地下室。在隆茲布魯王國城市造成騷動的連續殺人犯的頭顱,以幾條像是絲一般的東西連接在奇妙的機械上。這機械似乎是直到剛剛都還在運轉的樣子。是以從前工程師們的技術所製造出來可以窺探他人記憶的機械。雖然是只要留有頭部就能對死者使用的好物品,但現在還偷偷保有的人大概只有洛斐恩了吧。
「派不上用場的機械。這真的有在動嗎?」
「機械沒有問題。跟我一樣看起來雖老但動起來是非常棒的」
王子對老人的貧嘴毫無反應。
「嘛,本人也不知道的事想找也找不出來的。只能說幕後黑手也不是個笨蛋吧」
頭顱跟染血的男子與老人,儘管身處在這奇異的場景裡,兩人的對話氣氛卻依舊還有著樂在其中的感覺。
「給衣服又出錢的無差別殺人委託。真是奇怪的事」
「也是有單純以殺人為興趣並以此為樂的人。比起來就不奇怪了」
洛斐恩的玩笑再度被無視。
「是說,這服裝還真是怎麼看都像王子的東西」
攤開包頭顱所使用的犯人上衣,仔細的查看著。雖然被血給染到不少,但那不是該注意的點。
「一樣的。就是我的東西」
先不論家臣跟臣民的評價,這可是一國的王子所穿的衣服,可不是那麼簡單就能取得的東西。當然價格也高。
「這個委託人,說不定就在自己身邊。有什麼頭緒了嗎?」
「哪知道啊、太多了」
古魯瓦爾多聳肩回答道。
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隔天,發現並叫住在城內移動的以凱烏斯為首的家臣團後,將頭顱跟包著的上衣一起丟到了凱烏斯他們的腳邊。
隨著開始腐爛的頭顱出現在眾人面前,惡臭也同時擴散了開來。
「嗚」
家臣的一人不由自主地發出聲音,其他人也對眼前的事物與惡臭感到不快。
「事件的犯人我處理掉了。城市裡不會在發生那種事。也傳達給臣民們知道吧」
「殿下特地自己去找出來的嗎?這還真是……」
凱烏斯卿的表情瞬間卡住,說不出話來。
「沒什麼要說的嗎?」
「真是抱歉。竟然懷疑了殿下。不論是任何處罰我都會接受」
凱烏斯凝視著王子,淡淡的說道。
其他的家臣沒有那個像是在敵視古魯瓦爾多般尖銳的感覺了。而是只有在害怕自己是不是也會遇到這種凶事的樣子。
「沒有,完全沒有。取而代之的是那個頭顱就交給你了。把它裝飾起來吧」
王子放著一臉呆樣的家臣團離開了這個地方。
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「家臣們說了些什麼?」
才剛進入地下室洛斐恩就搭話過來。
「什麼也沒有」
「嘛,因為對他們來說認為自己都是在作正確的事。不管幕後指使的是誰,肯定是認為你非常礙眼的人」
「只要我消失的話,就好了是吧」
「差不多就是這樣」
「早知道會持續這種無聊的鬧劇的話,還是不要回來的好」
「也不是這樣說的」
「適合你的工作,或者是說王族的義務差不多該來臨了」
幾天過後。魯比歐那的特使來到了王國中。是來請求出援兵幫助魯比歐那的。
家臣也聚集起來,在王子的面前進行著會議。
「也就是古朗德利尼亞開始有所行動了吧」
「是的。終於掌握到開始向魯比歐那進軍的情報了」
「要是魯比歐那被攻陷的話。我們的國家也不會沒事的吧。與他們國家也是長久以來的同盟了」
「我們的國家已經做好準備。只要一個禮拜就能準備一定規模的派兵」
「首先要將先遣隊……」
古魯瓦爾多坐在王座上,靜靜地觀察著家臣團進行會議的樣子。
「先遣隊也算上我吧」
王子小聲的在會議中發言。
「以國王陛下現在的狀態,殿下還要親自前往戰場什麼的,實在是太離譜了」
雖然周遭的臣子雖然想要這樣進言時,卻被洛斐恩切進來說道。
「王子表達出自己雖然還年輕卻也想要親身面對國難的意志。這邊就順著王子的意將王子派往前線吧」
家臣團就沉默了下來。
「凱烏斯,城裡就交給你了」
