていたマルセウスが近くの湖を視線で示した。
「あのカエルが飛び出してきた湖で汗を流すと良いだろう。ああ、我々も行くぞ。 この臭気、到底耐え切れるものではないからな」
マルセウスが鼻の辺りを服の袖で覆う。
戦闘に集中していたため気付かなかったが、カエルの化け物の体液は熱された地面の上で気化し、何とも言えない酷い臭いを放っていた。
「……そうだな。 行くとしよう」
臭気に顔を顰めながら、ブレイズはマルセウス達と共に湖へと向かった。
湖の水は透き通っており、とても綺麗だった。
鼻を突く体液の臭いも、少し離れれば感じられなくなっていた。
マルセウスと人形は木陰で涼んでいる。
戦闘に出ていなかったとはいえ、同じように着込んでいるにもかかわらず、マルセウスは汗一つかいていない。
涼しげな顔で平然としている様子に何か釈然としないものを感じたが、ブレイズは岸辺に屈み込むと、水を掬い上げて顔に掛けた。
冷たい水がブレイズの汗を流していく。同時に、冷たさで汗も引いていくような気がした。
幾度かそれを繰り返し、顔を上げる。
真夏のような日差しに照らされ、キラキラと光る湖面をブレイズは見つめていた。
湖面を見つめるうちに、霞が掛かったようにぼんやりとしていた記憶の一つが、不意に蘇ってきた。
うだるような暑い日。ブレイズはメリアを連れて家の近くにある湖に遊びに来ていた。
あまりの暑さに耐え切れなかったメリアにせがまれたような気がする。
「兄さんも入ろう! とっても気持ち良いよ!」
ブレイズが湖に到着すると、すでに水着になったメリアが水の中に足をつけていた。
気持ちが逸りすぎたのだろう。靴や服が、湖の岸辺に畳まれることなく散らばっていた。
ブレイズはその様子に苦笑しつつ、服と靴が濡れないようにバッグに収めた。
メリアが溺れたりしないように注意しつつ、ブレイズも足を水につけて涼を取る。
木陰と水の冷たさで、暑さはだいぶ和らいだように思えた。
——ぱしゃっ。
突然、ブレイズの顔に水が掛けられた。
大して濡れはしなかったが、完全に油断していたブレイズが吃驚するには十分だった。
「!?」
「あははは、兄さんずぶ濡れー!」
呆然とするブレイズの正面に、してやったりと笑っているメリアが立っている。
「まったく……」
ブレイズは一瞬呆れたような顔をしたが、気を取り直すと、濡れてしまった上着を脱いで水に入った。
「そらっ」
「きゃっ、冷たーい!」
水を掛け返され、楽しそうに悲鳴を上げると、メリアは負けじとブレイズに水を掛けた。
水の掛け合いでお互い濡れていないところが無い程になってしまった頃、メリアの顔が少し青くなっていることに気が付いた。
長い間遊んでいたようだ。ブレイズよりも長く水の中にいたメリアが冷えてしまったのも、頷けることであった。
そういえば、日もかなり傾いてきている。もうじき風も冷たくなるだろう。
「大丈夫か? ほら、一度あがろう」
小さくくしゃみをするメリアの手を引いて水から上がらせると、持って来たタオルでメリアの髪を傷めないように優しく拭いた。
「ありがとう、兄さん」
背を向けているので表情こそわからなかったが、その言葉には嬉しそうな響きがあった。
「まったく。 寒くなったらちゃんと言わないと駄目だろう? 風邪を引いてしまうぞ」
「ごめんなさい。 だって、楽しかったんだもの」
素直に謝る言葉が返ってくる。夢中になると、自分の体のことには気が付かないものだ。
少々お小言じみてしまったかと、ブレイズは思った。
「ねえ、兄さん。 また遊びにこようね」
夕景色の帰り道で、メリアはブレイズに問い掛けた。
「ああ、暑いときはまた来よう。 ただし、今度は寒くなったらちゃんと言うんだぞ」
「うん! ありがとう!」
何気ない日常だった。何年か経てば風化してしまう程度の些細な日常だった。
だが、平凡で幸せに満ち溢れていた記憶だった。
顔を拭うのもそこそこに、ブレイズは立ち上がった。
幸せだったあの時を取り戻すためには、のんびりと立ち止まってはいられない。
ブレイズは物言わぬ人形とマルセウスの待つ場所へ戻っていった。
「—了—」