王子對沒有對提案表達出意見的凱烏斯卿這樣說道後,坐回了王座。
「聽您的吩咐」
凱烏斯殷勤地回答道。
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招集兵力需要五天。從王國中招集的士兵們組成隊列整齊的排著。以遠征軍來說是從建國以來首次的大規模。
「古朗德利尼亞帝國開始侵攻魯比歐那聯合王國,在世界裡擴散著不必要的混亂!」
「不能就這樣不顧自古以來的友邦之國。我們隆茲布魯王國,將與魯比歐那聯合國共同打倒帝國!」
「打倒帝國!」「打倒帝國!」「打倒帝國!」
士兵們以雄叫回應著大聲喊話的兵團長。古魯瓦爾多一直保持著閉目養神的狀態。
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洛斐恩一邊看著出兵式一邊小聲說道
「王子的力量,就讓大家好好見識一番吧」
|
「-完-」
3392年 「死地」
地下室。ロンズブラウ王国城下を騒がせた連続殺人犯の首は、複数の糸のようなものによって奇妙な機械に繋がれている。その機械はつい先程まで稼働していたようだ。その昔、エンジニア達の技術で製造されたという、他者の記憶を覗ける機械。頭部さえあれば死者に対しても使用可能な代物であったが、こんな代物を隠し持っているのは、地上ではローフェンぐらいなものであろう。
「役に立たぬ機械だ。 本当に動いているのか?」
「機械に問題はありません。私と同じで見た目は古ぼけているが、動きはすばらしい」
王子は老人の軽口には無反応だった。
「まあ、本人の知らぬものは引き出しようがありませんな。 黒幕も馬鹿ではないということでしょう」
首と返り血を浴びた男と老人、異様な光景であるにも関わらず、二人はどこか楽しげな雰囲気すら漂わせている。
「服と金を渡し、無差別殺人を依頼する。奇妙な話だ」
「趣味で人を殺すのを楽しむ者もいます。 それに比べれば奇妙ではありますまい」
ローフェンの冗談はまたも無視された。
「しかし、この服は殿下のものと見紛わんばかり」
首を包むのに使用していた犯人の上着を広げ、まじまじと見つめる。血によって汚れているが、注目すべき点はそこではない。
「同じだ。私のものとな」
家臣や臣民の評価はどうあれ、一国の王子が着る衣類だ。そう簡単に手に入るようなものではない。もちろん値も張る。
「この依頼主、意外と身近な所にいるのかもしれませんな。差し当たって心当たりはございますか?」
「さて、多すぎてわからんな」
グリュンワルドは肩を竦めて答えた。
翌日、城内を移動中のガイウスをはじめとした家臣団を見つけたグリュンワルドは、彼らを呼び止めると、首を包んだ上着ごとをその足下へ放り投げた。
腐りかけの首が姿を現すと共に、悪臭が辺りに広がる。
「ひっ」
家臣の一人が思わず声をあげ、他の者も眼前の光景と悪臭に顔を顰める。
「件の犯人は始末しておいた。もう城下であの様な事は起こるまい。臣民にも伝えておくといい」
「わざわざ殿下ご自身が探し出したのですか? これは……」
ガイウス卿の表情は一瞬こわばり、言葉に詰まった。
「何か言うことはないのか?」
「誠に申し訳ございません。 殿下を疑っておりました。 何か処罰をお望みであれば、何であれ受け入れます」
ガイウスは王子を見つめ、淡々と言い放った。
他の家臣達の表情にはグリュンワルドを敵視するような鋭いものはなかった。自分にこの凶事が降りかかるのではないかと怯えているようだった。
「いや、何も無い。 代わりにその首をお前にやる。飾っておけ」
王子は呆然とする家臣団を置いて、その場を去った。
「家臣達はなんと申しておりましたか?」
地下室に入るや否や、ローフェンが話し掛けてくる。
「なにも」
「まあ、彼等は自分達が正しいことをしていると思っているのですからな。誰の差し金であれ、あなたが目障りでしかたない」
「私がいなくなれば、それでいいわけだ」
「まあ、そういうことですな」
「こんなくだらん茶番が続くなら、国に戻らぬほうがよかったか」
「そうとも言えません」
「あなたに相応しい仕事、いや、王族の務めがそろそろやってきます」
幾日かが過ぎた後、王国にルビオナからの特使がやってきた。ルビオナへの援軍要請だった。
家臣団は集まり、王子の前で会議をしている。
「グランデレニアが動き出したという事か」
「ええ。ついにルビオナ方面へも乗り出すという情報を掴んだようです」
「ルビオナが落ちれば我が国も無事ではすまないでしょう。彼の国とは古くからの同盟国でもあります」
「我が国も既に準備はできています。一週間もあれば、一定規模の派兵準備は整いましょう」
「まずは先遣隊を……」
グリュンワルドは玉座に座り、家臣団の行っている会議の様子を静かに眺めていた。
「先遣隊には私も加わろう」
王子は呟くように会議で言葉を発した。
「国王陛下が現在のような状態で殿下が戦地に赴かれるなど、滅相もございません」
周りの臣下が諫めようとするが、ローフェンが割って入る。
「殿下は若いながらも自ら国難に立ち向かおうというのです。ここは殿下を送り出しましょう」
家臣団は押し黙った。
「ガイウス。留守は頼んだぞ」
提案に無言を通していたガイウス卿へ王子は声を掛け、玉座を立った。
「御意のとおり」
慇懃にガイウスは言葉を返した。
兵の招集には五日を要した。王国中より招集された兵達が隊列を組んで並ぶ。遠征軍としては建国以来の規模である。
「グランデレニア帝國はルビオナ連合王国に侵攻を開始し、世界に不要な混乱を撒き散らしている!」
「古くからの友邦たる国を放っておくことはできぬ。我らロンズブラウ王国、ルビオナ連合王国と共に帝國を打ち倒そうぞ!」
「帝國に死を!」「帝國に死を!」「帝國に死を!」
声を張り上げる兵団長に対し、兵達が雄叫びをもって答える。グリュンワルドはずっと瞑目していた。
出兵式を眺めながらローフェンは呟いた
「殿下の力、皆に見せつけましょうぞ」
「—了—」
地下室。ロンズブラウ王国城下を騒がせた連続殺人犯の首は、複数の糸のようなものによって奇妙な機械に繋がれている。その機械はつい先程まで稼働していたようだ。その昔、エンジニア達の技術で製造されたという、他者の記憶を覗ける機械。頭部さえあれば死者に対しても使用可能な代物であったが、こんな代物を隠し持っているのは、地上ではローフェンぐらいなものであろう。
「役に立たぬ機械だ。 本当に動いているのか?」
「機械に問題はありません。私と同じで見た目は古ぼけているが、動きはすばらしい」
王子は老人の軽口には無反応だった。
「まあ、本人の知らぬものは引き出しようがありませんな。 黒幕も馬鹿ではないということでしょう」
首と返り血を浴びた男と老人、異様な光景であるにも関わらず、二人はどこか楽しげな雰囲気すら漂わせている。
「服と金を渡し、無差別殺人を依頼する。奇妙な話だ」
「趣味で人を殺すのを楽しむ者もいます。 それに比べれば奇妙ではありますまい」
ローフェンの冗談はまたも無視された。
「しかし、この服は殿下のものと見紛わんばかり」
首を包むのに使用していた犯人の上着を広げ、まじまじと見つめる。血によって汚れているが、注目すべき点はそこではない。
「同じだ。私のものとな」
家臣や臣民の評価はどうあれ、一国の王子が着る衣類だ。そう簡単に手に入るようなものではない。もちろん値も張る。
「この依頼主、意外と身近な所にいるのかもしれませんな。差し当たって心当たりはございますか?」
「さて、多すぎてわからんな」
グリュンワルドは肩を竦めて答えた。
翌日、城内を移動中のガイウスをはじめとした家臣団を見つけたグリュンワルドは、彼らを呼び止めると、首を包んだ上着ごとをその足下へ放り投げた。
腐りかけの首が姿を現すと共に、悪臭が辺りに広がる。
「ひっ」
家臣の一人が思わず声をあげ、他の者も眼前の光景と悪臭に顔を顰める。
「件の犯人は始末しておいた。もう城下であの様な事は起こるまい。臣民にも伝えておくといい」
「わざわざ殿下ご自身が探し出したのですか? これは……」
ガイウス卿の表情は一瞬こわばり、言葉に詰まった。
「何か言うことはないのか?」
「誠に申し訳ございません。 殿下を疑っておりました。 何か処罰をお望みであれば、何であれ受け入れます」
ガイウスは王子を見つめ、淡々と言い放った。
他の家臣達の表情にはグリュンワルドを敵視するような鋭いものはなかった。自分にこの凶事が降りかかるのではないかと怯えているようだった。
「いや、何も無い。 代わりにその首をお前にやる。飾っておけ」
王子は呆然とする家臣団を置いて、その場を去った。
「家臣達はなんと申しておりましたか?」
地下室に入るや否や、ローフェンが話し掛けてくる。
「なにも」
「まあ、彼等は自分達が正しいことをしていると思っているのですからな。誰の差し金であれ、あなたが目障りでしかたない」
「私がいなくなれば、それでいいわけだ」
「まあ、そういうことですな」
「こんなくだらん茶番が続くなら、国に戻らぬほうがよかったか」
「そうとも言えません」
「あなたに相応しい仕事、いや、王族の務めがそろそろやってきます」
幾日かが過ぎた後、王国にルビオナからの特使がやってきた。ルビオナへの援軍要請だった。
家臣団は集まり、王子の前で会議をしている。
「グランデレニアが動き出したという事か」
「ええ。ついにルビオナ方面へも乗り出すという情報を掴んだようです」
「ルビオナが落ちれば我が国も無事ではすまないでしょう。彼の国とは古くからの同盟国でもあります」
「我が国も既に準備はできています。一週間もあれば、一定規模の派兵準備は整いましょう」
「まずは先遣隊を……」
グリュンワルドは玉座に座り、家臣団の行っている会議の様子を静かに眺めていた。
「先遣隊には私も加わろう」
王子は呟くように会議で言葉を発した。
「国王陛下が現在のような状態で殿下が戦地に赴かれるなど、滅相もございません」
周りの臣下が諫めようとするが、ローフェンが割って入る。
「殿下は若いながらも自ら国難に立ち向かおうというのです。ここは殿下を送り出しましょう」
家臣団は押し黙った。
「ガイウス。留守は頼んだぞ」
提案に無言を通していたガイウス卿へ王子は声を掛け、玉座を立った。
「御意のとおり」
慇懃にガイウスは言葉を返した。
兵の招集には五日を要した。王国中より招集された兵達が隊列を組んで並ぶ。遠征軍としては建国以来の規模である。
「グランデレニア帝國はルビオナ連合王国に侵攻を開始し、世界に不要な混乱を撒き散らしている!」
「古くからの友邦たる国を放っておくことはできぬ。我らロンズブラウ王国、ルビオナ連合王国と共に帝國を打ち倒そうぞ!」
「帝國に死を!」「帝國に死を!」「帝國に死を!」
声を張り上げる兵団長に対し、兵達が雄叫びをもって答える。グリュンワルドはずっと瞑目していた。
出兵式を眺めながらローフェンは呟いた
「殿下の力、皆に見せつけましょうぞ」
「—了—」